あらすじ
車のエンストで途方に暮れていた童話作家・槇原宙彦は、貧血を起こし倒れそうになったところを、宇多田志朗に助けられる。中古車のディーラーだという志朗は宙彦を自宅へ送り届け、以来、なにかと宙彦の面倒を見てくれる。過去の事故により、人との関わりを避けてきた宙彦だったが、年下の志朗に惹かれ始め……。初期作品、待望の文庫化。
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Posted by ブクログ
穏やかにやさしく流れていくストーリーに癒されました。二人の初めてのキスシーン、しっとりと美しくて好きです。崎谷さんの古い作品ですが、天候を絡めた情景描写の文章が素敵で、それは今も変わらない崎谷さんの魅力のひとつですね。特に本編ラストシーン、冬の早朝の庭の景色と、二人の柔らかな寝顔が映像のように脳内に映し出されました。
確かに優しい
15年くらい前のハルヒワールド、今よりずっと淡い世界観ですね(笑)複雑に絡まった人間関係やら深く掘り下げられた心理描写に重苦しいトラウマといった昨今のハルヒさん作品の傾向はまだナリを潜めてますがお話の構成力や表現力は元々センスある作家さんなんだな〜と改めて痛感した一作でした。宙彦の無垢で浮世離れしていつつも夜の顔は淫蕩ってキャラ設定は「らしい」、好きです。志朗の包み込むような穏やかさは正直19じゃ無理あるだろぉ?とツッコミ入れつつ、すっかりメロメロ骨抜き状態(笑)濡れ場が濃いのはこの当時から、でもその表現がまだ割と直裁なぶん逆に生々しく、ウンこれはこれでイイな〜って感じです。
Posted by ブクログ
穏やかに流れるお話でした。ゆっくりと二人の距離が縮まり惹かれ合っていく描写が素敵だった。志朗が事故に遭って、病院にかけつけた宙彦がはらはらと泣いてたところグッときました。なんか後半部分は、うるっとくるシーンが多かったです。
Posted by ブクログ
久しぶりに乗った車がエンストしてしまい、立ち往生し、途方にくれていた童話作家・槇原宙彦。
そんな彼が悪戦苦闘しているところを助けてくれたのは、中古車のディーラーだという宇多田志朗。
エンストの上に、貧血を起こして倒れかけた宙彦を助けてくれた挙句、自宅へと送り届けてくれた上に、食事を作ってくれ、介抱してくれた志朗。
それ以来、何かと宙彦の面倒を見てくれる。
植木の手入れや、電球の取り替え、棚の修理……
持ち前の器用さで、次々と仕事をこなしてくれる志朗に対して、宙彦は申し訳なく思いつつも、嬉しく思っていた。
過去の事故により、人との関わりを避けてきた宙彦だったが、年下の志朗に徐々に惹かれ始め……
というような話でした。
志朗は、宙彦よりも年下の19歳だけれど、長男体質で、困っている人を放っておけないタイプ。
なので、ついつい宙彦の世話も焼いてしまう。
けれど、志朗にもそれなりに若くて危うい部分と、志朗の過去から変に老衰しているように見える部分と、両方がきちんと描かれていて好感度がめちゃくちゃ高かったです。
余り年下に見えないしっかりものだけれど、どこか憎めない攻めと。
ずっと人と距離を保っていたため、うまく人と関われない美貌の受け。
というカップルでした。
しっとり系王道BLなので、ちょっとしんみりしたいでも最後はハッピーエンドがいい! という人にはオススメです。