【感想・ネタバレ】こんなスポーツ中継は、いらない!のレビュー

あらすじ

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野球、サッカー、テニスなど、日本のプロスポーツがいつまでたっても世界レベルに達しないのはなぜか?身体能力の違いや技術レベルの低さ、そして優秀な指導者の欠如…そんな表面的で効果のない批判ではダメだ。われわれとスポーツのあいだにこっそりと忍び込み、スポーツ観形成に無意識のうちに働きかけるサブリミナル・メディア「スポーツ中継」こそが、諸悪の根源なのだ。試合の醍醐味を伝えない実況アナウンサーや、自慢話に終始する解説者など、一部の悪しきスポーツ中継を断罪し、日本でスポーツが文化として成熟するために、スポーツ中継はどのようにあるべきか、その可能性を探る。

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Posted by ブクログ

映画評論家、大学教授、フリーアナウンサー、フリー編集者、評論家、文筆業など、いかにも口うるさそうな10人によるスポーツ放送批評10編。取り上げられているスポーツ放送は、プロ野球(2編)、高校野球、サッカー(2編)、プロレス、箱根駅伝、テニス、ラグビー、F1。

批評の眼は、タコツボ主義の競技団体、スポンサーの意向と視聴率に縛られるメディア、精神主義に傾斜しすぎる日本人、貧しい日本のスポーツ文化、競技への理解の乏しいカメラワークなどにも向けられていますが、圧倒的に叩かれているのは「アナウンサー」と「解説者」の次のようなしゃべりです。特定のアナウンサーや解説者を思い出す人も多いのではないでしょうか。

・バックグラウンド情報はおろか、競技そのものについて無知なアナウンス
・間違ったことや時代遅れの理論を説く解説
・試合に関係のないおしゃべり(裏話、自慢話、トリビアルな知識のひけらかし)
・「元選手」というだけで中味のない解説
・感動の押し売り(絶叫、美談、根性物語)
・あらかじめ決められたストーリーに誘導する語り

この本が出版された2000年には行なわれていなかったのか、誰も叩いていませんが、このごろの放送で私があまりにもあまりだと思うのは、アイドルタレントによる取材や応援(バレーボール)と、MC能力も専門知識もないタレントによる番組進行です(織田裕二は湾岸署では熱いけど世界陸上では寒い)。この傾向はどんどんひどくなってきているようです。

スポーツは生で観るのがいちばんですが、いつもそうできるわけもなく、テレビ観戦は必須です。すぐれた実況と解説は、スポーツ観戦をより楽しいものにしてくれます。その競技のファンを増やし、スポーツ文化を成熟させることにも貢献します。アナウンサーや解説者のみなさん、テレビの前でおいしいビールが飲めるよう、よろしくお願いします!

「スポーツニュースは恐い」も、ぜひあわせてお読みください。

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2013年02月25日

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