あらすじ
小さな惑星に住む少年カイル。両親の記憶はないが、魔法使いや木々と交流しながら庭師として働いていた。ある日森の奥で不穏な黒い影が目撃され人生が変わり始める。詩人が心を込めて紡ぐ愛と冒険の物語。
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「カイル。憎しみに対して、戦う武器は憎しみじゃない」主人公カイルの父は言う。愛すること。愛の力。愛するというきもち。きらめいた世界の中で、透明な言葉になって届いてくるそれらを、まっさらな心で受け止めたとき、世界が美しく見えてくる。つらい現実にさらされて傷ついたとき読むと涙が出てくるような優しい物語。
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真っ白な表紙に銀色でタイトルが記されたキレイな本です。
あっという間に読めてしまうボリュームの中に、素晴らしい物語がありました。
本当に「いい話」の王道のような展開なのですが、
たまご王子の登場でシリアスになりすぎず笑いながら読めたこともあって、
文中には出てこなかったのですが、「笑う」ことの大切さを実感しました。
今後、改めて読むと、いろんな(再)発見があるかもしれません。
ずっと読み続けたいと思いながら読み終えてしまった貴重な1冊です。
裏表紙に書かれていたとおり、「一生の宝物になる物語」になりました。
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銀色夏生さんの詩でなく、小説は初めて。
カイルの人間性にも惹かれたけれど、スフレへの恋心を綴る詩も素敵だった。妖精からの質問に答える場面では、" 好きとは何か "から" 愛とは何か "とカイルの心情に沿って変わっているのも微笑ましい。
人はだれでもが、自分でしかありえない。
どんなに近づいても、他の人にはなれない。
だから、のぞきこむ瞳の奥に、
わかりあえると思える何かを見つけた時、
あんなにもうれしいんだね。
〜
何かを強く感じた瞬間に、
その思いを伝えることが大事だと、
いつもいつも、その時が過ぎてから、思うよ。
この物語で一番好きな詩。
最近出会った人の体験談に感銘を受け、言葉を交わしてくれたことへの感謝を伝えそびれてしまった自分にぴったりな言葉だった。
カイルと同じで言葉は生きていると思うし、賞味期限があるからこそ伝えたいと強く感じた瞬間に言葉を伝えることはすごく大切なことであると思う。
心が綺麗になれるような、そんな一冊
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詩以外の銀色夏生の作品は初めてでした。
森の園芸師少年カイルと、妖精達とのふわふわとした会話を中心
に物語が進んでいきます。やはり随所にちりばめられた詩と、物語
が織りなす世界は詩人銀色夏生のものでした。
人はだれでもが、自分でしかありえない。
どんなに近づいても、他の人にはなれない。
だから、のぞきこむ瞳の奥に、
わかりあえると思える何かを見つけた時、
あんなにもうれしいんだね。
人の悪意を取り払って、善良なる部分のみが残れるわけではない。
悪意もまた自分自身なのだから。
森の深くに捨てられた悪意はいつのまにか集まり、森を壊し人々を
襲った。
集められた悪意は真ん中に悲しみがあり、その悲しみを癒すことが
できた時、悪意は元へ戻り、森は再び生き返る。
白い表紙に銀色の文字の装丁も綺麗なファンタジー。折込の森の
地図もちょっとうれしい。
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カイルと妖精とのやりとりがほほえましいです。
随所に出てくる詩がきれいだったり、切なかったりでとてもよかったです。
ファンタジーの世界なのにカイルの考えが現実的でおもしろかったです。
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以前詩集やエッセイも読んだことのある、写真や詩・エッセイなど
多方面の著書を出されている銀色夏生先生の中では数少ない
「物語」。
結構銀色先生の詩などは好きだったので読んでみました。
うん、さすが詩人というか、言葉選びがとても綺麗で良い!
お話もとても良いです。
ちょっとしゃべり方の似ている登場人物がいて台詞で混乱をやや
したのと、クライマックスがあっさりすぎたので★-1ですが、
お話や文章は物凄く好みで大好き!
特に、「たまご王子」凄く気に入りました(笑)。
他にも「物語」も何冊か出ているようなので、気になります。
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優しい気持ちにさせてくれる一冊でした。
詩とともに綴られる、美しいファンタジーの世界に入り込めば、悲しいときや辛いときにきっと心が癒されるはず。
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水色と灰色と若草色が混ざったような気配を持つ、美しい星に暮らす少年カイル。両親をなくし、園芸家として働きながら、やさしい魔術師や個性的な妖精たちと平和な日々を送っていた。しかしある時、森の奥から黒々とした不穏な影が忍び寄る。武器を持って立ち向かおうとする人々を前に、カイルがとった行動は……。透き通るほどに研ぎ澄まされた言葉で綴る愛と冒険。これは、あなたの一生の宝物になる物語。
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緑豊かな第7惑星で庭師をしているカイルは、魔道師や妖精たちとともに暮らしていました。王様が悪意を捨てるダスト・シューターを各々の家に取り付け、遠い森の奥の廃棄所に捨てるようにしたため、悪意が魔物に生まれてしまいました。やがて木々が少しずつ枯れていき、魔物が大きくなって街に近づくようになり・・・詩集やエッセイを多く出している銀色夏生さんが書いた、素敵な詩と言葉で綴られた物語です。(2010.9.20)
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絵本のようなお話。
色々と悩んでいるときに読んだのだけれど
なるほど、と思ったり
そうか、と思ったり
さまざまな想いを抱きながら読みました。
読後感がいい。
元気になれました。
そして少しやさしい気持ちになれました。
Posted by ブクログ
「ここは、水色と灰色と若草色がまざったような気配をもつ星です。」
ていう時点(導入)でもうイチコロだよ!
なんだよその配色!しかも実際の色じゃなくて気配。
先入観かもしれないけど読後に思い返してみると、あああの星はそういう気配だったと思う。出てくる人たちも会話も。
悪意や憎悪や敵意に出会う時と、
全然関係ない時のためにも、
大事なものがたくさん詰まってる話。
なんだけど、なんかもうカイルとかじゃなくて
銀色さんが全部喋ってるような気がしてきちゃって
銀色さんを振り払いながら読んでた…
つれづれ読みすぎかしら。
Posted by ブクログ
本当に自分が若い時から銀色夏生の本を手にしているけど、どの本を読んでもこの人を形成している考え方や信念は一貫している。ぶれることがない。カイルを通して紡がれる言葉たちは純粋でとても強い。心に、じんわりしみた。
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悪意や憎しみに勝つのは愛と信頼。そんなこと、誰だって聞いたことがあるし、耳新しくも目新しくもないじゃない。でも、園芸家カイルの住む森の物語と詩は、もう一度そのシンプルで大切なメッセージを深く胸に投げかけてくれる。
挿絵はないけれど、読んでいると美しい第七星の森とか妖精たちが、見えてくるようだし、彼らの歌う歌声や笑い声が聞こえてきそう。私はカイルを美少年の姿で想像してたのでとても楽しく読めた。カイルが好きなスフレは婚約者がいて、不倫ではないけどちょっと微妙な間柄だったり、第八星のミッシェル王子がオカマチックでカイルを気に入ってたり…と、さりげなくタブーな愛を包容しているところが、形だけの綺麗事でない大人向けの童話だな、という感じがした。物語の中の詩がとてもよかった。カイルと妖精たちの会話などは哲学問答のようで、短いけれどもとても深いことを語っている物語だとも思う。
今の世の中、たくさんの理不尽があって、ネットとかSNSの普及でたくさんの言葉が飛び交っているけれど、憎しみや悪意で発せられた言葉たちは、いつか大きな魔物となってしまうのではないか?できるだけ、思いやりのある言葉遣いをしたいものだ。
言葉は口から出たらどこかへ消えてしまうのではなくエネルギーとして残っているというイメージが強く残った。
Posted by ブクログ
銀色夏生さんの詩集は、中学生の時クラスでとても流行ってて、今でも実家に何冊かあります。
歌手デビュー前の森高千里さんがモデルをしている本が一番好きだったなあー
今回この本を偶然見つけて「夏生さんなんて懐かしい~!!!」と思わず手に取りました。
大人の童話でした。
汚れた大人になった私(涙)は、あの頃のように純粋に心打たれたりするほどの感動はできなかったけど、ほっこり温かい気持ちになれました。
Posted by ブクログ
自然の描写がすごくキレイで、頭の中で想像するとスゴイ美しい世界が広がりました(人´Д`*).+゚.
世界観が美しく、それに出てくるカイルに魅力されます。たまには、こんな優しい物語読むのもいいですね☆
Posted by ブクログ
ファンタジーはあまり読まないけれど、読みやすかったです。
話がすっきりしています。
すっきりしているのに、文章から溢れる自然の風景は広大でした。
想像してわくわくします。
愛とは!みたいなのが根本にあって、私も、おお、そうか!なるほど!と少し学んだ気持ちになりました。
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悪意ある言葉に打ち勝つ術は…愛。
優しい言葉が飛び交う物語。
台詞が大部分を占めている。
情景描写はほとんどないが、森の木漏れ日や草木の匂いを漠然と感じられる。
Posted by ブクログ
評判が良かったので期待しすぎて読んでしまった。
ファンタジーに多少現実が混じったような物語。
でも「もののけ姫」とか村上春樹の
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の
世界の終わり側の世界とか
いろいろな話の良いとこを集めましたって感じがして
それほど感動も出来なかった。魔物を倒す手段も創造性が
全くないし。でもあえて簡単な物語、簡単な結末で
たくさんの読者に伝えたいものがあったのかなとも思った。
読んで損はない?かなー。繰り返し読もうとは思わなかった。
Posted by ブクログ
あまり関係ないけど、装丁が好き。
カイル
素敵な人です。
魔術師の話を、もっと読んでみたいと思う。
絵本みたいなお話。
ジブリぽさもあるかも…
映像として見れたら、
それは楽しいだろうと思う。