【感想・ネタバレ】叫びと祈りのレビュー

あらすじ

砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇……ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理。《週刊文春》ミステリーベスト10国内部門第2位をはじめ各種ミステリ・ランキングの上位を席捲、本屋大賞にノミネートされるなど破格の評価を受けた、大型新人のデビュー作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「砂漠を走る船の道」★★★
「白い巨人」★★★★
「凍れるルーシー」★★★
「叫び」★★★
「祈り」★★

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

学園ミステリアンソロジー『放課後探偵団』の「スプリング・ハズ・カム」がよかったのでこちらの短編集にも自ずと手が伸びる。
「砂漠を走る船の道」や「叫び」における限界状況におけるホワイダニットという切り口、視点というのはなかなかに面白いが、前者の解に感じた痺れるような切れ味が後者には感じられず、物足りなさがある。「砂漠を」のクオリティを期待していたが、ほかがもうひとつだったかな。「砂漠を」も、動機の部分はおもしろかったが、倒叙トリック的なものは不完全燃焼感が察せられてしまったこともあるけどそれを差し引いても今一つおもしろさに繋がっていないような。全体的に現実離れしているように思える異国の地を舞台にして幻想的かつ旅愁を誘う雰囲気は味わいがあるだけに期待値が高くなってしまった感がある。

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2024年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・砂漠を走る船の道
んんん、これはどうなんだろう。
意外性はあった、けれど。
最初の出だしが素敵だっただけに、残念な気持ちの方が大きいかもしれない。
・白い巨人
んんん!本当に素敵な文章!先が気になる話の進め方、雰囲気大好きなのに!
最後が残念すぎる。泣いてたから気づかなかったはさすがにない。
サクラの発想は素敵。ブルーのサングラスのせいか、斉木が妙にかっこよく感じる。
・凍れるルーシー、叫び
これは面白かった。いい意味でぞわぞわする。
・祈り
んんー。どういう状況なんだ?と先が気になって読み進めたけれど、最終的に特に驚くことはない。

全体的に世界観、描写、雰囲気は素敵すぎる。かなり独創的であるところはとても好き。
だけれど、ミステリーとしてはどうなんだろう。凍れるルーシーと叫び以外は、途中までが面白いが故に、結末に物足りなさがあった。

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2023年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結局は最初の引用文に尽きるのかな。
"だいじなのは、お話の裏にこめられた意味なんだよ"

まず連作とは知らずに読み始めたので、「砂漠を走る船の道」の舞台に感動して、重厚な話であるといいと期待して臨んだら、割と早くに終わってしまい、気持ちがちょっと萎んだ。
メチャボも犯人も手がかりをたくさんくれていたので「!!」となることはなく、とにかく読後の印象はラクダと砂漠である。それは凄くいい。もっと読みたかった。
「白い巨人」のサクラもあからさまだし、彼女が生きてるのもかなり示唆してくれてたし、何よりフェイクの話で冒頭の引用文の存在感が増した。わかりやすいのはデコイで裏があるのかな、と。
「凍れるルーシー」「叫び」からタイトルが気になりだして「祈り」で森野が出てきてヨースケなんだろうなと思ったときに、いよいよわからされてる感がして、洞窟クイズのように現実は正解がなく、フェイクに動機がどうの解明にあーだこーだと言ってることへの皮肉なのかな?と思ったけれど、よくわからなかった。
情景の描写が綺麗で連作もきれいに纏めた印象だけれど、結局裏の意味は私にはわからなかった。
「叫びと祈り」は斉木の心情ではなく作者さんの心情なのかな。
時を置いてまた読めばわかるかな?

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2020年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先の気になるストーリーも相まって、とても読みやすい。
日本ではないどこかの、文化や風土に基づいた謎解きということで、
非常に面白く読んだ。
しかし、最終章”祈り”の位置づけは、とあるサイトの解説を読まないと理解できなかった。
この1冊が、最初は探偵役であった主人公が、自分の理解できない何者の存在に心情を打ち砕かれていく
という構成だったとのことで納得。

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2018年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「斉木」という青年が世界各国で遭遇する異様な謎について書かれた4つの短編と、その後日談が書かれた短編集。文章が詩的であり、好きな人にはたまらないんだろうけど、あまり肌に合わなかった。
 「砂漠を走る船の道」、「凍れるルーシー」及び「叫び」は、動機に焦点が当てられた作品。いずれもその異様な動機は、心に残る。「白い巨人」は、日常の謎風のミステリだが、スペインが舞台であり、叙述トリックにより主人公がスペイン人であることが伏せられている。「白い巨人」は、サクラと表記されているスペイン人男性とアヤコという日本人女性の恋の話で、読後感が良い秀作。
 白眉は、「凍れるルーシー」。生ける聖人だった修道院長であれば死体となっても腐らないと考えて殺害したという動機も驚愕だが、聖人リザヴェータの腐らない死体が消失したのは、聖人リザヴェータが復活したという真相がなんとも…。ジョン・ディクスン・カーの『火刑法廷』を思わせるラストが秀逸。
 ただ、5作目の「祈り」がイマイチ。読解力があれば名作なのかもしれないが、詩的な文体の読みにくさも相まって、何が言いたいのか分かりにくく、楽しめなかった。トータルでは★3かな。

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2015年09月23日

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