あらすじ
舞台は新宿裏通りのバー街。「ルヰ」のバーテンダー仙田を主人公に、彼の前を通り過ぎて行く、いろいろな男と女の哀歓漂う人間模様を描き出す連作。直木賞受賞の表題作をはじめ、「おさせ伝説」「ふたり」「新宿の名人」など8編を収録。
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Posted by ブクログ
なんだかしみじみとした昭和歌謡が聞こえてきそうな、そんな雰囲気が全般的に漂っていまして。
だがそれがいいんですよね。理屈とかより、人情先行の湿っぽいお話が。
治安も良くなくて危うさをはらんでいるけれど、温もりが残っているような世界観。昨今、絶滅危惧種状態のそんな界隈が、体験したこともないのに何故かノスタルジックに感じられるんですよね、この本。
活字だけでその雰囲気を味わわせてくれる本作。それは作者の技量故なんでしょうかねぇ。ちょいと新宿の馴染みの店に行きたくなってきちゃいました。