【感想・ネタバレ】ケシゴムは嘘を消せないのレビュー

あらすじ

離婚届に判を押しアパートに帰りひとりで「離婚式」を敢行中、突然空気の塊が横切る。男は姿の見えない人の形を手のひらで確認し「暇なら飲まないか」と誘い、二人は意気投合する。透明で姿の見えない女は、大きな「組合」に自分が追われていると告げ、二人の奇妙な同棲生活が始まる。一行先も予測不可能、「せつなさの魔術師」による傑作ファンタジック・ラブストーリー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリー要素もSF(というかファンタジー?)要素もふんだんにあるんだが、俺はこの本を父親の小説として読んだ。物語の冒頭、ダメ亭主として(おそらく意図的に)描写された主人公ノブが話が進むごとに変わっていく変遷の味わいがよい。

そう、男ってのはこういうダメなところが、多かれ少なかれ何がしかあるもんだ、こじらすとアル中になったりDV走ったりするんでアカンねんけど、パーフェクトを目指す女性から見たら「なんと情けない」と思われてしまう要素を持ってしまってる性なんやと。

その「なんと情けない」を背負いつつ、子供との関係や恋人とか配偶者との付き合いを進めて行くうちに光ってくる何かがある。背負ってるもんのしんどさがイヤになったり、逃げ出したくなったり、呆れてみたり…

白河さん、少々荒さが目につくものの、さすがの人間描写。透明人間と組合のゴタゴタ劇に家族小説の味わいをぶっ込んでくるあたり、器用さだけじゃない強引さも感じる。そういうのキラいじゃないけど、細部をもうちょいやすりがけしてなめらかにしてくれたらもっと良かったかな。

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2016年12月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

離婚をしてやけ酒を飲んでいると、突然目の前をなにかが横切ったような気がした。思わず手を伸ばして掴むと女性の手首の感触だった。話しかけると女性の透明人間で、なんでも消せる能力をもち、透明人間の組織に追われているという。寂しかった彼は透明人間の女性を匿うことにした。料理上手の透明人間との奇妙で妙に居心地いい生活は次第に組織の包囲網により追い詰められていく。

荒唐無稽も過ぎるという感じだけれど結構楽しんで読んでしまいました。でもちょっと辻褄が厳しいので理屈っぽい心を麻痺させる必要はあると思われます。

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2016年05月03日

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