あらすじ
ランキング3冠! 警察×本格ミステリ傑作
【ミステリーランキング3冠】
米澤穂信、初の警察×本格ミステリーがついに文庫化!
【内容紹介】
群馬県警捜査第一課の葛警部は、上司にも部下にも煙たがられる存在だ。
だが、葛の捜査能力を疑う者は一人もいない。
連続放火、見つからぬ凶器、遺棄されたバラバラ死体、不可解な立てこもり――
難事件の奥に潜む真実を、葛警部だけが見抜く。
ミステリランキング三冠に輝いた、警察×本格ミステリの金字塔。
解説=有栖川有栖
単行本 2023年7月 文藝春秋刊
文庫版 2026年9月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
葛
主藤
桜井
小田
桐乃
宮下
佐藤
村田
飯塚
笹尾
川村
榊野
新戸部四郎
年嵩
伊村
蓮井
三田村
崖の下
芥見正司
浜津京歌
後東陵汰
水野正
下岡健介
額田姫子
ねむけ
金井みよ子
田熊竜人
水浦律治
大島医師
蒲田照夫…幸代
古賀久
岡本成忠
紙川翔祐
鈴木泰輔
命の恩
服部央
野末晴義…裕子
野末勝
荒川悠斗
宮田村昭彦…香苗…一彦…聡子
井沢登志夫
徳安康一郎
豊岡優美
可燃物
磯俣洋一
谷村康太郎
下西美礼…久太
坂田章清
三田高生
幡野
小河峰雄
大野原孝行
宇佐みどり…吾郎
藤谷
岩出友幸
高柳充
日比谷洋祐
本物か
小峰徹次
長菅麻奈美
横井なつめ
川野
志多直人…春太
代崎恵
倉本香里
安田明治
王春美
青戸勲
久島一伸
湯野有加里
鈴村照星
辻川花
Posted by ブクログ
好きだなぁ。
Who Why Howと、それぞれおもしろ要素はあるのだが、私はとくにWhyに関心が向いた。それは殺害だけでなく、供述にも言える。被疑者、被害者、目撃者そして、警察関係者。その発言に、理由背景がある。『ありえそう』とリアル感を味あわせてくれた。もちろん、んー?みたいな理由もあったかもしれない。でも、ひとの行動は、大概そんなものだろうと思うのである。
Posted by ブクログ
おんもしろかった。
濃厚な5つのお話が詰まっていました。
ひとつひとつは短いのに濃いから満足度が高い。
重めのガトーショコラみたい。
一気には読まず(読めず)、ひとつひとつ余韻を味わって読み進めた。
「可燃物」はタイトルになるだけあっておもしろかったし緊迫感があった。
個人的には「ねむけ」が最後までどうなるかわからなくてうずうずそわそわした。
Posted by ブクログ
警察×本格ミステリと硬派な作風にも関わらずスラスラと読める。
その上五編全ての真相で驚かされる傑作だ。
特に表題作の「可燃物」は最後まで真相の足がかりすら掴めず、全てが明らかになった時には「えーっ!」と声をあげてしまった。
現実で同じ事件が起きたら、犯人不明のまま迷宮入りしそうだ。
人間を見ることを第一に捜査する葛警部だからこそ、可燃物の正体に辿り着けたのだろう。
葛警部の人物像などまだまだ余白があり、世界観も広げられそうなので是非シリーズ化してもらいたい。
Posted by ブクログ
無骨で上司にも部下にも煙たがれている群馬県警捜査第一課の葛警部が、見つからない凶器、深夜にも関わらず目撃者の多い交通事故、バラバラ死体、連続放火事件、ファミレスでの立てこもり事件に挑む短編集。
文庫本が出たら購入しようと思っていた作品。
犯人っぽい人が大概犯人じゃないんだよな、とは思うんだけど全編、「なるほどー」の連続だった。
葛警部、口数少なく、真面目すぎて、菓子パンとカフェオレばかりの食事で、人間的には大丈夫か…って感じの人だけど、なぜか嫌いになれない。
彼をイメージして、いろんな俳優さんが思い浮かんだ。
葛警部のシリーズはもっと続くのかな?長編だともっと面白いと思うんだけど。
Posted by ブクログ
米澤穂信『可燃物 県警捜査第一課 葛警部』文春文庫。
米澤穂信は余り読んだことがない。恐らく、読んだことがあるのは『ボトルネック』という作品だけではなかろうか。本作は、『このミス』を始めとする様々なミステリーランニングで第1位を獲得しているらしく、それならば読んでみようと思った。
上司からも部下からも煙たがれながらも、高い捜査能力を持つ群馬県警捜査第一課の葛警部を主人公にした警察ミステリー5編を収録した短編集である。
いずれの短編も派手さは無いが、多方向、多面的に物事を観察することで真相に辿り着くという面白さがある。噛み締めれば噛み締める程、味が出てくるような面白さがあるのだ。そういう点では、長岡弘樹の『傍え聞き』といったミステリー短編集にも似ているが、本作の場合は推理から謎解き、結末までが素直に、ストレートに展開する。
仕事でも問題解決のためには、様々な角度から事実を見直し、幾つかの事実を繋ぎ合わせて推理することが重要であるが、それに気付くか否かは個人のセンスに掛かっているのだと思う。主人公の葛警部はこうしたセンスと推理力を兼ね備えているようだ。
『崖の下』。殺人犯は誰で、凶器はどこに行ったのかと、謎解きに挑戦するのも面白い。群馬県のスキー場で4人のスノーボーダーが遭難し、その中の2人が崖下に転落した状態で発見される。1人は重傷で病院に搬送、もう1人は既に亡くなっており、首には三角柱のような物で刺された傷があった。群馬県警本部の刑事部捜査第一課の葛警部が現場に駆け付け、鑑識と共に付近を捜査するが、犯行に使われた三角柱のような凶器は見付からなかった。★★★★★
『ねむけ』。強盗致傷事件と信号無視による交通事故と複数の目撃証言という幾つかのヒントがやがて1つの事実に繋がっていく捜査と推理の過程が面白い。群馬県藤岡市で起きた強盗致傷事件。被害者の老女は頭蓋骨陥没骨折の重傷で意識不明の重体だった。類似前科のある者を中心に被疑者を洗い出すと1人の男が浮かび上がるが、男は交通事故を起こし、病院に搬送される。葛警部は男が信号を無視して交差点に進入したという複数の証言を得て、危険運転致死傷罪の別件で男を逮捕することも考える。★★★★★
『命の恩』。謎のバラバラ殺人事件。被疑者はあっさり犯行を自供するが、葛警部は事件の矛盾点から真相に辿り着くという謎解きの面白さ。しかし、少し無理を感じる点もある。群馬県の榛名山の山麓で切断された人間の上腕部が発見される。発見されたのは成人男性の右腕の上腕部で、鋸のようなもので切断されたと思われた。山狩の結果、バラバラに切断された人体の部位が次々と見付かり、頭部の歯型から男性の身元が判明する。葛警部は男性の自宅を捜索し、突き止めた複数の関係者の聴取を行う。★★★★
『可燃物』。表題作というだけのことはある面白さだった。全くの逆方向の推理に驚愕。物の見方というのは様々あり、物の見方次第では真相に辿り着くことが出来るのだ。群馬県太田市のゴミ集積所で発生した連続放火事件。被疑者と思われた男は過去に勤務先で失火事件を起こしていた。葛警部の指示で男をマークするが、なかなか尻尾を出さず、ある日を境に放火事件はぴったりと止んでしまう。★★★★★
『本物か』。驚愕の真相に震えた。衝撃度と面白さで言えば、表題作の『可燃物』よりも上だ。伊勢崎市ののファミリーレストランでの立てこもり事件が発生する。葛警部は部下と共に現場に駆け付けるが、上司から特殊係に任せるので手を出すなと厳命される。犯人の男は早々と特定されたが、男は拳銃のような物を持ち、複数人を人質に取っていた。葛警部は店内から逃げ出した従業員と客たちから店内で起きたことについて質問する。★★★★★
本体価格770円
★★★★★
匿名
米澤穂信さんは好きな作家さんなのですが、作品によって相性の当たり外れがあって
(米澤さんは複数人いてそれぞれが作品書いてるのでは、と思うことがある)、
買う時は少しギャンブルで怖くてハードカバーには手が出せません(高いので)。
が、この本は当たりです。超お薦め。
解説の有栖川さんも仰ってますが、ぜひシリーズ化して続編お願いしたいです。
ちょっとだけ言いたいのは、
主人公が仕事中菓子パンとカフェオレしか食べてないのはどうなんだ? って事と、
2話目のタイトルは、なんでや? って事。
読んでる途中で訳が分かった時、えーっ? って声出ちゃったよ。
Posted by ブクログ
やはり米澤穂信さんの作品は読みやすい。そして面白い。
『崖の下』は読みながら展開がどこかで見たもので不思議に思っていたら、アンソロジー作品『神様の罠』に収録されていたものでした。
それにしても葛さんがキレ者過ぎてかっこいい。
Posted by ブクログ
かなり面白い。
米澤穂信の引き出しを多さに驚かされる作品だった。
葛警部を探偵役とした短編が5つ収録されている。
それぞれタイプの違ったミステリーで、凶器、動機、犯人を推理する面白さが凝縮されていた。
文体も比較的硬派で、幅広い年代に迷いなくお勧めできる作品であると感じた。
Posted by ブクログ
群馬県警の葛警部を主人公にした連作短編集。派手な仕掛けよりも、現場に残された小さな違和感から事件の構図を崩していくタイプのミステリで、いかにも米澤穂信らしい。山岳を舞台にした二編やファミレスの一編など、群馬という土地柄もよく効いている。無愛想ながら観察眼の鋭い葛警部も魅力的。五編のなかでは「命の恩」がいちばん好みだった。続編もぜひ読みたい。
Posted by ブクログ
ミステリーも、ドラマである以上、物語だ。
読む側としては、そこに何らかの変化を期待する。
以下、ネタバレ含みます。
だから、悲しいなぁと思ったのが、表題作「可燃物」の結末だった。
犯人は、いわゆる防犯のための罪を犯す。
同じことが起きてはならない、という思いが動機になるパターンは、なかったわけではない。
私たち読む側も、その動機に共感したり、そのことが啓発になったりする。
けれど、その動機は、この話の中では取り上げられない。
そうして、彼の動機そのものは、いとも簡単に風化してしまって、彼の犯行だけが残される。
切なくて、難しい。
犯行を美化することが良いわけではない。
そうして、犯行だけが取り上げられた結果、心象の変わる事件だって、数多あるのだろう。
物語という枠組みを、私たちがどう読んで、受け止めているかまで掴まれているような。
そんな不思議な作品だった。
Posted by ブクログ
「本物か」と「ねむけ」が特に秀逸。
表題作の「可燃物」は動機と事件の重大性に多少ギャップを感じたが、短編ながら総じて満足度は高い。葛のキャラも個人的に好みであり、長編で読みたい。
Posted by ブクログ
米澤作品の話題作
各話事件のスジも面白いし
主人公の推理というか深慮もすごく
各話の完成度が高い、、、が
物語として読むには物足りなさを感じる
感情移入というか入り込む感じが湧き起こらず
Posted by ブクログ
ミステリー三冠に輝いた、作者初となる警察×本格ミステリーの傑作。
群馬県警捜査第一課を舞台に描かれるのは、冷静沈着にして頭脳明晰な葛警部の存在です。百戦錬磨の強者刑事たちがひしめきあう組織の中でもズバ抜けた洞察力と思考力を持ちあわせ、事件の奥底に隠された真実を鋭く見極めていきます。
今作品は5編からなる短編集。どの短編も短いページ数でありながら非常に濃密な読み応えがあり、解説には「作中に散りばめられたヒントからたどり着くこともできる」とあったのですが、私はヒントに全く気づけず、完全にやられてしまいました。
職場の上司としては正直一番当たりたくないタイプかもしれません。しかし、その厳しさの裏にある仕事へかける圧倒的な責任感と熱量は見習うべきものがあり、ひそかに胸を打たれます。
短編としての完成度の高さはもちろんですが、この葛警部が難事件に挑む姿を、ぜひもっと長編作品としてもじっくりと味わってみたいと思わせる一冊でした。
Posted by ブクログ
初めての米澤さん作品。
警察ミステリー面白い!
期待以上だった。
短編集なんだけど、スピード感もあって、読み応えもあるけど、先が気になってどんどん読める作品。
Posted by ブクログ
自分はまあまあ理屈っぽい性格なので、葛のような理詰めでありとあらゆる可能性を検討していくタイプは好きなはずなのだけれども、これは凄すぎて逆にちょっとひきながら読んでました。
面白かったし、これが警察官のあるべき姿なのだろうけれど葛の部下にはなりたくないな。
Posted by ブクログ
一編ごとにその完成度の高さに唸り、次編へ移る前に一旦本を閉じて息を吐く。物的証拠の有無、供述の信憑性、理に適った犯行動機――。それら真っ当な警察捜査の過程の最後に加味される、隙の無い硬質な推理。犯罪の形を成した苦く切ない人間ドラマが静かに浮き上がる様は極限まで渋く、この社会に於ける隣人を凝視させ、深い深い余韻を生み出す。
Posted by ブクログ
ハズレが一個もない短編集
ものすごく抑制の効いた文章で、ほぼ直進で結末までたどり着く潔さと、読後の余韻が良い。
文体自体が葛という人間の性格を表しているように感じる。今後シリーズ化するとしたら、ここにどんな固定キャラが加わって、どう変化していくのかが楽しみ。
ミステリのジャンルとしては非常にバラエティがある。以下短編ごとの感想。
・崖の下 折れて突き出た自分の骨を凶器とするとか、シンプルに痛そうすぎる。恨みの深さを感じさせる意外な凶器。
・ねむり 無関係に見える目撃者が結託して偽証をしたのはなぜか? オリエント急行オマージュ? ひとつ疑問なのはゲームをしてた大学生は別に偽証をしなくても仲間に寝てたことはバレないのではないか。チャットで繋がってるだけだし、住んでる国も違うんだからそこまで伝わるとは考えづらい。
・命の恩 これは唯一途中で真相が分かった。後味が悪くて好き。気になるのは、優秀そうな検死官が首だけが切り取られているという異常さをなぜ指摘しなかったのかということ。
・可燃物 火事が怖いから火をつける。落語みたいなオチ。
・本物か 一番好き。ブラックボックスとなっている現場の状況を証言だけで推測していく手探り感。ファミレス内に電話かけるところが良い。闇の中から声だけが聞こえてくるが、声の主の正体が分からないみたいなゾクゾク感。
Posted by ブクログ
ミステリーランキング3冠で警察×本格ミステリー。
群馬県警捜査第一課の葛警部は、上司にも部下にも煙たがられる存在だ。
だが、葛の捜査能力を疑う者は一人もいない。
連続放火、見つからぬ凶器、遺棄されたバラバラ死体、不可解な立てこもり――
難事件の奥に潜む真実を、葛警部だけが見抜く。
5篇からなる短編集で事件を様々な視点、捜査から解決するミステリーで、サクサク読めて面白かったです。
葛警部の洞察力と着眼点はうなるくらいです。
ミステリーランキング3冠とハードルを上げてしまったのか少し消化不良な感じがありました。
推理としてはなるほど‼と驚きはあったのですが、グイグイと引き込まれなかったのと心に残らなかったのが残念でした。
Posted by ブクログ
米澤さん、短編多めですね。個人的には長編ものの方が好きだけど、本作も楽しめました。
警察ものは珍しい気がするな。
物語として好きな作品は、最後の本物か。かな。
終わり方的には一番よかったなー。他の作品は色々考えさせられる部分あるったからな。
ミステリとしては、命の恩か。
タイトルは可燃物はある程度、予想ができてしまったな。
Posted by ブクログ
やっぱり読みやすいな〜。一日でささっと読める。ちょっと引っ掛かるところがあったというのが本音だけど、総じておもしろかった。葛さんは菓子パンとカフェオレ以外を食してくれ。
Posted by ブクログ
プレゼントを読んで米澤穂信を読みたくなったので読んでみた。全体的な文体等は割かし好み。1つ目のトリックはすごく面白かったし、事件が解決したあとの虚無感等を文で表すのもとても上手いと思う。だがどうしても問題文と回答のような感じに見えてしまい、もう少し深さが欲しいなあと思った。長編だとまた感じ方は違うと思うので読んでみたい。それか自分がミステリー自体が苦手なのかもしれない
Posted by ブクログ
【2026年106冊目】
雪山の崖の下で見つかった死体と怪我人、消えた凶器――「崖の下」、深夜に起こった交通事故に4人の証言者、嘘つきは誰か――「ねむけ」、登山ルートで見つかったバラバラ死体、損壊した理由は何か――「命の恩」、連続放火事件はなぜ燃えにくい可燃物ばかり狙われたのか――「可燃物」、ファミリーレストランで起きた立てこもり事件の犯人はどこか怯えた様子で――「本物か」、ミステリー×警察小説の短編集。
3冠を獲ったということで、ほう、どれどれと期待して読みました。うーん、そんなに好みではなかったです。トリックとか真相は「おお」と思うお話もありましたが、あんまり感情の描写がないというか。ロボットみたいだなって思ったりして、こう人間味がないというか。淡々と推理をする探偵は結構いると思うんですけど、どこか人間味があるものなんですが、葛警部については「この人じゃなくてもいいんじゃないか」みたいな代替可能感がありました。
こういう淡々とした感じがお好きな方も多いとは思うので、私には合わなかったというだけです!
めちゃくちゃ余談ですが葛警部のことをずっと「くず」と読んでいました。酷い話だ。