あらすじ
せつなさの達人・乙一の、珠玉短編集! 私にはケイタイがない。友達が、いないから。でも本当は憧れてる。いつも友達とつながっている、幸福なクラスメイトたちに。「私はひとりぼっちなんだ」と確信する冬の日、とりとめなく空想をめぐらせていた、その時。美しい音が私の心に流れだした。それは世界のどこかで、私と同じさみしさを抱える少年からのSOSだった…。(「Calling You」)誰にもある一瞬の切実な想いを鮮やかに切りとる“切なさの達人”乙一。表題作のほか、2編を収録した短編集。
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Posted by ブクログ
【再度】CallingYouは本当に切なくて、10年振りに読んでも涙ぐんでしまった。想像で作り上げたはずの頭の中の携帯電話からある日突然、着信が鳴った。着信の先は見知らぬ男性。彼もまた彼女と同じように頭の中に想像の携帯を作って遊んでいた…彼と彼女にあるわずかな時間のズレが最後にこうくるのかと!本当に切ない…
Posted by ブクログ
初の乙一さん。優しく残酷。非現実なはずなのにきっとありそうな、あって欲しい、だけどその前提が辛い世界の秀逸短編三作。
とくに華歌の、ラスト2ページで世界が反転したのには驚いた。二度読み必至でした。そしてより深く沁みました。
Posted by ブクログ
学校の図書室で借りた本。
短編集。
きみにしか聞こえない・・・友達のいない女子高生リョウは、本当は寂しくて友達が欲しくて、頭の中に携帯電話を作りだした。あるひその頭の中の携帯電話が鳴って・・・。
傷・・・特別学級のアサトには、ある日不思議な力が宿った。それは、誰かのけがやあざを自分に写し取ったり、それをまた他の誰かに移せる能力だった。
華歌・・・。入院中の主人公は、ある日病院の敷地内の木の下でハミングをする不思議な植物を発見する。
どの話も、切ない話だった。
Posted by ブクログ
この高校で携帯電話を持っていない女子はおそらく私だけ。うまく友達の輪に入れなかった。
孤独をまぎらわすため、頭のなかで携帯を思い描く。ある日、空想上のはずの携帯に、
同じ孤独をかかえる少年から着信がある…。
切なさが際立ち、
誰もがもつ孤独を鮮やかに浮き上がらせる、
乙一氏の珠玉の短篇集