あらすじ
叔母のサンセヴェリーナ公爵夫人やその愛人で公国の宰相モスカ伯爵、クレリアらの助けでファブリスは脱獄に成功した。だが愛する人への想いに駆られ、自ら牢獄へ戻る。やがて政争の果てに新大公が誕生、放免されたファブリスは聖職者となるが……。恋に、政治に、宮廷に生きる人々の情熱的な姿を鮮やかに描き、ルネサンス期のイタリアを愛したスタンダールの晩年を代表する名作。
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Posted by ブクログ
実はもう少しジーナ おばさんとファブリス が露骨な恋愛のご関係になるのかと思いきやそこには至らず わりと精神的な結びつきの恋愛関係みたいなので終わりましたね
そしてどちらかというと牢獄看守の娘さんとしっかりできてしまいまして 最終的に 不倫関係の我が子を我が子として育てたいから死んだことにしちゃおうなんてやってるうちに子供が本当に死んじゃって お母さんも嘆き悲しんで死んじゃって 主人公もそのうち なくなりましたっていう そのたたみかけ はちょっとあの急な展開すぎるのではないかと思いまして 余韻がなかったなあ というところなんですが
まあ ここまでの全体からしていろんな要素が盛り込まれて 大公 とかの 裏切りだったりとか伯爵のちょっとやきもち妬いてるんだけど助けてくれたりとかという人間模様が面白かったので おまけで総合的に4です
Posted by ブクログ
下巻に入ってやっと運命の女性クレリアと巡り会う主人公ファブリス。その恋は成就することなく囚われの身となるが。フランス人であるスタンダールがルネサンス期のイタリアを舞台にして、なぜこの作品を書いたのか。よく分からないまま物語は終焉を迎える。なんだろう。その時代、宮廷政治という奇怪な状況、その中での純愛というものが理解しにくいのは確かである。この作品が名作と呼ばれる理由はなんだろう?
Posted by ブクログ
一か月かけて読み切った。下巻は話も盛り上がってきて面白かったが、それでも物語の20%ほどしか楽しめなかったと思う。
綺麗でどこか淡々としてる文章から、恋に狂う貴族たちの様子が描かれ、恋の為にあの手この手で貴族社会を乗り越えていく様はどこか滑稽な部分もある。この当時の恋愛は信じられないほどの情熱に包まれており、恋のために政治まで動く情熱ぶり。そして貴族界ではそれはそれで仕方ないというような風潮は驚きだ。
ラストあたりはかなり衝撃だった。これまでの秘密のやりとりから無情の結婚、14か月の未練が遂に成熟したと思えばあの結末。ある意味でこの時代の貴族というのは自由で何でも持っているが、気持ちの面では自由なんてどこにも無く、1番憐れな身分なのかもしれない。
この作品をもっと楽しむには、ルネサンス期のイタリアやスタンダールについてもっと勉強が必要だったと思う。難しい本ではあるが、一読する価値は十分にあった。