あらすじ
終焉をむかえつつある人類の世界。探偵・南深騎(みき)と菜美の下に、黒鴣瑠華(くろうるか)と名乗る美少女が現れた。眠り続ける美女。蠢く人面蒼。3つの時を刻む巨大な時計。謎が漂うクロック城に2人を誘う瑠華。そこに大きな鐘が鳴り響いたとき、首なし遺体が次々と現れた。驚愕のトリックが待つ、本格ミステリ。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
4.7評価
冒頭20ページくらいで作品の世界観に没入
終末感は好みの設定
いま読んでもまったく色褪せていない物語
やはり名作か
時計の針を伝うというメイントリックは既視感アリ
悪くないですけど
(黄金の羊毛亭によるとルパン3世の映画のせいとのこと。なるほど。その他にもあった気がする)
解決は多重推理のどんでん返し
犯人は裏ボス?主人公?やっぱり裏ボス?
首を切った理由は特筆事項
これとメイントリックは本書の二大ポイント
綺麗に収束しないファンタジー要素と、いわゆる厨二要素がマイナス0.3pt
世界観にはあってるんだけどなあ
シリーズ追い確定
Posted by ブクログ
再読。でも、全く内容を覚えてなかった...
でも、首を切った理由だけは覚えていたから、そこはとても印象に残ってたんだなぁ、と。
この世界はどういう結末を迎えるんだろ。
世紀末的な世界観が必要だったのかは、疑問ですが面白かった。
Posted by ブクログ
時計を渡って移動した、というのは3つの時計の時間のズレを上手く利用しているなとは思ったが、そんなに驚かなかった。
やはり“なぜ首を切ったか”が本書で一番注目すべきところだろう。
時間を知るため、という単純明快な幼い理由だからこそ、より首切りの残酷さが際立っている。
Posted by ブクログ
トリックの評判は聞いていましたので、ハードルは高めに設定しておいたのですが、非常に好きなタイプの解答で嬉しかったです。
謎・答え共に、物語全体としての主題と密接に関わっているおり、その点かなり理想的な一冊だったなあと感じます。(主題の抽象性が高まり過ぎて、解決編とのギャップに拍子抜け、な本は過去に何冊か経験がありまして……)
解説にもありましたが、「時間のための物語のための時間」とでも言いましょうか、舞台、登場人物、謎、解決すべてが「時計(時間)」に収斂していく様は圧巻でありました。
一方、SF的な舞台設定には、正直置いてけぼりでした。私がこの手の話を読み慣れてない事も大きいのでしょうが…クロック城周辺はともかく、ゲシュタルトやら2つの機関やら、描写からはみ出た部分がイマイチ想像できず、設定に入り込めませんでした。特に、菜美ちゃんの存在にモヤモヤ。
妄想ですが…例えば「菜美ちゃんが見えてるのは、実は南探偵だけだった」とすると、2種類のシナリオが浮かび上がるとか、どうでしょう。
・菜美ちゃんが皆に見えてるとすれば、鈴&未音犯人説で、南と菜美が去る
・見えてなければ、周囲の人間は南犯人説をとり、南の中だけでは菜美の推理(=存在)が正当化されて終わる
みたいなみたいな。