あらすじ
バイクの波を眺めながら路上の屋台コーヒーを啜り、バゲットやムール貝から漂うフランスの香りを味わう。追憶のなかから今を描く、ゆるくて深い週末ベトナム。
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Posted by ブクログ
下川も書いているようにベトナムとは一筋縄では対応できない。矛盾する面を持っている。親切かと思ったらぼったくるのも日常的。社会主義の厳格さを示しているその側から商人の顔を持っている。特に第4章の「フランシーヌの場合」世代の迷走。には考えさえられた。彼と同年代なので彼が何を言いたいのかが理解できる。ぼくもベトナム戦争については未だに総括ができていない。
この本は別の意味で忘れられない本でもある。ベトナムのラオカイから中国の河口に日帰り旅行した。その帰りベトナム側で入国を拒否された。今だにその本当の理由は解らないのだが、要は出国したら再入国するときはビザが必要だと言うのだ。英語もベトナム語も中国語も話せないので困った。泣きそうになった。結局85$を払ってビザを入手したのだが、その手続きの間不安で不安で仕方なかった。その時に持っていたのがこの本だ。不安を解消する為に、何度も同じところを読んでいた。ただベトナムは一筋縄では対応できないと思いながら字面だけ追っていた。2時間後無事ベトナムに再入国できた。