あらすじ
高校を卒業してから二年。芹田 藍は昼は古本屋、夜は身体を売るバイトをしていた。淡々としている藍を玩具のように扱う客が多い中、愛情を教えてくれたのは自分の身体を一切求めてこない客、成瀬恵一だった。平凡なサラリーマンで、温かく純粋な成瀬。だが彼に心惹かれるも、過去の出来事から自分自身を認められない藍は、遠ざかることしかできず――。切なく心揺れるラブストーリー。 ※本文にイラストは含まれていません
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眩しい
色々と初々しい心の躍動が伝わる描写が多くて、切ない思いにさせられました。
身を売ることになった経緯が気になりましたが最後はハッピーエンドで良かったです。
携帯電話が普及してない時期のお話だったらしく、なんだか懐かしくもありました…。
Posted by ブクログ
君に降る白、じゃなくて、私の中では『覆い尽くす白』のような。
作品全体に漂う、寂寥。降り積もる白に全ての音が消される。
埃の色、光の色、目に映る世界、心の中、流れる風。
その全てが白く、ただしんしんと降り積もってゆく。
そんな、そこはかとなく優しく、柔らかく、切なく、心を
揺さぶられる『白』に、惹きずりこまれたら最後、涙が
止まらなくなりました。
別に、ここが泣ける、ここで泣いた、ここが凄いとかそういう
ドラマチックな展開なんてない。物語は静かに、ただただ静かに
淡々と進んでいくのに、ふたりの『想い』がひしひしと読み手に
伝わってきて、どうってことのない、日常の風景の中にすら
瞼の裏が熱くなります。