あらすじ
氷河期が訪れ、全ては氷の下に閉ざされた世界。人類は『白雪姫』という冷凍睡眠施設で眠り続け、そして、それを守るロボットたちが小さな村を形成し、細々と地下での生活を続けていた。 副村長の少女ロボット・アマリリスは崩落事故による『白雪姫』の損傷や、年々パーツが劣化する村人たちのケアに心を砕いていた。再び人と共に歩む未来のために。しかしある時、村長の発した言葉に、彼女と仲間たちは戦慄する。 「──人類は滅亡すべきだと思う」 機械たちの『生き方』を描く感動の物語。
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夢の無限エネルギーを手にしたと思った人類が、虚構の繁栄を謳歌していたら手痛いしっぺ返しを喰らい大氷河期に襲われ、それを回避する為に地下シェルターの生命維持カプセル(揺り籠)に待避するも、その管理を不測の事態にも対応できる様に自律型ロボットたちに任せ、ロボットたちが長きに亘り苦しみ藻掻き多くの同胞たちを失い奮闘するも、最後は「半分こ」でめでたしめでたし…?
設定の疑問点を挙げると、氷河期明けに地下深くからの搬出等があるのに、何故に子供型ロボットが?
成長せずに幼いままの彼ら。
大人型も世代交代ないのに人間ぽいし…
Posted by ブクログ
前作「雨の日のアイリス」と同じく、ロボットを題材にした作品(続編ではなく、世界観は別物)。ロボットの存在意義については前作も触れられていたが、今作ではさらに深く掘り下げられており、ロボット達がご主人様こと人間に奉仕する姿には胸を打つものがあった。
テーマや全体的な内容自体は面白かったのだが、どうにも腑に落ちないところがあった。その最たるが、本作のキーキャラクターであるアイスバーンの過去と設定である。
序盤から、彼の過去だけは隠されており、「この世界の真実に関係があることなのかな?」と期待していた。一人だけ殺傷能力の高い武器を搭載していた点も、「普通の奉仕ロボットではない」という予想を裏付けているように思えた。
だが、ひた隠しにされていた過去は「やんごとない身分のお嬢様に仕える執事ロボットでした」というもの。明らかに終盤まで引っ張るような大層なネタではない。しかもそのネタばらしのあるシーンは、なぜか視点が移動している。そんな小細工をする意味もわからないし、執事だった過去を隠していた理由もわからない。長らく積み重ねていた伏線を一気に回収して読者を驚かせてくれるのでは、と期待していたが見事に肩透かしを食らい、結果として読後感も微妙なものになってしまった。