あらすじ
雨漏りのする屋根の修繕にやってきた工務店の男は永瀬といった。木訥な大男で、仕事ぶりは堅実。彼は妻の死から神経を病み、その治療として夢日記を付けている。永瀬屋根屋によれば、トレーニングによって、誰でも自在に夢を見ることができるという。「奥さんが上手に夢を見ることが出来るごとなったら、私がそのうち素晴らしか所に案内ばしましょう」。以来、二人は夢の中で、法隆寺やフランスの大聖堂へと出かけるのだった。
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Posted by ブクログ
さて、不思議な小説です。
雨漏りの修理に来た夢を自在に操れる屋根屋とともに、主婦の「私」が夢の中で様々な屋根をめぐる旅をする内に。。。
二人が訪れる建物や屋根の描写が緻密です。日本の寺社や五重塔の空に飛び立つような屋根の反り。瓦の裏や法輪に書かれた大工や僧の落書きの面白さ。フランスの大聖堂建築のフライングバットレスや身廊(ずいぶん前ですがケン・フォレットの『大聖堂』を読んでいるので構造が目に浮かびます)。何か吐瀉しているように見えるガーゴイル(雨樋から流れてくる水の排出口)の魔物彫刻の群れ。それだけでも読み応えがあります。
ゴルフ三昧の夫とクラブ活動に夢中な息子。特に大きな不満も無いが、どこか家族の中で存在感の薄い主婦と、10数年前に妻を亡くし、一時は精神の不調に陥ったさえない大男の屋根屋。そんな二人の夢の中の道行きは、互いの孤独からの逃避に向かい、やがて夢と現の境さえ不明確になって行く。
著者が何を語ろうとしたのか良く判りません。読む人によって色んな解釈が出来そうですが、独特の空気感の中で、それぞれが自分なりの解釈をすれば良いのだろうと思います。
Posted by ブクログ
作品が読者を巻き込み、グイグイと中へ連れて行く。屋根屋の永瀬と屋根の修理をしてもらう家人の奥さんが中心の話。夢というのは起床時にはほぼ忘れている事もあり、深くは考えてないがこの作品を読むと夢ってコントロール出来るのかとちょっと興味を持った。しかし、夢日記に関してはいろいろと怖い話を聞くので実践はしたくない。すごく不思議な作品だがなぜか、それが心地いい。
Posted by ブクログ
家の屋根の雨漏りの修理に来た屋根屋の永瀬と、夢の中で逢瀬を楽しむみのり。
2人は京都の五重塔、フランスの大聖堂へと旅をした。
ゴルフ三昧の夫と、高校生の息子と3人暮らしの平凡な主婦みのり。
そこに現れた屋根屋の永瀬は、彼女に刺激を与えてしまったのでしょう。
夢の中だからいいよね、という気持ちでいながら、一歩踏み出す直前まで行ってしまっていて、どうなるのかと緊張しました。
何も無くて良かったんだと思います。
永瀬が残した落書き。
家の屋根瓦の上にあるかもと勝手に想像してました。
違った…。
Posted by ブクログ
2018/11/25
相当時間がかかった。
夢を好きなように操れると楽しいだろうなと思う反面、やっぱりそこから出られなくなる恐怖が付いて回る。
そういう意識せずに抱いていた感覚を見せてもらった感じ。
しかし登場人物が夢に入って行くときに私もつられて睡魔に襲われるもんだから読み進められないのだよ。
どんだけ寝たか。
本読んでるのか夢を見てるのかわからなくなる。ことはないか。
よーく寝ました。
Posted by ブクログ
まさに表紙のシャガールの絵のような不思議な話で、面白かった。
ゴルフ好きな夫と高校生の息子と平凡に暮らす主婦が、屋根の修理にやってきた無骨な屋根屋と出会い、夢を舞台に旅するようになる。
不倫、恋愛といったドロドロ感よりも、寺社やヨーロッパの城などの建築物の細かな描写と、常に付きまとう死のイメージが印象的だった。
Posted by ブクログ
主婦の主人公と屋根屋が、話の感じから六十代位と思って読んでいたら、途中でもっと若いと分かり、どうしても違和感が…。夢話に引き込まれていっきに読んでしまったが、読み終わると、全部主婦の夢だったんじゃないの…まとめたくなってしまった。
おもしろいんだけど、ケチをつけたくなる、ある意味不思議な小説。
作者と同世代の母には面白かったらしい。