あらすじ
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再生可能エネルギーの利用で立ち遅れてきた日本だが、ようやく活用への機運が高まりつつある。本書では、水力、風力、太陽光、地熱などにくわえ、潮力、波力、海洋温度差や熱電、圧電、燃料電池など、新しいエネルギー技術の最前線を紹介。大容量集中型発電と自然エネルギーなどを組み合わせたエネルギーの分散化とベストミックスの基礎知識。(ブルーバックス・2012年5月刊)
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Posted by ブクログ
分散型とは、大容量の集中型発電に対して、小容量で必要とされる地域ごとに設置されるものをいう。つまり、その地域の特性を生かした発電方法による地産地消型再生可能エネルギーということだ。太陽や風、水力、地熱、波力などいろいろなエネルギーが活用されるようになってきたが、同じエネルギーを使用した発電の中にも、様々な方式があることを分類一覧化して図で示すなど、初めての人にもわかりやすい紹介の仕方をしている。また、その仕組みについても、図説入りで解説するなど、入門書らしい配慮がされている。ただし、私自身、化学やメカに関する知識がないがゆえに、難解に感じてしまうものも結構あったが、近年注目を集める分散型エネルギーの概要が一通り紹介されているので、再生可能エネルギーの総合ガイドとして手元にあると便利ではないだろうか。
Posted by ブクログ
グローバル的な環境保護への動きやESG投資の基盤となる再生可能エネルギーの全容を学べました。
電力自由化前のお話ですが、技術的なメカニズムもわかりましたし、自分が知っている発電名以外も沢山あり楽しめました。
Posted by ブクログ
電力の地産地消のために有効な再生可能エネルギーの話。実際にどういうシステムで動くのかとか技術的な話が多かった。分散型エネルギー入門というタイトルの割には技術寄りだし実験室レベルのものも含めて今開発されているものすべてを網羅している感はあるけどレポート読んでるみたいで読んでてあんまりおもしろくは感じなかった。結局著者はエネルギー分散のためにどうすればよいと思っているのかはあんまり見えなかった。
Posted by ブクログ
読む前に誤解していたが、著者の分散型エネルギーは、さまざまな再生エネルギーをどんどん開発して使いましょうという話のように受け止めた。
自分は、分散型エネルギーは防災という観点も含め、一定のエリア、特に中枢的な機能をもつ都心部について、様々なエネルギー源を組み合わせて、まさに地産地消型の自律的にエネルギー供給を図ることが大事だと思う。
単に、いろいろエネルギーを再生エネルギーにしましょうといっても、今はやりの太陽光発電は、圧倒的に発電単価、建設単価が、従来型のエネルギーだけでなく、バイオマスや水力、風力よりも高いことから、必要性を説明できない。
むしろ、一定の中枢エリアについて、大地震のときにも自律的にエネルギーを確保できるシステムとして、国が考えなければいけない課題だと思う。
現在の遠方から送電コストをかけて電力を送電するのではなく、できるだけ消費地に近いところで、現在の技術水準では、ベースはコジェネレーションで確保しつつ、再生エネルギーも用意しておく、技術革新が進んで低コストで大容量の電力が供給されてくれば、CO2をださない再生エネルギーへシフトしていくことかと思っている。
単に、防災、都心部の中枢機能の維持といった政策目的なしに、いろいろな再生エネルギーを全国のあちこちで使いましょうというのは、気分のよいメッセージだが、それで、国民に電力料金を上乗せする理由になるのだろうか。
低炭素も大事だが、まず、電気代安くしてよ、そんなに電気代高いのなら、海外に工場だすよ、という市場の声にも耳を澄ましておく必要がある。