あらすじ
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万有引力の法則を検証し、高次元宇宙を探し出す。ミクロの世界では重力が存在するのか、じつはまったく確認されていない。もし実験で万有引力の法則からのずれが見つかれば、それは重力が余剰次元にも伝播していることを示唆し、四つの力の統一という現代物理学最大の目標に向けた突破口となる。余剰次元探索の最前線に立つ著者が最新の考え方と実験の現場を紹介する。(ブルーバックス・2011年2月刊)
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Posted by ブクログ
久々に物理の本読んだ。
前半読んだら、あとはサクサクと。
なかなかエキサイティングでした。
「理論屋はいつだって実験精度の1桁下に新現象を予言してくる習性を持つことは、既に気づいていたのだが。」
わらえる。
Posted by ブクログ
重力・電磁気力・強い力・弱い力の4つの力を統一するという物理学者の見果てぬ夢。その際に邪魔になるのが、一つだけ極端に小さな値を取る重力である。なぜ重力だけが極端に弱いのか?
重力だけがそこに存在する余剰次元へと入り込むからではないかという考えがADDという理論である。
その余剰次元のサイズよりも小さな範囲で重力の逆二乗則の破れ、つまり、そこで急激に重力が強くなること、が観測されれば、その証明となるらしい。
そして、その予測される余剰次元のサイズがおよそ0.1ミリメートルだと言われている。これは一般人からすればすごく小さい値に見えるが、物理学者からすればとてつもなく大きいらしい!
現在の観測精度のわずか1桁下の値に重力の破れ、余剰次元の存在が確認出来るというのだから!!
ただ、個人的にはこのADDという理論は様々な変数を有することによって、全否定を免れているだけに思える。
余剰次元の数を増やせば増やすほど、重力の破れが観測される領域が狭くなるため、たとえ現在の推測が観測によって否定されたとしても、じゃあもう1次元余剰次元があれば、もうちょっと小さな領域でないと観測されないでしょ?みたいな。
でも、その考え方はすごく面白いと思うし、そもそも物理学の知識など持ち合わせていない僕がどうこう言えるものでもないですね。
宇宙の姿から話が始まり、そこから何故力の法則が逆二乗則になるのかといったことなど現代物理学をわかりやすく説明していて、物理好きには堪らないと思います!読んでみてください!!
Posted by ブクログ
余剰次元のお話.
この辺の話は他のブルーバックスの本でも触れられているが,一番話がまとまっていて読みやすかった.
とは言え読みごたえはかなりある.
Posted by ブクログ
物理学者が、最先端の研究について、楽しみながら書いたのだろうなというのがわかる、とてもさわやかな読後感をもてる良書です。
社会心理学者はそういう本書けるのかなぁw
さて以前、「エレガントな宇宙(ISBN:9784794211095)」を読んで。超弦理論では、世界は11次元でできているという話に衝撃を受けた・・・というか、ぽかーんとしたのですけど。その本の後ろの方に、11次元のイメージ図が画いてあった。常識的には三次元しか図には描けないとおもっていたので、見ただけでなるほど、こういう表現もあるのかと感心した。
さて、この本が主張するのは5次元、すなわち通常の3次元プラス余剰次元2で、これまでも物理的実験結果を説明しようとする。この説明プロセスがまぁスマートなこと。万有引力の説明から、力の伝播は逆二乗則になること、それが三次元空間であることからの必然であることをひき、さらに他の力に比べて重力の圧倒的な弱さ、に言及して、それを説明するためにはたった2次元追加するだけでイイ、という流れ。素人でも、読んでなるほどね、と思わされますよ。
しかもこの話のすごいところは、個人研究室のプロジェクトでそれを検証できるということ。理論物理はいまや、スーパーカミオカンデや原子の加速装置みたいに国家プロジェクトでないとダメなんだろうと思っていたけど、筆者によると手に乗るようなサイズの装置で、家電品(デジタルビデオカメラ)でデータをとって十分検証できるという。これ、夢が近くにあっていいじゃないですか!楽しいなぁ。
さて、社会心理学者としては、当然心理学的力場はどうなっているんだろう、と考えるわけです。何次元なのか。物理法則のメタファーをそのままもらってもいいのか。それをどうやって検証するのか、「メタファー」と言うだけじゃなくてどうやって説明するのか。等高線マップモデルという先行研究はあるけど、プラスアルファがないとねぇ。
ま、ぼちぼち考えていきましょう。
ひとまずご紹介まで。