あらすじ
中堅ゼネコン一松組の若手、富島平太が異動した先は、「談合課」と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。今度の地下鉄工事を取らないと、ウチが傾くぞ――たしかな技術力を武器に、真正面から入札に挑もうとする一松組の前に、「談合」の壁が立ちはだかる。組織に殉じるか、正義を信じるか。吉川英治新人賞に輝いた白熱の人間ドラマ!(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。
平太のこと、萌の事、談合課の事、そして入札の事。
談合という大きな話を取り巻く、それぞれのストーリーがテンポよく展開されていて、とても読みやすかった。
談合は、必要か、不要か、その答えは自分の中でも出なかった。ただ、一番心に刺さった考え方は西田の考え方で、初めは役所にアプローチをかけるような描写もあったが、結局、案件が欲しければ、他者との調整ではなく、自社が持つ知恵と技術で落とすべきだという信念が感じられた。
良し悪しのつかない物事を前に、正々堂々の信念を持てるような人になりたい。
工事を発注する自治体の、コストへの関心はもっと高まるべきだな。
Posted by ブクログ
面白かった。
談合とはこのような形で行われるのかと、勉強になった。
ただ、萌の存在に最後までモヤモヤした。
平太とちゃんと別れてないのにもかかわらず、他の男と付き合う。
うーんという感想です。
Posted by ブクログ
ドラマの半沢直樹にハマっていたところ、
先輩から勧められて読んだ。
先輩西田が熱い。
平太が業務課への異動理由を
西田に尋ねた時の返答が熱い。
自分も頑張ろうって思えた。
それと彼女。
現実と理想の揺れ動きには
ハラハラとさせられた。
一旦園田の方にいった時の喪失感たるや。
最後、彼女が園田に送ったメール内容や
心理描写が気になりすぎる。
分厚い本だったけど、苦にならず読めた。
自分の今の仕事について
改めて考えることができた。
Posted by ブクログ
西田みたいな先輩に出会いたい。後輩も絡みやすい性格で、仕事が大好き(かつ優秀)で、上司にも必要に応じて強く発言できて、職場の家族を大切にできて…本作で一番好きなキャラです。
ストーリー自体は、入札・談合という話を非常に分かりやすく書かれており読みやすい。流石池井戸潤。
ただ新工法を見出してコスト大幅ダウンに成功した流れにはやや無理があると感じた。
不正は必ずしも自らの意思で行われるものでなく、巻き込まれていくことも多いのだろう。組織に入ると、その組織風土が当然で、今までの常識が非常識に感じることがある。そこで乗るかそるかを判断できる軸と強い意志を持ちたいと思った。
自分が平太と同じ状況に置かれていたらどうするかを考えながら読むと面白い。