あらすじ
星グループの若き総帥、星義彦。猿喰山にある星家の屋敷に入り込んできた庭師・鷺坂貢。義彦は鷺坂の美貌と自由な心に次第に魅了されて行くが、鷺坂の意図は別にあって…? 愛を告げる義彦に応えた鷺坂の思惑、そして真実とは!? 最後まで予測不能な純愛物語、ここに開幕!
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衝撃的なお話でした
ARUKU先生名義の「嫌い、嫌い、愛してる」を読んですっかり沼にハマり、猿食喰山は凄いとレビューにあったので辿り着きました。
絵柄は人を選ぶかと思いますが、2話くらいからそんなこと気にしてる場合じゃなくなってしまいました。嘘の中に本当が混じる過去の話、現在の話、犯罪者と被害者とお互いにわかっていても恋に落ちてゆく不安感と多幸感。本当に構成が巧みでこの世界にどっぷりでした。
随所に出てくるカチカチ山の話はこのストーリーの象徴ですよね。
ウサギを騙す狸にも事情があったかもしれない、ウサギが狸を愛して許してしまうかもしれない。
感動的なラストシーンは火傷を負った狸にウサギが愛を告げるシーンだと思いました。3人で(なぜ“3人”なのかは読めばわかります。泣けます)新しい物語を紡いで行って欲しいです。
Posted by ブクログ
読んだ人をとんでもないところに連れていってしまう一冊。
すごく密度が高く、読み終わったときには「そこで終わるとか…え!?なんだったんだこれは…」と今までにない気持ちでいっぱいになった。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、余韻の残るお話です。
包帯の下から滴り落ちる涙が痛ましい。でもこの先にきっと、幸せがあるんだと信じずにはいられない。
Posted by ブクログ
商業BLにハマったのが遅いので、名作を今更ながらわさわさ読んでおります。
これもその一冊。
BL、こんな壮大な話もあるのですね。
タイトルはこれだし、表紙の絵もあまり好みでないし、でも書評を見ると皆も同じような事云ってるのに読んだら神評価。
どんなものかと読んでみたら、納得!
これはすごい!
最初だけなら、ハーレクイン宜しく、人間を好きになれない鋼鉄の社長の心に、気付いたら入り込んでいた天真爛漫な庭師……のような話を想像しがちですが、全くそんな事もなく、壮絶なラストでした。
この方、他の話も読み漁りましたが、敗者の心情描写が細かくて上手いなあと思いました。
ただただ惜しいのは「絵」です!
他のちょっとほのぼの系でしたらこの絵でも結構平気なんですが、シリアスだと「何で、此処でこの表情?」など絵の固さと独特の癖が気になって。
だからといって、この原作で他の絵なら良かったかというと、そうでもない気もします。
あと、エロは直接描写なしで朝チュンの方がよかったと思います。この絵でもエロシーンがなければ、文句なしの星5つだったかも。
重要だし、エロ自体はないと成り立たないなあとは思うのですが、あの描写で何か我にかえってしまうのでいかんせん。