あらすじ
総務省への怒鳴り込みも辞さない「キレっぷり」などで良くも悪くも注目を集めるソフトバンク。本書は、長年にわたって通信業界をウオッチしてきた記者が、一般メディアに取り上げられない側面からソフトバンクの強さを徹底的に分析した。
取材を通して見えてきたのは、ソフトバンクの知られざる企業文化。孫正義社長は商機ありと見れば業界大手や総務省を相手にも平然と大立ち回りを演じ、叩かれても叩かれても、あらゆる策を講じて粘り腰で巻き返す。社員にはスピードを強く求める。自身も即断即決のスピード経営を貫く。奇策ばかりが目立つが、実はデータ重視の慎重派でもある。基本に忠実で調査と分析を徹底的に繰り返し、幹部は綿密な長期計画に基づいて動く。
命運を賭けた米スプリント・ネクステル買収の舞台裏も収録。通信業界の激しい攻防の裏側を追った。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
チェック項目2箇所。本書ではソフトバンクの強さを徹底分析した、通信業界に限らず、異業種の企業にとっても同社から学べる点は多いと考えている。ソフトバンクは過酷な労働環境のイメージが強いが、2012年の年間平均残業時間は月40.3時間、スプリント買収で時差を合わせたり英語の資料を用意したりと増加傾向にあるが、好業績もあって社員の満足度は6年連続で伸びているという。
Posted by ブクログ
スプリントの買収の周辺での他社とソフトバンクの攻防が描かれています。スプリント買収後のソフトバンクの展開、孫さんの描く展開などをうかがい知ることができます。
Posted by ブクログ
日本の携帯市場をiPhoneで席巻し、今度は米国スプリントを買収して世界へ出ていくソフトバンク。ソフトバンク=孫社長=革命児・独裁というイメージが強いが、本書ではスピード感たっぷりでアイデア満載、ますます盛り上っているという社内の様子なども紹介されている。
ここまでは成功ストーリーそのものですね。グローバル化にもがき続ける多くの日本企業の中で異色の存在のソフトバンク。これからも目が離せない。
Posted by ブクログ
「スピード経営」とは単に行動力があるということではない。スピードを生みだすエンジンの性能は燃料と回転率で決まる。大量のアイデアをひたすらひねり出し猛烈に試行錯誤する、それが他の企業にはないソフトバンクの強みになっているのがよくわかる。
本書はそれなりに面白いのだが、「強みはAだ。こんな例がある。だから強い」という多用される論法が具体的で数字もあるのだがスケールが小さかったり担当者レベルすぎて凄さが伝わってこないものが多い。公開情報からの引用、内部関係者への取材も表面的な印象を受ける。世の中をあっと言わせた数々の買収劇の、もっと核心に触れるような取材をして欲しかった。
それにしても「自転車操業を抜けるにはもっと早く漕げばいい」という孫さんの名言は面白い(笑)。