【感想・ネタバレ】希望論 2010年代の文化と社会のレビュー

あらすじ

日本の現在に切り込む、若き俊英の徹底討論!

震災が露呈させたものとは何か?
情報社会とサブカルチャーの戦後から最先端までをふまえ、日常と非日常が交差する日本社会の現在を徹底分析する。戦後からポスト戦後への変化を理解するヒントは、「仮想現実から拡張現実へ」というトレンドのなかにあった。震災からの復興が叫ばれる今日、ありうべき日本の未来を探るため、この時代の「希望」と「絶望」を問い直す。今もっとも注目される新世代の論客二人による迫真の対話!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「自己承認なんてものは、もはや断片的で確率的なものでしかあり得ない」

 失われた10年だったのがいつの間にか20年になって、僕たちが青春を過ごした時代が無意味だったかのようなことを言われちゃって、それを聞く僕たちも、何となくそんな気分になっていたけど、それに異を唱える人がいる。そのうちの二人が著者。何反省しちゃってるんだふざけるなと。
 おっちゃんたちが見ていた世界は確かに停滞の時代だったかもしれないけれど、オッチャン達が見ていなくて僕たちが見ていた世界では時代は確実に進んでいる。僕たちの青春時代は決して反省の対象にされるものではないのだと。著者は、着実に発達してきた自由の拡大を、最大元に享受して発言を続けている。
 自由の拡大という進歩と、superflatからcooljapanへと流れる日本文化の肯定感(ちょっと狙いが違うけど)この2つを利用して、日本にドメスティックな希望を見いだす。だから希望論。
 同世代の人が本気でそう考え実行しているのは題名のとおり希望になる。素直に未来に対するワクワクした期待感がもてたことが嬉しい。
 他には、共同体についての議論が結構あるけど、Facebookとかシェアハウスとかを見ると、確かに断片的な自己承認の詰め合わせで承認欲求を満たそうとしている私たちがいて、そこに僕もいる。そしてその欲求が決して満たされる事はないからこそ、流動的にならざるを得ないという面がある。
これは善し悪しのもんだいではなく、受け入れざるを得ないものなのかもしれない。

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2013年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここ数年よく見る宇野君、濱野君の仲良しホモホモコンビに対談本である。

宇野常弘の本は読んだこともあるし、中身にも結構共感はできるのだけれど、濱野智史の方はニコ生で見た程度だ。

内容の方はニコ生の対談番組をテキスト化したようなもの。

今、彼らが何を考えているのかを追いかけたい人にとってはおもしろいのだろうけど、結論だけを知りたい人にはこの本を読む必要はないと思う。

でも、こういう考えがまとまるまでの流れみたいなものを世に出すべきだと個人的には思う。

では、バイちゃ!

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2012年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宇野常寛って文章力で人を引き付ける力がある。
これがすでに希望である。

宇野や濱野が未来を託すソーシャルメディアを具現化する理念を持つ
グリーンアクティブも、発足会見を行った。

自然、文化、経済、政治を小さなネットワークでつないでいく「リトルピープル時代」の活動は、うまく行くかどうかはわからない。いまだ、ビッグブラザー的な力でつぶされるのかもしれない。個人の内面にある大きなものへの幻想の前に理念が折れるかもしれない。

でも、そういう変化を含めて吟味し続けていく姿勢こそ、われわれに問われているものなのであろう。希望論とは、覚悟でもあろうと思う。

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2012年04月09日

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