あらすじ
私はケータイを持ってない。なぜなら、私には友達がいないから。だから毎日空想をして、憧れ続けていたある日。頭の中に鳴り響いた美しいメロディ。それは、同じさみしさを抱えた少年からのSOSだった……。【小学上級から ★★★】
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Posted by ブクログ
胸が締め付けられた。
原田さんの正体は早い段階で気づいてしまったので、「何年か前」のくだりで きっと二人は離れることになるのだろうとは思っていたけど
そんな哀しい現実が待っていたなんて!
最初は え?!妄想癖やん!!
なんて思ってたのに....。読んで良かったです。傷は映画でみたよりも原作の年齢低くてビックリ!
最後の安藤夏の話は この年代にありがちで微笑ましくなりました。
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最初はなんとも思わなかったけど、何年かたって読んだらガチ泣き。心臓をぎゅっと捕まれた様な気がした。
凄く好きでこんなお話をかいてみたい。私の中で物凄い革命だった。
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まだ未読だったのがおどろき乙一作品
小学生が読んでいいのか正直微妙な気がする(いろいろと)
頭の中のケータイの話と
傷をうつすことができる小学生の話と
架空の彼女をつくる高校生の話
どれもいたくてかわいそうでおもしろい
3つめはばかみたいだけどいいはなし
乙一作品は、中二病的というか、
まわりやじぶんとおりあいがうまくつけられない年頃(やそういう人)に
しっくりくるのがおおいな~
だからすきなひともおおいのかな
Posted by ブクログ
大人の文学というよりはYA.もの。
私は携帯電話を持っていない、だけど携帯電話が欲しいと思っている女子高生(16才)。頭の中で携帯のイメージをしているうちに、その電話に、本当にある男の子(17才)から着信が届く。彼も私と同じく、人としゃべるのが苦手で、孤独な高校生。二人はいつしか、実際に会いたいという思いにかられる。
他に2作。
「傷」・・・他人の傷を移動できる能力をもつ少年との友情物語。
「ウソカノ」・・・友達の手前、見栄を張って彼女がいるとウソをついてしまった高校生の友情物語。
全ルビ付き、小学校高学年から。はじめて読む乙一としてはいいのでは?>白の乙一
Posted by ブクログ
いわゆる「白」の乙一といわれるせつない系の短編集。乙一が描く主人公は大抵、人付き合いが苦手で人間関係が希薄で他人の前では仮面をかぶって演技して、といったキャラ設定で、太宰治が描く人物像に近いものがあります。筆者の控えめな性格によるものでしょうか。
タイトル作の「きみにしか聞こえない」は、携帯も必要ないくらい友達がいないんだけど、空想の携帯を持ってるふりをしているうちに他の空想の携帯電話を持つ相手とつながってしまうという妄想の上に妄想を重ねたようなお話。で、電話相手とは微妙に時間差があったりして、今自分と話している相手が実は30分過去の相手だったりする。もちろん、より鮮やかなラストを演出するためにこういう状況設定をあえて創り出してるんですが、この辺りは筆者の得意とするテクニックです。うまいなあ。
さらに興ざめな話をすると、せつない気持ちを演出するテクニックとしては、「ほんとはそんなこと言いたくないし、やりたくないけど、ベストな解決策を考えたら自分の気持ちに反してもそうせざるを得ない」という状況に登場人物を追い込んであげることがポイントなんだなと実感。「本当は好きなのに嫌いっていわなきゃ相手が死んでしまう」っていう状況設定は典型的なパターンですね。
その他収録の「傷」は、他人の傷を自分に移動させることができる少年の話、「ウソカノ」は、彼女がいないのにいるフリをする(またも妄想キャラ。笑)二人の高校生の話。