あらすじ
大坂難波の廓を舞台に描かれる、したたかな女郎・和泉の愉しき日々。江戸時代の空気と情緒を生き生きと伝える遊郭漫画の大傑作を、上中下、全三巻構成でついに電子化! 上巻は第一話~第七話までと、あとがき、そして連載前に発表された幻の一編『ちょとゑずいこと』も初収録。手塚治虫文化賞新生賞受賞作品。
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禿・ささらの視点から描かれる、破天荒でムチャクチャな我が道を行く花魁・和泉。
客である男に暴言・乱暴・言いたいことをハッキリ言う気の強いいじわる姐さんかと思いきや、そろばんや金利など金関係の計算に長けており、ささらにも芸事より金のことばかり教え込む始末。だがそれは、所詮客の懐次第で身を滅ぼしがちな女郎人生を、少しでもむしり取られないための教育であり、ささらへの親心でもある。
自分の姉女郎が産み、武家に引き取られた若君に将来ささらを身請けするよう勧めたり、己を慕った老齢の坊主に餞別に小袖を贈ったり。破天荒な花魁に見えてかなりのやり手であり、思いやりの深い女である。
遊郭ならではのシビアな描写、濃い絵柄が特徴的だが、かなり魅力的な花魁マンガである。