あらすじ
「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。夢が記録されデータ化される時代、「夢判断」を手がける浩章のもとに、夢の解析依頼が入る。こどもたちの悪夢は現実化するのか?
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Posted by ブクログ
取り込まれた…?彼女の中に入って、彼女の夢の世界に取り込まれた?他の個人と集団的無意識と重なった結布子が混ざり合って現実の認識を変えたって解釈でいいのかな。読んでる最中鳥肌が何回もたちました。でもずっと結婚してるじゃん初恋の人に囚われてるパターンの男だなって思ってました。
Posted by ブクログ
読後の満ち足りた気持ちほど、とうといものは無い。そんな気になりました。
主人公たる浩章も、ヒロインも、客観的に見れば不幸である。でも、物語のラストシーンで、確実に、救われた。物語の最初の目的を彼らは達成するのだ。
物語として完成されていて、現実としてはあまりにもメリーバッドエンド。
それってとっても「夢」ですよね。
長い夢を見ていたような、夢から覚めたような、そんな気持ちになるお話でした。
Posted by ブクログ
「夢は外からやってくる」、なんて印象に残るフレーズなんだろう。なんて考えてたら本書を読みながら寝落ちしたら早速リアルな悪夢を見た。内容も恩田陸が書いたのが如くな内容で驚き。
Posted by ブクログ
とても不思議な小説だった。文章は平易でわかりやすいのに、展開や描写が突然切り替わるので混乱する。が、得てして夢ってそういうものなのでわざとそうなっているのかもしれない。
夢は外からやってくる…とても面白い考え方だと思う。大学の哲学の授業で、集合的無意識について何となく聞いたことがあったが、人々の深層意識下で共有されるイメージのようなものらしい。大洪水の伝説や、巨大樹や、巨人伝説、そういったモチーフは遠く離れた世界中の国々になぜか共通した伝承として残っている。国同士が繋がる手段のない時代に共通した話が生まれるのは、記録に残ってないだけで本当に実在していたからだと唱える人もいるが、私は人種問わない人類の無意識下に共通したイメージがあるというほうが納得できる。
作中で、夢札を引くようになった世代とそれ以前の世代感の【無意識】に差異が発生するという描写があるが、これまさに昨今のデジタルネイティブ世代とそれ以前の世代との間の意識のギャップと同様なもののように感じる。SNSが発達し、物理的に一人でもいても常に他人と繋がっていられるようになったことで、孤独の時間は大きく失われたように思う。言葉に言い表すことは非常に難しいが、明らかに感覚の差が世代間に存在している。
もし、作中のように自分だけが見る【夢】が可視化され他人に共有されるようになったら、本当に一人になれる時間が大きく減ることになる。それはかなり人をおかしくさせるだろうなと感じた。
また、夢札酔いの描写も非常に恐ろしい。夢日記をつけると現実と夢の区別ができなくなる、という怪談があるが、脳を通して感じ取っているという意味では現実も夢も同じ。自分にしか見えていない景色に従って行動すると、他人とのズレが発生し、行き過ぎると統合失調症のようになってしまう。自分も深く考え事をするタイプなので、読書後や長い夢を見た後などは軽い夢札酔いみたいな状態になる。
終わり方も、スッキリしない。夢の途中で突然目が覚めたみたいな、中途半端な感じのする終わり方だった。でも、この作品に関してはこの終わり方で正解な気がする。
Posted by ブクログ
夢の話。夢札をひく世界。結衣子はいきているのかわからない。探しているあいだにも事件が起こる。夢札が正しいかどうか迫られる。綺麗なミステリー。少しの怪しさがある。その怪しさが僕を駆り立てた解説者が占い師。
Posted by ブクログ
ドラマの悪夢ちゃんは1~2回見たんだけど、かなり内容違ったのね。
月の裏側系だったんだ。
わりとちゃんとホラー的な。
うーん、でもラスト気になるな。
主人公の奥さんはどうなったのかとか。
Posted by ブクログ
読み終わって第一声
「な、なんだ~~~~~~~~~~~~~~~!?」
夢を変える方法を探した結果、自分自身が夢そのものになることで害のないものに操作できるようにしよう!に落ち着いた?野田は夢札酔いが悪化し、他のベテランたちと同じように夢と現実の境が完全に溶け込んでしまった?だから最後には古藤と会話を交え触れることさえ叶ってしまった?じゃあこれまでの八咫烏の集団白昼夢は?神隠しは?あの黒い霧は?どうして彼らは戻ってきたの?山の中で彷徨っていたのはなに?古藤が見えて聞こえたというホンダ君のあの言葉はなんだったの?
もー全部わかってないよわたし。
それは私が理解できていない、ちゃんと気づけていない部分で語られていたのかもしれない。
でも少なからず、意図して語られなかったものもあった気がする。
だって、夢ってそういうものだからだ。
明確でない。いつだって抽象的で、反対に明瞭であったとしても、目が覚めると朝のひかりの中に溶けるように消えてしまう。散り散りになって、自分の中に返って来ることさえそうそうない。
『何かの夢をたくさん見ていた気がするのに、カーテンの隙間にあさのひかりを見たとたん、すべてが淡いバラバラの欠片となって、両手の指のあいだをあっさり滑り落ちていってしまった。』
この感覚がわかるのは、きっと私だけじゃないんだろうと思う。
物語は、すべてに対して「気がする」というだけで話が進んでいたことが、気持ち悪くてたまらなかった。
現実と夢の境が曖昧になるということで言えばこの気持ちの悪さは正解で、寧ろそれを呼んでいるだけの読者にまで感じさせるのは見事な手腕というやつかもしれない。でも気持ちが悪かった。
ずっとずっと曖昧模糊としたまま話が進み、決定的なことはほとんど明言されない。しかも、それは最後の最後まで。
これは個人的な感覚だけど、あまりにずっと明確な事象が起きないからメリハリが感じられなくて読むのに集中できなかったな。
まぁ、そう思うとなんとも芸術点の高いお話だったなぁとも思う。
Posted by ブクログ
久々に出たー!
伏線回収しきらないタイプの恩田陸作品だー!
なにも解決していないしわからないしで泣けちゃう。
これはきっとあれかな、現実と夢の境目があいまいで、どこからどこまでが夢札酔いなのかわからないように…なっているのかなと思った。
子供たちの集団白昼夢、集団神隠しの謎くらいは解けてほしかった…