あらすじ
二十四歳の志織は、高校時代思いを寄せていた夏彦と六年振りに再会し、変わっていない彼を眩しく思う。そしてあの頃を懐かしむ「大人」になってしまった自分に気づき、胸の痛みを感じた。久しぶりに再会した高校の仲間たちも、現実に傷つき、迷っていた――。青春の輝きを見失いかけた「大人たち」の焦燥と不安、そして新たな旅立ちを描く青春小説の傑作。
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Posted by ブクログ
夏のバレンタインといえば、七夕の出会い。
チョコを渡す習慣があるのだろうか。
著者はあとがきで、「忘れられない一冊になりそう」とのこと。
高校時代の思い出を忘れたい人と忘れられない人が登場する。
忘れたい日とには、忘れられない一冊にはならないような気もする。
取材協力岡山県美星町。何日くらい取材したのだろう。
少なくとも七夕には行ったはず。
忘れられない一冊にするためには、何日美星町で取材すればいいだろう。
同姓の友人の死。それは、こんなに軽いものだろうか?
唯川恵にしては疑問の残る作品かもしれない。
切替を強調せずに、切り替わるのを待つのだろうか。
Posted by ブクログ
美星町。行きたくなったな。
きっとみんな青春時代にひとつやふたつ心残りを抱えてるよね。過去のことであっても自分が納得できないと前を見られないのだよね。
病室で、みんなが弱さを見せ合うシーン、よかった。
それをつっぱねた夏彦の心の中が知りたかったなー。
Posted by ブクログ
陳腐な表現ですが、胸キュンな感じ。
こういう感じの小説を読みたい気分だったのでしっくりきました。
押しの弱い主人公・志織にやきもきさせれられたけど、
最後ハッピーエンドになってホッとした。
あー24歳のときこんな恋愛をしたかったなーなんて(/ω\)
Posted by ブクログ
二十四歳の志織は、恋人と別れて半年。
何の代わり映えもない日常を、銀行員として平穏に過ごしていたけれど、ふと襲われる小さな孤独感、胸をしめつけられるような痛みを感じていた。
高校時代思いを寄せていた夏彦と、その仲間たちとの思い出はとてもキラキラ眩しく、そんな過去の自分が変わっていくことを恐れているようにも見えた。
6年振りに、夏彦と、高校時代を楽しく過ごした仲間たちと再会。
仲間たちの変化に戸惑い、自分だけが取り残された孤独感を拭いきれず、だけどその本心とは裏腹に、充実した生活を送っているかのように装う自分。
過去を懐かしむ「大人」になってしまった自分に気づき、素直になれず見栄を張ったり嘘を付く自分に気づき、胸の痛みを感じている姿は痛々しかった。
けど本当は、久しぶりに再会した高校の仲間たちも、現実に傷つき、迷っていた。
青春の輝きを見失いかけた「大人たち」の焦燥と不安、そして新たな旅立ちを描いた作品です。