【感想・ネタバレ】授乳のレビュー

あらすじ

受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。火曜に数学、金曜に英語。私を苛立たせる母と思春期の女の子を逆上させる要素を少しだけ持つ父。その家の中で私と先生は何かを共有し、この部屋だけの特別な空気を閉じ込めたはずだった。「――ねえ、ゲームしようよ」。表題作他2編。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

試し読みで、パラパラめくってみた時の一文からもう心惹かれ、読みたくなった。
解説を読んでやっと理解できたところがある。彼女たちは、彼女たちの作る世界の頂点にいる。彼女たちの作る世界のなかで、彼女たち以外の主要人物はみんな、表情のないマネキンのよう。最初に言ったように、文章ひとつとってみても、その表現、観点から、すでに彼女ら独自の世界が型作られていて、引き寄せられる。
これで、この方の作品は読むのが2冊目。今の所、村田沙耶香さんの世界が一ミリも理解できない。できたと思うと、すぐに遠ざかるような感覚。理解できないから、理解したいと思う。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「授乳」
誰が授乳するのかと思ったら、中学生の少女だった・・・。自分も中学生であったからわかるが、まあ普通はこういうことはない。が、体の中から自分の意思とは関係なく湧き出る欲求のようなもの、名前をつければ性欲というのかもしれないがが、それが支配したい気持ちと慈しみたい気持ち、そして自分はちゃんと慈しまれていなかったという怒りも合わせて、すべてがごちゃ混ぜになって、自分の体を操る。そんなぐちゃぐちゃなことってあるじゃないかと思った。変わりつつある身体から発せられるエネルギーそのものは、いろんな形をもって発現するのである。もちろんこういう極端な形をとることは少ないのだろうけど。だから、発現の仕方に私たちは気をつけなきゃいけない。なにか破壊的な形だったり、自分や人を傷つけるような形だったりするとき、やっぱりそれは修正できなくても、どこかで癒しが必要なんじゃないかと思う。

「コイビト」最後のぞっとするような現実はいささかショックである。依存は人それぞれ。家族であり恋人であり友人である「もふもふ」したものは実は自分自身の延長で、他人など必要ない完結した自分を持つことも可能なんだなと思った。いまはやりのAIキャラと恋をする感じに似ているのかも。不気味であることに気がついても、そんなに簡単に逃れられないでしょ?これがあなたの生き方なんでしょ?と追いつめる小学生の女の子が怖い。というか、なんだか彼女が正しいような気もするのである。

「御伽の部屋」
若い大学生要二の部屋に通い続ける女の話。「わたし」は芝居小屋の主役で、相手は要二。肉体的な性行為はしないが、その演技そのものが官能的に2人を結びつけている・・・はずだったのだが、ほかの男と肉体関係を持ってみる試みから軌道が狂っていく。合間に改装される小学生時代のお友達マリちゃんのお兄ちゃん、女の子になりたい、別の場所で生きていきたい正男お姉ちゃんの思い出が切ない。御伽話を生きるから、私たちは現実世界をやるすごすことができる。要二が役を降りた時、「わたし」は自分が「僕」の役を引き受けることにした。これで芝居も完結する。それでいいじゃないかと思わせるところが、ホラーストーリーじゃないところなのだね。設定だけ見たらかなりホラーなんだけど。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

村田沙耶香さんが気になって気になって『地球星人』が読みたくて、一先ず積読本を読むことにした次第。一見して理解し難い思考を持つ、ヒロインたちの視点で描かれる短編3話。誰一人として世間一般的な考え方を持たず、自らの道を進んでいるのに自信がなく、何かしらに依存しており、『コンビニ人間』のヒロイン同様に世間に馴染めないのです。読んでいて胸やお腹のあたりがモヤモヤするのは、痛々しさからなのか、共感するところがあるからなのか。これが初期の作品で、この頃からテーマが確立してたことがすっごい。違う作品も読みます。

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2026年03月18日

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