あらすじ
経済は破綻し格差は拡大する一方、将来への希望を持つことが難しい日本にあって、「幸せ」は遠のくばかりと感じている人は多い。しかし、実は日本人は自ら不幸の種まきをし、幸福に背を向ける国民性を有しているのではないか――。精神科医、心理学者でもある作家が「幸せになれない日本人」の秘密を解き明かし、幸福になるための発想の転換法を伝授する。追い求めている間は決して手に入れることのできない「幸福」の真の意味を問う、不幸な時代に必読の書。【目次】第一章 幸福を阻む考え方・生き方/第二章 「不幸増幅装置」ニッポンをつくったもの/第三章 幸福は「しなやか」な生に宿る/第四章 幸せに生きるための「老い」と「死」/あとがき
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Posted by ブクログ
<概要>
前半部では、欧米諸国と比較をしながら日本の現状やその原因などについて書かれている。
後半部では、主に1人の人間としての幸福とは何か、どのように考えたらいいのかなど、少し自己啓発系の内容になっている。
私としては、前半部分の方が知らない事が多く、発見が多かった。
*日本の障害者自立支援法が実際は障害者の方達にとって働きやすい環境作りなどの支援により、むしろ自己負担が大きくなってしまっていること。
*日本の公共事業の額が一時は50兆円を超え、日本の特別予算の4分の1を〆ていたこと
→地方の人々の多くが土木産業に関わっており、なかなか手が引けないという現状があること
→社会保障に関連する額よりも公共事業費の方が大きな割合をしめていたこと
→社会保障の減額は小泉改革時代から救援したこと
→先進国の中でも自殺率は圧倒的に高く、2位であること(1位のリトアニアは政治的要因による部分が大きいこと)
→自殺者数はあまりに高く、日露戦争での死者(約8万人)と比較すると3年に1回戦争を行っているようなものであること
などなど。
私の勉強不足によるところは大きいけど、改めて日本の政治や制度に対して社会人になる前にしっかりと把握する必要性を感じた一作でした。
後半部分はさらっと読めるので、問題意識を喚起したい方にはお勧めですw