あらすじ
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遊びに必要な要素とは? 人がハマる仕組みとは? 数々の名作を生み出したゲームクリエイター・遠藤雅伸が放つゲームデザインの極意! 「面白い」の概念から、具体的なゲームへの応用まで、ゲーム設計の理論と実践を徹底解説。秘伝のノウハウが満載の一冊!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
"脚注10 BREAK OUT(ブロック崩し):76年アタリ社より発売されたビデオゲーム。ラケットで球を打ち返し、壁を全て崩す脱獄がテーマになっている。" p.165
"コンテンツの消費に対抗するゲームデザイン
コンテンツが消費されるとなると、新しいコンテンツを投入しなければ活性が維持できない。ゲームデザインするほうにしてみれば、コンテンツの消費というのはできるだけ防ぎたい。その防ぎたい状況で何をやるかというと、快適にプレイをさせないようにするというのが、逆説的にすごく大事になってくるんですね。" p.316
"テトリス生誕
このプラパズルが非常に好きだったロシア人がいつもプラパズルをやっていたところ、最後の1個がはまらなくてムカつくんだよな、と考えた。それで、最後の1個をはめる手前までできたことにして、次の段、みたいな感じでパズルを続けていれば、ずっとプラパズルができるじゃないか、ということで作られたのが「テトリス」なんです。
これは明らかです。いっぺんパジちゃん(テトリスの生みの親、アレクセイ・パジトノフ)と会ったことがあって、そのときに「なんでこんなもの、考えたの?」と尋ねたらそう言っていたので。
「ずっとオレは埋めたいんだ」
って言ってました、彼は。" p.354
遠藤雅伸。「ゼビウス」と「ドルアーガの塔」を世に出した神。あと「DT Lords of Genomes」。たとえほとんどそれしか氏の作品に触れていなかったとしても、まごうことなきレジェンド。
後に氏がプロデュースした作品のオフ会で遭遇する機会を得て、その頃すでに邪神と自ら名乗り、厨房であることを宣言していた姿を目の当たりにしたことも含めて。
あれはNamedであるがゆえの自衛策だったのだろう。自ら演じるペルソナを用意することで、あこがれをこじらせた輩から望まぬ偶像を押し付けられることを避けたのであろう。
さておき。
ゲーム性からカードの品質まで、某社TCGのディスりがパない。さらにはそれを金儲け主義の観点からディスってるのに、MMOではサービス側のあらゆる行為を是としていて、無料(月額課金のみも含む?)のプレイヤーは選挙権のない下層民、月額課金を超過する課金をするプレイヤーのみを市民と見ることを公言している。いわゆる下層民がいっぱいいないと過疎るんだが、そのへんは言及していない。ゲームが面白ければ課金の動機になるのだが、そこらへんも言及していない。自らかかわったゲームにはほとんどおしゃれアイテムしか提供できてないように読めるが、それに課金しないのは非国民くらいの扱いをしている。
うまく噛めなかったところはディスり、利害のあるところは丸める。さすがの邪神。
そんなところも含めて、愛を込めて必読の書と訴えたい。懐かしいアレコレを思い出すよすがにもなった。
Posted by ブクログ
すばらしい。最近読んだ本の中では一番面白いかも。最初の二つくらいの講義はあんまり基本的過ぎていまいちだったんだけど、歴史とかきちんとしてる。ゲームつくりも大変そうです。
Posted by ブクログ
シナリオライターだけでなく、SEやPGや営業さんにも読んで欲しい一冊!
ゲームデザインの本なんだけど、「ものごとのしくみ」を考えるための方法論を解説している本だと思うと、また別の視点から読める。
特に、ゲームバランスをユーザーの心理を読み取りながら設定していく手法なんかは、まんま、普通の商品のマーケティングにも使える方法論だと思う。
そういう意味では、講義録ではなく、方法論の参考書とも読める。
普通に読み物として読んでもおもしろいですけどね。
Posted by ブクログ
ゲームを作る側からの視点で描かれているのでただ単にやる側としての自分の立場があまりにも軽すぎるのに申し訳ない気持ちになってしまう。
作る側と言ってもあまり込み入った話は出てこないのでさらりと読むことはできるし、そちら側に足を踏み入れたいなどと軽く考えてしまうのも調子よすぎか?
Posted by ブクログ
ゲームデザインに関する本というと、ルールの作り方・レベルデザインの方法・プログラミングについてなどの内容を想像すると思う。
確かにそれらについても丁寧に書かれており、間違いではない。
しかし、この本では「ビジネスとしてのゲームの作り方」という視点が入っており、非常に勉強になった。
版権物の企画の売り込み方・カードゲームを作る際のコストのかけ方など、あまりこれまでに触れられている書籍を目にしたことがなく、興味深く読み進めることができた。
ゲームを作る側にいる人間でなくとも、ゲームという分野に深い興味を持っている人間であれば、何かしら得るものがある本である。
Posted by ブクログ
前半はゲームデザインをする際に考えるべきこと、後半はゲーム史を交えつつ、ゲーム種類ごと、ゲーム要素ごとの概説。読みやすいし、高みにある人の俯瞰性を感じる。少し自分の好みや意見が強く出たりする部分もあるが、それも含めて面白い読み物。
Posted by ブクログ
本書は、ゲームを作りたいと思っている若者に対しての圧倒的な量の知識の洪水を浴びせかけています。1959年生まれの筆者は日本にゲーム業界が出来ていく歴史のど真ん中にいて(なんたって、あのゼビウスの作者!)、今も先頭に立っている人のようです。具体的なヒット作を事例に取りながら(脚注に出てくるゲームの膨大なこと!)ゲームの本質、システム、デザイン、変遷を縦横無尽に語っているのですが、その根底には“コンテンツを作るにはコンテンツを知れ”という想いがあるからだと思います。ところが、デジタルであることにより永久性を持ち得ているように思えるデジタルゲームが「消えもの」化して、ほとんどリプレイ出来ない現状に対する焦燥感が、そして横井軍平さんという先達や宮路武さんという仲間の死が、彼を教壇に立たせ、執筆に向かわせています。一瞬、トリュフォーがヒッチコックのインタビューをした本、“映画術”を思い出しました。筆者と同じ時代を歩いて来た自分としてはデジタルゲームの歴史が技術と社会の変化の写し鏡になっていて、ゲームを語ることは時代を語ることであることにしみじみ。