【感想・ネタバレ】花宵道中のレビュー

あらすじ

どんな男に抱かれても、心が疼いたことはない。誰かに惚れる弱さなど、とっくに捨てた筈だった。あの日、あんたに逢うまでは――初めて愛した男の前で客に抱かれる朝霧、思い人を胸に初見世の夜を過ごす茜、弟へ禁忌の恋心を秘める霧里、美貌を持てあまし姉女郎に欲情する緑……儚く残酷な宿命の中で、自分の道に花咲かせ散っていった遊女たち。江戸末期の新吉原を舞台に綴られる、官能純愛絵巻。R-18文学賞受賞作。映画化!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

私の好きな時代軸であることもあり、ページをめくる手が止まりませんでした。
それぞれのショートストーリーかと思いましたが、緩やかに且つ深く繋がっているストーリー。叶わぬ恋は無いのだとでも、恋愛は時として人を狂わすなぁと思いました。でも、恋愛している人が幸せならそれが幸せなのでは無いだろうかとおもってしまいました。また、読み返したいです。
今でもふと、思い出してしまう作品です。
これが処女作なんて恐ろしい。

0
2016年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「間夫(まぶ)がいなけりゃ、この世は闇」っていう
言葉があるとおり、女郎たちはつらい現実からひと時
でも救ってくれる愛する男を頼りに生きている。

「花宵道中」では女郎の朝霧が半次郎という男と恋に
落ちるが、ありふれた女郎の恋だと思って読んでいる
と、「青花牡丹」っていうお話で二人に意外な縁が
あったことがわかる。
その話を読んだ後では読後感が違ってきますね~
いやぁ・・・泣けました。

女しかいない女郎の世界ですから客の取り合いや、
足の引っ張りあいもあるわけですが、妹女郎の茜が
初めて客をとるまでの話を描いた「薄羽かげろう」や、
「雪紐観音」を読むと、こんな世界でも必死に生き抜い
てやろうっていう女たちの気概も感じられて
「たくましいなぁ」と思う。

姉女郎の朝霧のこともあって、自分は絶対間夫なんか
作らないって思ってた八津ですが、身近な人物に心を
揺れ動かされ、恋に生きてこの吉原を抜けるかどうか
の選択を恋人から迫られる「十六夜時雨」。

幼い頃に家族から引き離されてこの世界に長くいる彼女
たちですが、同じ妓楼にいる女郎たちが姉妹同然に
なっていき、情がわくんだなぁと思うと、不憫ながらも
そういう家族のようなものがあるってことに救われる
思いがした。

0
2020年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

性的描写が激しくて、戸惑いましたが、各章の主人公が皆、芯の通った人物であることと、空や雪といった自然の描かれ方が美しいのとで、決して品が落ちるという感じはしませんでした。

物語の時系列が前後するので、読み終わったページに戻って確認することが何度かありましたが、時系列の乱れがむしろ効果的で、巧みな構成だと思いました。

0
2020年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分が切ないブームだったので読んだ。私が好きなイラストレーターさんの絵だったので買いました。
「青花牡丹」と「十六夜時雨」が好き。短編だけど全部繋がってるから、同じエピソードの裏側が分かる。もう一度最初の「花宵道中」を読むと、最初に読んだ時とは違って色んな繋がりとか背景が見えた。切ないけれども、切ないなんて言葉で済まないぐらい残酷で現実的で人間臭い話なんだろうと思った。関西弁とか病気の描写とか冬の様子が、なぜか身に沁みてますます悲しい。
余韻が残りそうなストーリーだと思ったけど、意外に結末も読後感もあっさりとしていたのでちょっと残念。でも本当は3.5点ぐらいにしたかった。(20101215)

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2025年06月06日

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