あらすじ
私は内気な女子です――無言でそう訴えながら新しい教室へ入っていく。早く同じような風貌の「大人しい」友だちを見つけなくては。小学五年の律(りつ)は目立たないことで居場所を守ってきた。しかしクラス替えで一緒になったのは友人もいず協調性もない「浮いた」存在の塚本瀬里奈。彼女が臆病な律を変えていく。(講談社文庫)
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
コンビニ人間以来の村田さんの本で、2013年に出された本。だいぶ昔まだわたしも学生だった頃にこれを読んだら少し前向きになれたのかなと思いつつ、今よりもっとダメージくらったかもと想像した。それくらい律の家族や律自身の心の動きに共感したし、それをコンプレックスに思っていた。いまもかもしれない。。
瀬里奈にも共感するのは難しくその点で2人とも極端なのが、小説らしくて良いのだけど、居心地悪いだけで終わらない優しさがこの本にはあった。若い人におすすめ聞かれたら紹介したい。
Posted by ブクログ
今まで読んだ村田沙耶香さんの作品の中ではマイルド。終わり方も爽やか。
クラス替えのイヤなドキドキ感、スクールカーストのリアル感、女3人の歪さ。小学生のころ特有の苦しさを思い出した。自分自身、小学生時代の人間関係が一番苦労したから特に抉られた。
役割を与えられているときは堂々としていられるというところはわかる。何者でもない自分自身として話すのはすごく難しい。仕事とかで何をしなきゃとかが明確だと楽よね。
「瀬里奈がそんな性格で許されてるのは、綺麗だからだよ。」
こんな風に考えてしまう気持ちわかっちゃう。
でも、人の目を気にしながら、人畜無害として過ごすのも悪くはないと思う。みんなが思うがまま好きに生きてたら、世の中めちゃくちゃだろうし。人に迷惑かけない生き方をして他人にバカにされる謂れはないよな。
Posted by ブクログ
【くるみ割り人形を読みたくなる本】
くるみ割り人形につながっていて面白かった
律が瀬里奈を例えたクルミ割り
律が瀬里奈に読んだくるみ割り人形の本
瀬里奈がなりきっていたマリー
律を動物に例えるとマウス
最初は奇妙に思っていた相手が、大学生になってからも親しい友達でいるってすごい
Posted by ブクログ
目立たないことでクラスでの居場所を守っていた律が、クラス替えで一緒になった「浮いた」存在の瀬里奈と出会い、変わっていく話。
小学校の時の話と、大学生になったときの話がある。瀬里奈と出会ったことにより、結果的に律は少しだけ人の目を気にせずに振舞えるようになる。
村田沙耶香が書く小学校高学年社会、うわわかる……と感じる質感が随所にある。やんちゃというには悪性に無自覚すぎる男子や、おしゃれな一軍女子ですべての流行りが決まるところなど。
また、大学生になった律がバイトにめちゃくちゃハマっていて、その理由が「職場」では「駒」になればいいから、というものだったのが、コンビニ人間に通ずる価値観だなと思った。
Posted by ブクログ
律の気持ち分かるなあ〜と思いながら読んでいたけれど、客観的に見ると律すごく捻くれてるなあ〜と感じた。つまり自分もすごく捻くれてたなと。
小学校の頃から女子にはカーストが存在していること、3人組の中でも必ずといっていいほど分裂が起こるし、内緒話を片方だけにしかしないとか、昔経験したことばかりで嫌な気分になった。(いい意味で)
もう子どもの頃には戻りたくないなとつくづく思った。
その頃の経験から大人になった今でも人の顔色を伺っては疲弊して、そこまでしていても結局何者にもなれずつまらない人間、、、と自分に対して感じることが多かったため、とても刺さった。
絵本の世界に入り込んでマリーになりきって生きるのなんて、そんな人生楽しい??と思うけれど、
なりきった結果無双できるなら全然良いよね。
それがこの世界で上手く生きる術なんだったら。
「慎重なんじゃなくて、怖がりだよね。」
そうだなあ。慎重な人間と見せかけて言い訳ばっかり
逃げばっかり。リスクを回避したいあまりに挑戦もしない、現状に満足していないのに思い切って動いてみない。本当に良くない。私も変わろうと思えた。
Posted by ブクログ
爽やかな青春小説のような気もしなくもないけど、自分はマトモだと思う女がマトモじゃない女をマトモに矯正しようとする話、です。友情があるし、片方に悪意があるわけでもないから薄れてはいるけれど、関係だけ見ると『コンビニ人間』と変わらないと思います。律が弱虫な瀬里奈を強いマリーに変え、瀬里奈はマリーであることに依存する。律と瀬里奈の生きづらさは全然別種のもので、評価より自分を選んだ瀬里奈はかっこよ過ぎます。そして、小学生時代で描かれる3人グループの気まずさやカーストのえげつなさは覚えあって、苦しいです。人間怖い。