あらすじ
自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂される最原最早の監督作品だった。彼女のコンテは二見を魅了し、恐るべきことに二日以上もの間読み続けさせてしまうほどであった。二見はその後、自分が死んだ最原の恋人の代役であることを知るものの、彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が先立ち、次第に撮影へとのめりこんでいく。 しかし、映画が完成したとき、最原は謎の失踪を遂げる。ある医大生から最原の作る映像の秘密を知らされた二見は、彼女の本当の目的を推理し、それに挑もうとするが――。 第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。
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Posted by ブクログ
ほんタメのあかりんが野﨑まどさんを紹介していて、興味がわいて読みました!
大学生の二見遭一が天才・最原最早らと映画を作成する青春小説。(?)
結末には本当に驚かされました!題名はどう繋がるんだろうと思っていたらまさかの…。
すでに最初から始まっていたなんて…。最後まで天才の手中にあったのが何とも複雑、、、。
ホラーというかミステリーというか、すごく印象に残った作品でした!コミカルで読みやすいし内容もとっても面白かったです
これから「2」に向けてシリーズを順番に読んでいきたいと思います
Posted by ブクログ
天才、最原最早と出会い、主人公が彼女らと1つの映画「月の海」制作に取り組む。主人公は学内サークルの画素さんに想いを寄せていたが、最原最早の言動に振り回されながら映画作成に打ち込んでいくうちに、知らずと最原最早に焦点が当たっていく。「最原最早の作る映画には魔力がある」そんな言葉が、実感をもってじわじわと主人公を捕えていく。絵コンテを56時間ぶっ通しで読み続けてしまった描写、カメラを向ける画素さんを気絶させてしまう演技、そして映画「アムリタ」の絵コンテから繋がる謎。彼女は何を目的として、誰に見せるために月の海の制作をしたのか。最後の怒涛の伏線回収までの流れは目を奪われるような展開で、一気に物語の核へと迫る。物語のゴールでは、究極の結末を知った主人公が映画を見る前に、きっとこの映画も面白いだろう、と思う場面で終わるところが印象的だった。ネタバレにはなるが、記憶を消す・別人格に取り替える=殺人、とは普通繋がりにくいが、丁寧な描写から最後の主人公の様子は死にゆく前のそれであった。自分だったらあのシーンで何を思うのだろう、そんな事を考えさせられるようないい読後感だった。
Posted by ブクログ
読もう読もうで3年経ってやっと読みました。
久しぶりのコメディ小説。楽しかったです。
野崎まどの他の作品は読んでいたので、ああ、お前ってこういう奴だったな。って展開で終わりました。
主人公、最初から殺される。
映画の部活。
映画監督の最早の彼氏が事故死。
彼氏がシナリオを書いていたから、映画をとりたいと、彼氏に似ていた俺に話が来る。
映画のコンテをみると何十時間と世界に引き込まれる。
最早の作る映画は、人格をも変えてしまう。
映画が完成した途端、最早は失踪。
俺は最早がなぜ失踪したのか突き止める。
最早の映画は人格をも変えてしまう。
最早は俺を死んでしまった彼氏に変えようとした。
そして、一緒に撮影している間に気持ちが変わり、俺の代わりを探しに失踪。
俺は人格を変えられてもいいと覚悟で人格が変わってしまう、最早が作りたかった映画を作った。
結局、その映画は最早によってみることを止められ、2人は付き合うことに。
翌日、映画のデートに行って最早から告げられる。
君は死んでいる。私が殺した。
風邪で寝込んだ時、ワザと君が見るように、みんなで作った月の海の本当の映画、アムリタのコンテを置いた。
もう一つ、最早が高校で作った映画を、医院生と名乗る女に見せられた。
これで最早のシナリオ通り、俺がアムリタを作った。
そうして、今から最早が作った映画で、俺は生き返る。