あらすじ
「日本にハーバードのようなビジネススクールを!」という熱い思いの元、ゼロからグロービスを立ち上げ、日本でもトップクラスのビジネススクールにまで成長させた著者。本書はそのグロービス経営大学院学長が、ハーバードでの学び、ゼロからの起業、豊富な教育体験から得た勉強法&実践術を説く、待望の書き下ろし書籍である。「創造と変革の志士」、つまり次世代を切り開くビジネスリーダーに必要な要素は何なのか――本書ではそれを「能力」「人的ネットワーク」「志」の三つに分けて解説していく。どんな能力をどうやって身につければいいのか、人的ネットワークはどうやって構築していけばいいのか、そして、逆境にも負けない志は、どうやって醸成していくべきなのか……これらの具体的方法を、実体験に基づいて説いていく。今より上を目指したいビジネスパーソンすべてに必ず役立つ一冊。
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Posted by ブクログ
「幕末の志士たちのように、21世紀を駆け抜ける志士となるための心構えを学びたいあなたに」
この本で繰り返し主張されているのは”志”だ。
志は自らの使命を悟ることにより、生まれる。自分の中の欲求や感情をそぎ落としたときに初めて、知ることができる。
次に自ら試練に立ち向かう。
困難な状況に立たされて初めて人は成長できるからだ。ピンチを成長のチャンスととらえて、試練を楽しむ。
そして志を信じ成し遂げるためには、大いなる勘違いが必要となる。
つまり、徹底的に自分自身をだまし込む、信じこませる。もし自分を信じられなくなったとしたら、それは自分の限界を作ってしまうことになるからた。
ほかにもさまざまなエッセンスが盛り込まれており、噛めば噛むほど面白い本だ。
著者は武士道精神や陽明学を進めている点も面白い。
Posted by ブクログ
グロービスのオープンセミナーに行ったら頂きました。
頂き物なので恐縮ですが、グロービスのパンフレットのようなので、グロービスに興味がなければあまり読まなくてもいいと思います。
ただ、最終章の『「創業と変革」を担う人に求められるマインド』はテンション上がるかも。
どれだけ試練を楽しむことが出来るか、「志士の五カン」=世界観、歴史観、人生観、倫理観、使命感が必要とのことです。
しかし、成功しているベンチャー起業家は、みんな成功第一ではなく、社会のために何かやったろう!と思ってやってますなー。
Posted by ブクログ
創造と変革の志士の3つの要素、能力開発・人的ネットワーク・志
HBSで学んだ3つのこと、定石・本質を見きわめる方法・効果的に伝える方法
リーダーに必要な能力、知識とフレームワーク・考える力・人間関係能力
1. 現状認識
2. 選択肢の列挙と分析
3. 意思決定と行動計画の策定
4. 行動計画
↑際限なく繰り返す
どんなスキルでも「反復と継続」で習得できる
僕は、グロービスを立ち上げたベンチャー経営者であり、同時にベンチャー・キャピタルも運営している。経営書を読み、経営を実践し、投資を行いながらも経営に関する研究もしてきた。ただ、経営面に関して、経営そのものから学べることには、自ずと限度があるのではないかと認識し始めている。すなわち、歴史、心理学、進化論、哲学など様々な分野の読書をすることによって見聞を広め、音楽、芸術、スポーツ、遊びなどを通して、人間の幅を広げていく。そうした努力をすることが大切ではないかと考えるようになったのだ。p61
陽明学とは、明大に王陽明が唱えた学術思想だ。陽明は実践を重んじ、自律的で情愛に満ちた道徳を説いた。p99
僕は、たった一人でグロービスを立ち上げた。僕には、信用も、実績も、ネットワークも、資金力もなかった。あったのは、HBSのキャンパスで思い描いた「ヒト・カネ・チエのビジネスインフラを作り、創造と変革を行う」というビジョンと「可能性を信じる」という信念、そして「吾人の任務」という使命感だけであった。p129
バイブル(聖書)が存在するからこそ、ローマ・カトリック教会はあそこまで大きくなり、長く存在しているのである。人的ネットワークの集合体である組織を長く存続させるためには、まさにバイブルとなる経営理念が必要なのである。理念がしっかりしていれば、人々は愛着を持ち、居続けてくれるのである。p137
「経済のゼロ成長」だが、すべての市場が停滞しているわけではない。確かに、総和としての日本のGDPは過去数十年間停滞しているが、各市場単位で見ると、伸びている分野もあれば縮小している分野も当然ある。その総和がゼロなのである。したがって伸びている分野にある会社には、投資できる可能性がある。次世代光ディスク、組み込み型ソフトウェア、光通信技術、ナノテクノロジー、モバイル技術、ロボット技術、デジタルコンテンツ、新世代エネルギーなど、日本の強みを活かした有望な成長市場も多い。
【技術革新のトレンド】
インターネットの方向性・携帯技術の進展、バイオテクノロジー、ナノテク、新素材などの技術革新が、どのようにビジネス構造を変革するのかを認識するのである。
昨今ではたとえば、地球温暖化の問題に原料高が重なっていることから、電気自動車やプラグインハイブリッド、燃料電池、風力や太陽エネルギーなどのクリーン・テクノロジーや、リサイクル関連のテクノロジーなどに新たなベンチャーの可能性があると思う。
【社会・人口動態的変化】
ベビーブーマーの高齢化による人口構造の変化、少子高齢化等の人口動態的な変化、あるいは高学歴化、女性の社会進出等の社会的変化等を認識する必要がある。シルバー産業など高齢化に対応する産業や、保育園の民営化などに創造のタネは広がっていると思う。
【消費構造のトレンド】
消費者の購買態度はどのように変化しているのかを、念頭に置く必要がある。社会構造のソフト化、サービス化、レジャー化、高度情報化のトレンドも常に把握しておかなければならない。昨今は、ソーシャル・ネットワーキングなどの関係性の追求や、ユーザー自身がメディアとなる媒体への利用傾向が高い。
【規制緩和の方向性】
規制緩和は常に大きなビジネスチャンスを生み出す。常に政府の動きを把握して、どの分野において規制緩和がなされて、その結果、どのようにビジネス構造が変化するのかを把握することは非常に重要である。