【感想・ネタバレ】シグマクシス 経営論Z 究極の価値と喜びを創造する戦略シェルパのレビュー

あらすじ

著者、倉重英樹氏は元日本IBM副社長。プライスウォーターハウスを経て、日本テレコム再建を成功させた。そして、再びコンサルティング業界に戻り、5年前に創業したのがシグマクシスだ。この会社、目下急成長中。今、「東大生が入っているベンチャー企業(1000人以下企業クラス)」の上位3位にランクインするなど、若者にも人気があるコンサルタント集団だ。

IT業界、コンサルタント業界を変革し続けたトップが「理想の会社像」を語ったのが本書。

世の中にある多くのコンサルティングファームは「戦略を描くことが仕事、実践するのはあなたたち(クライアント)」とのスタンス。だが、倉重氏が創ったシグマクシスはちょっと変わっている。提案のみならず、クライアントと一緒に実業にまで携わっていくのだ。そして、そのプロジェクトの成果に応じて報酬を得ていく――新しいビジネススタイルを展開している。

市場が激しく変化している今、悠長に戦略を考え計画を立案してから動くようではもう遅い。走りながらトライアルを重ねながら、成功パターンを導き出していくスタイルが今の経営だという。倉重氏とメンバーたちはそうした経営を実践している。本書では「成長するコンサルティングビジネス」の神髄も記述する。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

一読し、この著者の考えや行動にかなり共感しました。
スピードの重視、従来のコンサルティング会社にないワンストップで且つクライアントとリスク共有するという独創的なコンセプト。また、人を"人財"と捉えて、学習する場を設けるという理念。さらには、物事を学ぼうというときに効率を求めてはいけないという、古臭くとも学ぶことの本質をご理解されている姿勢。
社員の自律を促す仕掛けが多々ある著者の会社の従業員達が、羨ましく思います。

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2017年05月07日

Posted by ブクログ

今の時代を「面白い」と見るか、「大変」と思うかで、人生は変わる。

著者からのメッセージです。

パート1は、4つの変化に組織と個人はどう対処すべきかが述べられます。コンサルタントは世界を概括化して見せることからディテールに入っていきます。

1 人口増加
2 情報技術の進化
3 グローバル化
4 ソリューション化

4つの大きな変化の波を乗り切るにはスピードとイノベーションが大切だと言っています。

スピードが大事だということは分かります。イノベーションについても分かり切ったことと読み飛ばしてはいけません。

イノベーションには二つあります。一つは効率をあげること。失われた20年間に日本はこれをやり過ぎました。イノベーションのジレンマですね。もう一つは破壊的創造です。新市場を作ることです。これが求められていたのでした。

では、イノベーションをどのようにおこすのか。著者はイノベーションを生み出す組織に着目します。組織には「アルゴリズム型」と「ヒューリスティック型」があり、それぞれ、「モノづくり」と「コトづくり」に向いています。詳しい内容は本を読んでもらうとして、著者のお話を聴いたことでなるほどと思ったことがあります。

イノベーションで新たな市場を作ることは、顧客の要求に対して組織の対応を考えてみると分かり易いと思います。

顧客の要求に対し組織の能力が足らない場合が普通ですから、顧客の無理な要求(笑)に対し、担当レベルでは、断る(笑)か、顧客の要求レベルを下げてもらことが日々行われていると思います。優秀な営業マンは後者の説得をするのが上手いひとです(笑)。その間に研究して要求レベルに到達するというわけですが、スピードと利益が失われてしまいます。

これを組織知を集めて何とか解決したいと欲求しても組織の壁に阻まれてできないというのが多くの組織の現状でしょう。社内調整にかかるエネルギーは生産的とは言えないですね。

イノベーションをおこす組織をどう作るか。部門間のコミュニケーションをどう省きスピードを上げるか。これは本を読んで考えてもらいましょう。万能薬はないのですから。

モノ・コトには定型業務に合うやり方と非定型業務に合うやり方があるので、これをバランスさせることを著者は日本テレコム(現 ソフトバンクテレコム)の改革で学びます。組織内の異なる文化が価値創造モデルとなるわけです。

しかし、容易ではありません。危機意識が共有されない限り組織改革は進むことがないからです。

さらに、人の評価の問題も複雑に絡んできます。

パート2は、「次世代型経営コンサルタント」が語られます。経営コンサルタントは提案するだけでしたが、「自分で提案したことを自分でやる会社」があってもいいじゃないかというわけです。そこで生まれた言葉が「戦略実現のシェルパ」です。これはシグマクシスの成長戦略でもあるので今後検証されていくことになります。

パート3は、倉重英樹氏の学びを振り返ります。41才のときに経営者になろうと勉強し始めたとあります。その後日本IBMの副社長になりましたが、そこを辞め、コンサルティング会社を再建することになります。私もその当時の本を読みましたが、プロジェクト組織論に注目していて、著者の人生感までには考えが至りませんでした。そして、著者の一貫した考えが今のシグマクシスに繋がることに納得したわけです。

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2014年02月22日

Posted by ブクログ

最近、よく耳にするし、全く知らないわけではない、(一種の)コンサルファームであるシグマクシスについての本。著者は同社の代表。同社に興味があったので読んでみた。
本としてはあっさりしたものであるが、まずは今のビジネスフィールドの現状認識としては、非常に合意。モノ作りからコトづくりへ。現代の経営におけるスピード感の重要性、イノベーションを生む組織は「アルゴリズム型」プラス「ヒューリスティック型」へ。
このような前提を踏まえた上で、同社の経営コンサルティングとしての在り方へ。更には、それを成り立たせるために重要な「人財」の重要性と、それを育てるための環境作り・評価制度について。
私のつたない経験を鑑みても、本書全体を通じて非常に感銘するところが多い一冊でした。
よくありがちな、評論家的で実態の伴わないビジネス書とは一線を隔す内容だと思いました。
あとは、闇雲に本主張を鵜呑みにするのではなく、同社の現在の問題点や、将来的な課題についても、是非、詳しい話を聞いてみたいところです。

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2014年02月14日

Posted by ブクログ

モノづくりからコトづくりにシフトすると同時に付加価値から課題解決価値に変化している
プロジェクトとなるためには、ゴール、期間、コスト、期待される成果が必要
変革とは、過去を忘れること、価値を忘れさせること

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2015年12月26日

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