あらすじ
たばこのヤニから作る“おふくろ”の妙薬。奇病から髪の毛を失った母親へ、オランダで買った帽子。重なる心痛を耐え生き抜いて来た老母や肉親を描き、生きてあることの哀しみの源へ、真にあたたかな光を送る、短篇の名手・三浦哲郎の珠玉の名短篇集。
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Posted by ブクログ
以前読んだ短編に出てきた登場人物たちがちらほらいる。
だから、よけいに距離が近くなるから、死のにおいが強く感じられる。
最後の短篇に出てきた母親の言葉「皆と暮らしたかった」がものすごく重たくて。これは早く兄弟のことを題材にした本を読まねば。
Posted by ブクログ
三浦哲郎の『おらんだ帽子』は単行本が昭和52年に新潮社から出ているが、この講談社文芸文庫版(1993年刊)とは収録作が若干異なっている。今回、以前読んだ単行本には収録されていなかった「影」と「かりがね通信」の2作を読んだ。
「影」は幼い娘とふたりでデパートに行く話。こどもが父親を慕う心が、何気ないことばやしぐさに現れる。
「かりがね通信」は九十をすぎて病院で寝起きするようになった母親の話。死期が近づく母は、先立たれた息子や娘のことが夢うつつに浮かんでくるらしい。
二つとも、親子の血のつながりということをじっとかんがえさせるような短篇であった。