あらすじ
「イノベーションを成功させるために何をすべきか」を明らかにするのが本書の狙いです。著者は元ホンダの技術者で、周囲に反対されながら16年間にも及ぶ技術開発を続け、日本初のエアバッグの商品化を実現させました。
ホンダには、イノベーションを成功に導くための企業文化と仕掛けがあり、「ワイガヤ」「三現主義」「ホンダフィロソフィー」などがよく知られていますが、それを単純に解説するだけでは「成功のためにすべきこと」を明らかにできません。本書は、ホンダの開発現場を知り尽くした著者が、こうした企業文化や仕掛けの内容だけにとどまらず、実際の技術開発プロジェクトの最前線で、それらがどう作用し、その結果、いかにしてイノベーションを加速させているかを徹底的に追求することで、ホンダのイノベーションの神髄を明らかにしていきます。
あたかもホンダの技術開発に立ち会うような臨場感。自分の意見をはっきりさせないで上司に頼ると「俺が死ねといったなら、おまえは死ぬのか」と叱咤され、落ち込んだ時には「キミには500億円の価値がある」と持ち上げられる。そして、「ああ、2階に上げられて、はしごを外された」とぼう然とたたずむ技術者がいる。まるで挑戦者たちの息遣いが聞こえてくるようです。
本書は、『日経ものづくり』誌で読者から圧倒的な支持を受けた連載を基にしたもの。一部を日本経済新聞電子版に連載し、こちらでも大人気に。待望の書籍化です。
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Posted by ブクログ
著者はホンダのエアバッグ・プロジェクトの実質的リーダー。
「交通事故で亡くなっている人をエアバッグで助けたい。」との強い想いを実現した。
車は「愛」がつくハードウエア。
オペレーション(執行)とイノベーション(創造)
企業の創成期
1.ユニークなリーダー
2.ろくでもない社員
3.年寄りがいない
今の日本の大企業
1.普通のリーダー
2.有名大学卒の優秀な社員
3.年寄りだらけ
40歳を過ぎた分別のある、でも頭が固くなりつつある人は
自分でイノベーションをやろうとしてはならない。
イノベーション力のある若い人に考えさせる。
その仕事に必要な能力の40%があれば任す。残りは、成長するしかない。
ホンダの企業文化
高い自由度。
熱い議論。
本質的な高い志。
ホンダの三現主義。
現場。現物。現実。
それを知ることで本質をつかむ。
当たり前のことを徹底してやることが本質。
一言コンセプト。
ヒントは、本質的。ユニーク。前向き。
どんな技術、製品、システムでも100点満点のものはない。
何か売り込みに来たら「問題点は何ですか。」と聞け。
エアバッグの故障率は100万分の1以下。
故障率1000分の1のユニットふたつを並列に組んで冗長系を構成。
イノベーションの危機にある今、プロジェクトチーム単位でボトムアップで変えていく。本質を理解し考え、説得していくしかない。