あらすじ
アメリカ海軍でダメな艦として有名だった潜水艦「サンタフェ」。
134名の乗員たちの間には、「言われたことをやるだけ」という空気が蔓延し、みな、働くことに疲れていました。
そんななか、新たに艦長に就任したマルケ大佐は、この艦が抱える問題を一つひとつ取り除き、
わずかな間に、誰もが注目する最も優れた艦に生まれ変わらせました。
それだけでなく、マルケ艦長が去った後も、今に至るまで、サンタフェは優れたリーダーを多く輩出しています。
いったいどうやったらそんなことができるのか。
マルケ艦長が行った改革のプロセスを、本書では丁寧に描いていきます。
軍人なのに、命令が大嫌いな艦長。
「よろしい」というだけで艦を動かすマルケ艦長の「委ねるリーダーシップ」に、
あのベストセラー『7つの習慣』の著者、スティーブン・コヴィー博士も感動。
本書を絶賛する内容のはしがきを寄せています。
海軍で100年続いた命令型リーダーシップを捨てて、
部下に権限を下ろす「委ねる」リーダーシップが艦に根づくよう奮闘、葛藤する
マルケ艦長の姿は、多くのビジネスパーソンの共感を呼ぶはずです。
優れたリーダーは、次世代のリーダーを育てる。21世紀の新しいリーダーの姿が見えます。
【主な内容】
1部 命じるリーダーシップとの決別
1 ウィル・ロジャーズでの苦い経験
2 サンタフェの指揮を執れ
3 艦内を歩き回る
4 リーダーシップの構造を変える
5 命じるリーダーシップの弊害
6 艦長就任のスピーチ
2部 委ねるリーダーシップを導入する
7 名ばかりの委譲を止める
8 三つの名前を使うルール
9 なぜ「使えない」海図ができるのか
10 自発的な言い方、受け身な言い方
11 解決策を叫びたい衝動を抑える
12 監視を排除する
13 率直な思いを口に出せるか
3部 委ねるために、技能を高める
14 ミスをなくすには
15 つねに学ぶ者でいる
16 説明では届かない。確認にしよう
17 大事なメッセージは繰り返そう
18 非常事態でも、委ねられるか
4部 目標を正しく共有する
19 信頼をつくる方法
20 おかざりでない行動指針を作る
21 目標から始めよ!
22 「艦長、あなたが間違っています」
23 『7つの習慣』コヴィー博士との対面
24 権限とともに自由を与える
25 確かな成功を手にする
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Posted by ブクログ
自律的組織を扱う書籍のなかで、過去一おもしろかった。リーダーシップのあり方を見直し、トップダウン型の海軍において権限移譲を進めた苦労や工夫は参考になることばかり。オーナー企業の比じゃないくらい、「変わる」ハードルの高い軍隊の成功事例は勇気をもらえる。
Posted by ブクログ
リーダーシップの在り方としてサーバントリーダーシップが提唱され、従わせるのではなく考えてもらうことの重要性が声高に叫ばれるようになって久しい。
現実には、どこまで権限委譲するべきか悩む管理職たちのうめき声が変化しきれない組織の中にこだましている。
そんな「変われない」、むしろ「変わってはいけない」組織の筆頭である軍隊において見事に自律的な組織へと変貌させていったマルケによる本書は、どのように自律的組織になっていくかの重要なヒントをいくつも潜ませている。
Posted by ブクログ
命じるリーダーシップに疑問を感じていたマルケ艦長が潜水艦「サンタフェ」で行った委ねるリーダーシップについて書かれている本
原子力潜水艦の知識はなくても、スイスイ読めてしまいます。
Posted by ブクログ
読みやすいし、エッセンスが乗ってる。少なくとも私の大好物な視点での。妄想やウンチクではなく、葛藤を感じつつ、でもきっちりと理想を遂行したことはお手本にしたい。
Posted by ブクログ
軍隊式のトップダウンの指揮系統を学ぼうと思って本を探していた時に見つけた本。
この本で説明されている組織のあり方は、旧来のトップダウン方式とまったくの別物。
しかしその方が大きな成功をおさめられているらしい。
上司の視点でも部下の視点でも学ぶところのある良書。
Posted by ブクログ
久しぶりに読み応えのある本でした。私の目指す理想の組織がそこにはありました。
委ねるリーダーシップは、まさに理想。ただ、実際にやろうとすると大きな壁が…。
メンバー一人一人に高度な専門知識がないと任せられない。そこをどう乗り越えたのかもっと詳しく知りたい。そう思いました。
委ねるリーダーシップは、権限を部下に移譲すること。その一方で、責任は追う覚悟が必要。リーダーの腹のくくり方がすごいと思いました。
こんなリーダーを目指したい そう思いました。
Posted by ブクログ
・質問も、知識を試す質問より、本当に知りたいと思って質問することのほうが有益。
・発問する時、変えてほしいことは、というより、「ひそかに」変えてほしいと思っていることは?
・まずは信頼構築。批判や助言をする時間はそのあとにいくらでもある。
・命令して委ねても意味がない。それではトップダウンでボトムアップを導入すること。矛盾である。ボトムアップを受け入れるようにしむける。
・ミスがあるとチェック者を増やす、という対策があるが、それでミスが減ったためしがない。
・早目に報告することで、いざ結論をだすときに間違っていることを防ぐ。そうすると部下を信頼していない、ということになりそうだが、そうではない。
★信頼することは純然たる人間関係の話であり、報告などは物理的な問題。
・委ねるには、相手に相当の知識が必要。知識がないのに委ねても仕方がない。
・説明と確認は違う。説明は説明者が一方的に話す。確認は説明者が知識を試す発問をすることで、受ける側に応答させること。
・また委ねる際には、目標が正しく共有・理解されていることが大切。
・
Posted by ブクログ
リーダーがいなくなっても機能する優秀な組織を作る事がリーダーの仕事はその通り。移譲(デリゲーション)が大事。
ダメダメ潜水艦だったサンタフェを優秀な艦に変えていく。潜水艦って映画やアニメでたまにネタとして取り上げられるけど、潜水艦運営するのってこんなに大変なんだなと、別の視点からも面白い。100人以上いる乗組員が自立的に動かないと優秀な艦にはなれない。
結構短期間で変わっていくので純粋に凄いなと思う。話をよく聞く、任せる、ルールを変える、出世の道を作ってあげる、そして褒めるがリーダーの仕事って事ですね。
Posted by ブクログ
軍隊の用語はよくわからないけど、
底辺から組織の仕組みを変えて、「委ねるリーダーシップ」に変えてできた成功談。
具体的なエピソードと対策が描かれていた今のところ1番リアリティあるマネジメント本だった。
Posted by ブクログ
リーダーシップ、チームワークについて大変参考になった。なのでかみさんに読んでもらおうと話したが潜水艦と聞いただけで拒否反応。女性には向いてない話題なのかな。
Posted by ブクログ
権限を与えたりする仕組みは、本質的に矛盾している。権限委譲ではリーダーシップの構造は変わらない。権限とは自分の内側から生まれるもので与えようとすることは、相手を操ろうとすることと同じ。本当に必要なのは自由。自由な状態と権限を委譲された状態は違う。
自ら判断して行動できる環境が整い、高い技能と正しい理解が備わったとき自由が生まれる。
自律的な環境を作る上で本書で説明されている3つのアクション
・直前に行動する
・これから〜をします
・説明するな、確認せよ
Posted by ブクログ
内容は非常に読みやすいです。
リーダーは組織の核となり牽引していくものだ!というのが通説ですが、筆者は自身の経験から、全ての部下に権限を与え、能動的に組織を回していくことの重要性について語っています。
実践するのは難しいですが、やり方の一つとして新しい視点を得ることができました。
Posted by ブクログ
非常に興味深い内容だった。権限の適切な移譲と部下のモチベーション向上。仕事のやり方はトヨタ自動車の「自工程完結」に近い印象を受けた。ただ、過去に米海軍のサブマリナー出身の方と仕事をさせていただく機会があったが、基本的にサブマリナーは人格的に優れた優秀な人材である。狭い空間で何カ月も過ごす上で適正が無い人間は耐えられない。その前提から考えると、汎用的に用いることのできる手法では無いようにも思えた。
Posted by ブクログ
この本は、経営者にとっては社員の情熱、知性、エネルギーを解き放つ方法を学べ、
現場で働く人にとっては自ら決断を下して働ける方法を学べる。
権限を委譲する技術、委ねるリーダーシップ
ビジョン
誰もが自分の仕事に満足している組織になっている。
誰もが自分の知力を存分に発揮している組織になっている。
誰もが自分を高めたいという意欲に満ち溢れている組織になっている。
自分が居なくなっても社員やスタッフが優れた働きをし続けていて昇進や成長をしている。
考え
権限と自由を与える事は人が生まれ持った才能やエネルギー、創造性を認め存分に発揮させることである。但し、それには優れた技術と正しい理解が求められる。
仕事の上でも個人でも働く人にとって「組織の良さ」を享受できる仕組みを構築する。
手順
有能な部分、強みが発揮される部分を洞察する。
その人が何かに接した時に現れるものを観察する、感じ取ること。
社員がその時にどんな決断を下す必要があるかを把握する。
決断する上で社員が何が必要になるか理解する。
何かと接する際に必要なものは何か。
その際に的確な専門知識は何か。
組織の目標に対する深い理解をしているか(深く理解させているか)。
状況に応じた決断を下す責任を与えているか。
専門知識を学ぶ→専門知識が増える→(確認・評価する)→決定権を与える
→もっと学ぶ→専門知識が増える→(確認・評価する)→決定権を与える(決定権が増える)
正しい理解とは
ミスをしないだけではだめだ。優れた成果をあげよ。
信頼を構築して部下を思いやれ
行動指針を判断の基準にしろ。顧客目線で常に考えるべき。
目標をもって始めよ。
仕組みを作る
毎日行くのが楽しみな場所にする。
組織文化を変える為にも自分の行動を変える。
話し合う機会を作る。早めに、短く。効率が上がる。
自発的な言葉遣いに気を配る。
「これから~します」「私の計画では~」「~をするつもりです」「~をしましょう」
思っていることを口に出す。
口に出す時は、向かうべき場所とその理由を述べる(聞く時は質問して述べさせること)。
同じメッセージを繰り返し発信する。
目標からはじめる
成果が測れるか。具体的で数値でわかる目標が定められるか。
部下と目標を話し合うときは部下が抱えている問題に親身になって相談にのること。
Posted by ブクログ
これからリーダーシップに必要ことは「権限委譲型リーダー」であるということ。それが、海軍の潜水艦艦長を担っていた著者の実体験を基に書かれている。
トップダウンの軍隊の中で権限委譲型のリーダーシップを発揮し、史上最悪と言われた潜水艦チームを立て直す。
権限委譲に重要なことは以下の3つ。
・部下の主体性引き出す。責任を持たせる
・部下のCANを増やす(スキル、知識等)
・目標、目的を正しく理解させる
上記を部下に明示し、上司である自身が背中を見せることで部下は自身の行動に責任を持ち、行動するようになる。
例えば報告は上司は「YES or NO」で答えられるように「私は〇〇な理由により、△△な行動を取ります」と報告するだけで、行動への責任や必要なスキルを身につけなければならないと思うようになる。といった具合。
7つの習慣をベースとした考えで、7つの習慣の実践編といっても良い、本かもしれない。
Posted by ブクログ
全ては学ぶ事から始まる。個々の技能が高まれば、相応の権限が移譲される。そして、善の循環が始まる。そしてチームの目標や目的が明確になり、かつ共有されていることが強いチームの必須条件となる。
Posted by ブクログ
「最強組織」の作り方ということで、そういう本と思って読みました。概ね期待通りでした。いろいろ勉強になる点もありました。
普通の企業ではなく、合衆国海軍の原子力潜水艦が舞台と言うことで、興味深く読み進めることが出来た側面もあると思います。
「当事者意識を押しつけない」と言うのが一番残っています。
Posted by ブクログ
訳語がなんか自分の中でしっくりこず違和感は終始感じたので星四つ。
最低の潜水艦を最高の潜水艦にした艦長のマネジメント。委ねるリーダーシップを強調。トップダウンにこだわる海軍のやり方が下の人間のやる気や責任感を奪うと。実際自分も大きな権限を与えられた時のいきに感じる的なのはあるし、これ大事と思うわ。でも「○○します」「了解」的な流れ、command by negationって彼が導入したってことなんかな。
Posted by ブクログ
けつだんを下すものが、情報のあるところにいく。
組織の目標をみんなの目標にすることも大事。
どうしたら、達成したことがわかるかも、
大事なポイントである。
Posted by ブクログ
アメリカ海軍の潜水艦艦長による命令しない、委ねるリーダーシップについて書かれたもの。乗組員にいかに自発性を持たせるかが主旨。実践できそうなものもあればそうじゃないものもあり取捨選択が必要。
Posted by ブクログ
「ソフトウェア開発のスクラムに通じる」と聞きましたが、そうは思いませんでした。
任せるリーダーシップを実現するために、リーダー自身が自分を律している様子が大変参考になりました。
Posted by ブクログ
学びはあり、委ねるリーダーシップの難しさ、一定の我慢が必要だなぁと改めて理解。良い内容だと思うが、「LEADER'S LANGUAGE」と同様に何故かなかなか入り込めず…。読みづらい訳ではないが、海軍という事例がイメージ湧きづらいからなのかな?と思いつつ、今回はサラッと読んだので、また挑戦したいと思う。
Posted by ブクログ
原子力潜水艦「サンタフェ」の指揮命令系統をターンアラウンドさせた艦長による「最強組織」の作り方。最高レベルの緊張感と緊密連携が求められる米海軍式ということで期待して読んだが、内容としては問題発生に対する個別具体的な対策とリーダーシップとチームワークの基本的な事柄の遵守の大切さが描かれている。「最強組織」の秘儀や理論があるかと思いきや、最強に裏技なし&王道が最強ということか。米海軍の原子力潜水艦でも潜水艦員のややチープな仕事っぷりとモチベーション向上を目的とした権限委譲の難しさと大切さは変わらないのだなという再点検・再確認にはなる本である。
Posted by ブクログ
指示待ちではなく、これから〜します。という形で上長に連絡する形によって、自律分散型の構造に変化させた点が興味深い。
責任を何階層も登らせずに現場の責任で判断させる形は、スピード面でも、メンバーのモチベーションや学習面でも、とても大事なスタイルである
Posted by ブクログ
とある研修で参考図書になっていたので一読(^^)
アメリカ海軍でもっとも出来の悪い原子力潜水艦がわずか1年でNo.1に。
艦長が徹底させたことは、船員の自主性を如何に誘導するか。ちょっとした工夫で、トップダウン型の指揮命令から、各船員が持ち場の指揮者となり、完璧に業務をこなしてく。君はなんのためにここにいるのか?