【感想・ネタバレ】大人になれないこの国の子どもたち 「壊れた心」の精神分析のレビュー

あらすじ

本書は、精神科医の視点から、今の子どもたちがいかに成熟を拒否し、大人になる責任から逃れようとしているかを論じたものである。 そもそも大人になるとはどのようなことか。著者は4つのポイントをあげている。 まず、自己の内面や感情のコントロールができること。第二に、独立心の獲得。第三に、人生の目標や計画を主体的に形成できること。第四に、他人への思いやりや共感があることである。このような点から見れば、現代の子ども(青年)たちがいかに幼稚であるかがわかるだろう。そして数々の症例をもとに解説している。不登校の原因、普通の子どもによる凶悪犯罪、行きすぎた潔癖主義、ボーダーラインと閉じこもり、拒食症と強迫神経症等々。 著者の考えでは、これらの根本問題は「母子密着」をどう解決するかであると指摘する。母性社会ニッポンのゆがんだ構造がみえてくるだろう。豊かな国の寂しい子どもたちの心の危機がリアルに伝わってくる好著である。

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Posted by ブクログ

学校での勉強が自分の限界を超えてしまって,体のバランス・こころのバランスを崩してしまい,「やせる」ことが「美しい」という観念がほとんど宗教的な観念のように固まってしまう拒食症。拒食症で苦しんでいる教え子のことを思うとどうにかしてやりたいのだが,ときどき話を聞くぐらいしかできない。拒食症は「大人になりたくない」という子宮回帰願望を伴うという。でも,救いは体重が戻れば健全な思考に戻るということだ。じっくり治してアクティブな彼女に戻ってほしい。

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2019年01月05日

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