あらすじ
「人の中心は情緒である」天才的数学者でありながら、思想家として多くの名随筆を遺した岡潔。戦後の西欧化が急速に進む中、伝統に培われた叡智が失われると警笛を鳴らした、氏の代表的名著。解説:中沢新一
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Posted by ブクログ
娘が学芸大学に行っているので教育学を学んでいる学生たちのことを聞いてみたが、ひどいものだと思った。「何々教育学」というものがそこら中いちめんにあり、必ず出席をとるだけでなく試験をする。おもしろくもないのを覚えなければならない。ゼミナールだ、講義だといって自分の勉強はちっともしていない。こうして本来のものからはずれたものになり、理性が理性として働かず、鉛のさびをかぶせたようになってしまう。
こういう人たちが先生になり、その調子で教える。義務教育の子に遊ぶひまもないくらいいろんなことを教え込む。その結果、子供たちは、わかってもわかっていなくてもぼうっとしていることになり、いろいろなセンスが欠けて正義心、廉恥心も働かなくなるのだ。
近ごろは集団として考え、また行動するようしつけているらしいが、これこそ頭をだめにしてしまう近道だと思う。人の基本的なアビリティーである他人の感情がわかるということ、物を判断するということ、これは個人が持っているアビリティーであって、決して集団に与えられたアビリティーではない。学生たちに最初から集団について教え、集団的に行動する習慣をつけさせれば、数人寄ってディスカッションをしないと物を考えられなくなる。しかしそれでは少なくとも深いことは何一つわからないのだ。