【感想・ネタバレ】猫にかまけてのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 本を読みながら、急に笑い出したり泣いたりするわたしを、冷静なまなざしで見つめるねこがふたりいる(わたしはねこをひとり、ふたりと言う、物書きではないので虚栄心はない)。名を矢三郎となつめという。
 ココアやヘッケの最期のときを読むと、側で平和の象徴のように寝ているこの子たちの姿と重ねてしまい、顔がびっちょびちょになる。エマージェンシー。生き物である以上、別れは必ず訪れること、そういうことも全て引き受けていることをこの本で再確認し、そして何よりも、わたしたちのもとに来てくれて本当にありがとう、という気持ちがむくむくと大きくなる。こんなときハグのひとつくらいさせてくれてもいいのに、矢三郎は近づくと一目散に逃げていくのだ。しゅん。
 町田家の愛すべきねこたちはとってもおしゃべりでユーモアに溢れている。その会話全てに愛が溢れていて、まさにねこにかまけている著者がますます好きになった。

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2016年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

町田康の猫エッセイ1冊目。

私は、愛玩動物雑誌の読者投稿欄(「我が家の姫です☆」「うちの王子様は~」等の文言の数々)を生温かい目で見守り薄ら笑いを浮かべるのが嫌いじゃない、なんて屈折した人間なので、余程薄ら笑いを浮かべたい気分の時でなければその手の記事からはなるべく遠ざかっていたいのですが、書き手が町田康となれば話は別。町田節の猫のろけ、ひとつ堪能させていただきましょう。

とか気安く手に取ったら、大変なことになりました。主に涙腺関係が。

町田邸に暮らすココア、ゲンゾーの日常までは面白可笑しく、っていうか声を上げるレベルで笑いながら読んだのですが、道端で死にかけていた所を町田氏に保護されたヘッケの14ヶ月は泣けて泣けてしょうがなくて、だもんだから続いて氏が出会った奈奈の元気さが逆に泣けて、そうかと思ったらココアも召されて、泣けて。

でもそうやって泣きながら、泣いてる自分に偽善的な部分がありはしないかと何とか自己批判を試みるも、それすら町田氏には見透かされてる。
繰り返される「見ているだけでつらい」「かわいそうでならない」の合間には必ず、『自分の無力さ』から目を逸らさぬよう歯を食いしばる姿があります。
してまた町田氏同様(もしかしたらそれ以上に)猫たちの最期と真摯に向き合う御内儀の気丈さに、一介の読者も背筋が伸びる思い。

ベリークール。

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2015年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

猫には全く興味のない自分も、町田氏一流のリズム感とユーモア溢れる文体に自然に吸い寄せられた。日ごろ全然気にもとめていなかった世界に新しい視野を拡げてもらうことができた。氏の猫に対する温かい愛情に心がポカポカ優しく包まれもした。ヘッケ編などは、胸の底からこみあげてくる激しい感動があった。諧謔まじりの文章に泣き笑いという感じが、読み進むうち、完全に心は絡め取られてしまった。目の前のギャグは全然素通り。思いっきりボロボロやってしまった。素敵な奥様の挙措も優れて素敵だった。

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2012年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 著者の町田 康(まちだ・こう)さんは、作家・パンク歌手。
 路上で野良猫に出会うと、野良猫をかまってしまい、
 仕事に遅れてしまうほどの猫好きだそうである。

 我が家にも、8月21日から野良猫を飼っているが、
 猫という動物は、摩訶不思議な動物で、観察していると
 飽きない。

 この本は、猫好きにはたまらない本である。
 猫とつきあう覚悟を築こうとしている人は、
 是非読んでください。

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2020年05月08日

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