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賀茂真淵らによって確立された古学について、様々な仮説や誤りを取り上げ、興味深く検討していくもの。すごく面白かったです。「ひむかしののにかぎろひの」という読みについて紹介する冒頭から最後のあとがきまで、退屈するヒマがありませんでした。
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古語は書き換えられる。万葉集はどのように読まれたのか。それが時代によって読み方が変わっていく。源氏物語でもどれが本当の原文か。テキストクリティークによって本当の原文にさかのぼる文献学は正しいのか?などなど。面白かった。
Posted by ブクログ
わかりやすい!古文面白いわぁ♪
実は本棚で見た時にはそんなに期待していなかったのだが、読んでみたら大変面白かった。
柿本人麻呂の、「東の野に炎の立つみえて かへり見すれば月傾きぬ」
を挙げて、私たちが古語と思っていたものは、江戸時代に「つくられた」古語であるということが解説され、そこから古語の「書き替え」について論じていく。当初、「正しい」本文は何だろうと思いながら読んでいたので、「なぜそう変化したのかという視点が大事」という指摘に目から鱗が落ちた。思わず知らず、長いこと培われてきた常識にとらわれてるもんなんだなぁ。
Posted by ブクログ
公開されるということは、批判の場にさらされるということであって、師弟関係という壁を取り払った自由な批判や論争を保障するということにほかならない。それによって、学問の世界は活性化する。
「古語とは何か。「明治維新以前の言葉」ではない。江戸時代には『源氏物語』の言葉が、平安時代には『万葉集』の言葉が古語であったように、今後も書き換えが続いていくのである。江戸中期、初めて「古典をその時代の言葉で読む」方法が確立する。賀茂真淵、本居宣長らによって夥しい古語が読まれ、解釈され、『万葉集』や『古事記』は庶民に近くなる。その過程で生まれた仮説や誤りの謎を解き、言葉の本質を考える。」
さほど目新しい論ではなかったように思う。
研究史を知るうえでは便利かもしれないが、実際「古語の謎」と言う程のものはない、かな。
学術論文を無理やり一般向けにしている感が否めないため、どうしても分かりにくい箇所が出てくる。
それは致し方ない、か。
新書はあまり読まないので、一般的にそうなのかもしれませんが、個人的には章内での区切りが細かすぎて逆に分かりにくかったです。
後はいろいろ詰め込み過ぎているので、二冊ぐらいに分けて出してほしかったかも…。
「古語」が時代時代によって新しく出来る、という概念を多少分かりやすく述べています。
「言葉」というものに興味がある方で、「専門書や論文はちょっと…」という方は読んでみたらいいかもしれない。
もしふだん専門書や論文に親しんでいる方であれば、この本の最後に載っている参考文献を読んでみるといいかもしれないです。