あらすじ
霧で視界が遮られる中、邦彦はタクシーで自宅へ戻ろうとする。けれどその運転手は死んだはずの幼馴染で(「どっちだ?」)――「どんな慎ましやかな、地味な生であったとしても物語の宝庫となりうる」というあさのあつこが、新たに試みた意欲作。日常生活の一場面を綴ったエッセイから一転、現実と空想が交錯する物語が展開される、6つの連作短篇集。ファンタジックで哀しく愛おしい作品群は必読!
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Posted by ブクログ
エッセイを物語へと昇華させる6編収録の短編集。現実が物語の世界になると、どのように変化するのかを楽しむことができる。こうした作品は今まで読んだことがなく、新鮮な印象を受けた。
最後に収録された「生姜湯のお味は?」という作品は他の作品とは性格が異なり、ややミステリ仕立てになっている。他が何となくファンタジックな作品であったために、妙に現実に引き戻された感じがしてしまった。
Posted by ブクログ
あさのあつこ連続。エッセイと対になる短編のセットのちょっと変わった本。個人的には短編は面白かったけど、エッセイ部分は「ああ、そういうアイデアからなのかー」という、「ふーん」的な感想のみ・・・。
自分で小説書く人には興味深い体裁なのかも?
Posted by ブクログ
No,6やガールズブルーを読んでいましたが、ここ数年ん離れていたので、久しぶりにあさのあつこを手にとってみました。
今まであまり考えたことのなかったあさのさんの人柄にも触れられてよかったなぁ。現実と夢の交錯、すごく素敵です。
現実と空想の世界はほんの一枚の薄っぺらい紙程度の隔たりもなくつながってるのかもしれません。
自分の周りにもいくつも見つけられそう。これからの生活が少し楽しみになります。
作者自身に興味のない人には些かとっつきづらいというか、読んでいて冷めてしまうかもしれません。私は好きでした。