あらすじ
「宇宙は技術だけでなく、企業経営を厳しく試される場である」――。イーロン・マスクが2002年にゼロから設立したスペースXは、なぜわずか24年で時価総額約336兆円(2.1兆ドル)を超える、史上最も価値ある会社へと急成長できたのか。 本書は、長年ロケット開発に携わってきたJAXA技術者・後藤大亮と、宇宙ビジネスを知り尽くしたベンチャーキャピタリスト・小松伸多佳の二人が、エンジニアリングと投資のプロという両面の視点から、その強さの本質を徹底分析します。 再使用ロケット「ファルコン9」が覆した業界の常識、大誤算から生まれた超高収益事業「スターリンク」の秘密、そして人類を火星へと導く史上最大のロケット「スターシップ」の大胆な開発手法を詳解。イーロン・マスク個人だけでなく「企業としてのスペースX」に焦点を当て、物理法則とビジネス原則という「二つの補助線」で、困難な課題に挑むビジネスパーソンに贈る、究極の「ビジネス革新の参考書」です。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
経営戦略については知っている内容が多かったが、各ロケットの技術的な背景、戦術について新たな知見を得られた。
エンジン
・性能を上げる3要素は燃焼圧力を高めること、燃焼温度を高めること、ノズルの開口比を大きくすること
・クラスター化のメリットは、拡張性、経験の蓄積スピードが早いこと、開発期間が短く済むこと、推力を絞れる(スロットリングしやすい)、デメリットは同程度の出力に比べて高コストで重くなること、性能を揃えることが難しいこと、不具合発生数が上がること
ファルコン9
・輸送は、専用の設備や輸送手段は使わず、法規内で通行できるトレーラーとした。それに合わせ、第一段の直径が3.7mとなった。目的はコスト削減
・組立は横置きで。縦置きは高天井工場やその拡張が必要(横向きの拡張のほうが楽)になる、作業性が悪いなどが理由。ロシア流
・打ち上げ時、直前で横置き。強風や雷避け。そのために高速充填(30分)
・再使用すると打ち上げ能力は頑張っても3割ダウンする。帰還用の推進剤がいることが主な理由(脚による重量増の影響は軽微)
・第2段を長めにすることで第1段の能力低下を少なくする。第1段は慣性で帰還させると推進剤を節約できる。そのための着陸船を自前で準備し、過冷却液体酸素を使用し充填密度を高める(すぐに打ち上げ必要だが)
・IT活用方法。1.打ち上げ能力をソフトウェアで調整 2.シミュレーションによる開発 3.実験のコストを顧客に払ってもらう(アジャイル開発の考え方)
3補足:ミッションへの影響が小さい第1段で色々試せる