あらすじ
無期囚としてカリフォルニアで収監されて二十八年余り。「朝日歌壇」の常連として知られる歌人
が父母への思慕、故郷への憧憬、刑務所内の生々しい日々を短歌とエッセイで綴る獄中記。
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Posted by ブクログ
「ホームレス歌人のいた冬」の中で出てきた郷隼人さんの本を読んでみた。
郷隼人さんは若くして渡米し、殺人を犯してしまい、アメリカの刑務所にいる終身服役囚です。そして、日本の朝日新聞の短歌投稿(ものすごくレベルが高いことで有名だそう)で何度も入選している歌人でもある。
この本は郷さんの2冊目の本で、1冊目は、アメリカの刑務所のわりといい面や良い人たちのことを書いたらしいんだけど(読んでないのですが)、こちらの本は、そうではない場面や人(^^; のことを書いたそう。
”信じられないだろうが、米国のプリズンではなんでもありだ。”
(^^;
私の生きてる世界とはまるで違う世界の話で、非常に興味深く読ませていただきました。
服役中に郷さんのご両親は亡くなってしまったそうで、ご両親を思って詠んだ短歌は、心を打ちました。
母さんに「直ぐ帰るから待ってて」と告げて渡米し三十六年経ちぬ
獄に読む母の文子そ悲しけれ 父の介護に疲れ果てしと
そのほかにも、獄中でこっそりどぶろくを醸造する話とか、禅ガーデンと呼ぶ素敵な花壇を作る話とか、猫の話とか。
日本の過去の戦争の問題とか、差別の問題とかが、アメリカの獄中にもしっかりあるそう。
この本は、2014年の本なので、もう7年前。ホームレス歌人の公田さんのときも思ったけど、いまどうしてらっしゃるんでしょうね。