あらすじ
「使わなかった!」と意識したとき、初めて存在するもうひとつの人生。あのとき、別の決断を下していたら――。去りゆく女性を引き止めることができなかった初老の男、肉親以上に愛情を注いだ弟子に裏切られてしまう中年女性…。透徹した眼差しで作品の本質をつき、そこから浮かび上がる人生の機微を抑制の利いた筆致で描く全三十編の映画評。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
『暮らしの手帖』の編集から沢木氏が頼まれて
書かれた映画評。書名でもあり導入部に書かれた
「使われなかった人生」というフレーズに惹かれました。
映画は見たい見たいと思いつつ腰が重くなっている
ことのひとつなので、少し映画に近づくために
読みました。
見たくなった映画は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」
「タクシー・ブルース」「恋々風塵」「オリヴィエ・
オリヴィエ」「ワンダーランド駅で」
沢木氏にかかると映画評も一つの短編のように
味わい深いものでした。
編集から頼まれて始まった連載でしたが
「沢木さんが書かないと映画欄がなくなることになります」
(P316)というのはなかなかの脅し文句ですね。