【感想・ネタバレ】経済学的思考のセンス お金がない人を助けるにはのレビュー

あらすじ

「お金がない人を助けるとき、どうやって助けるのですか?」小学5年生からの問いかけに、経済学者ならどう答えるだろうか。女性が背の高い男性を好む理由からオリンピックのメダル獲得数まで、身のまわりには運や努力、能力の違いによって生じるさまざまな格差や不平等がある。本書は、それらを本質的に解消する方法を考えることによって、経済学的に考えるとはどういうことかをわかりやすく紹介する。

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Posted by ブクログ

「お金がない人を助けるにはどうしたら良いですか?」
運や努力や能力によって様々な格差や不平等が生じます。
小学5年生の質問が大人に深く刺さります。
僕は福祉の世界からこの問題を見ていますが経済学からの視点を示唆してくれる本です。

マリッジプレミアム
「マトモな男は絶対結婚している」
のではなく
結婚によって男は仕事ができるようになる」
良い男は結婚しているのではなく結婚して良い男になると神学論争に決着がついたように思います(笑)

著者の調査によると
日本人の7割を超える人が
「十分な格差がないと人々は努力しない」
過半数が
「所得は各人の選択や努力によって決まる」
と考えるとのこと
日本人の支持を得るためには
「努力しているにもかかわらず運が悪い人を広く救う制度に変える」
ことが必要とのこと。
低所得者への再分配だけでは支持は得られないとのことです。
確かに生活保護制度への風当たりの強さはその裏返しなのかもしれません。
ただ運が悪かった人を見つけるのは大変なんですよねσ^_^;

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2020年02月11日

Posted by ブクログ

★結婚やプロスポーツなど、身近な話題について考えるうちにインセンティブや因果関係といった経済学的思考が身に付くという良書である。
しかし、章によってかなり趣が異なるため統一感がないように感じる。ただ章ごとの話は面白く、良書であることに変わりはない。

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2014年10月26日

Posted by ブクログ

経済学的思考によって身近にある様々な格差について述べた本著。論理的かつ物事に関する視野(選択肢)が広い。
また、問題提起のみを行うというありがちな愚書とは異なり、問題視した上で筆者の具体的解決策も述べており、そのメリット・デメリットも曝け出している論法に好感がもてた。

専門用語の羅列ではなく、身近にある事象を経済学ならびに論理的思考によって、分析している為、非常にわかりやすく楽しめた本であった。

おススメ!

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2013年02月09日

Posted by ブクログ

経済をインセンティブと因果関係の視点から考えるきっかけになる良書。「イイ男は結婚しているのか?」や「成果主義によって生産性は向上したか?」といった身近な話題を例にその経済学的な意味を解き明かしていく。

特に後半の格差問題や年金制度に関する議論が興味深い。「こんな制度になったらいいな」という主観に終始せず、「人間はその制度のもとでどんなふうに行動するのか?」を豊富な統計データや研究結果に基づいて考えている。

まもなく衆院選、東京都知事選である。「こうなったらいいな」だけでなく、「そうなったらいったい何が起こるのか?」まで深く考えるきっかけにぜひ読んでいただきたい。

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2013年05月02日

Posted by ブクログ

今読み途中ですが凄く手につきやすい、読みやすい本。

題名からして、凄く内容が難しそうなイメージがありましたが
実際読んでみるとそうでもなく、学生の私でも十分理解できる内容でした。

物事を色々な方面から見る事ができるようになるかもしれません。

今まで読んできた経済学の本の中でも一番のオススメ

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2012年08月16日

Posted by ブクログ

非常に面白かった。
あらゆる身近な話題を経済学的に説明している。
人が何かアクションを起こす際には必ず何かのインセンティブが働いていることが理解できた。

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2012年06月28日

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良書
特に下記は参考になった

野球監督の能力推定(計量経済学)
年功序列から成果主義への転換の説明(長期的な成果主義から、より短期的な成果主義への変更)

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2011年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

優れた経済学についての一般の入門書は、次の点を踏まえたものであると私は考える。

1、金稼ぎを研究する学問=経済学というよくある誤解を解消する
2、数式を使わない
3、扱われているトピックが身近なものである
4、これから主体的に経済学的思考で物事を捉えることを手助けする

このように考えるならば、この本はすべての点をバランスよく取り入れている優れた入門書である。事実、著者の阪大教授である大竹文雄氏は実証的な研究のみならず様々な賞を頂くほど、一般書の執筆でも評判が高い。

本書の内容については、20ページほどにまとめられたコラムを集めたもので、人々の関心事ともいえる「美男美女は本当に得か」についてや、3.11のケースにも関係している「自然災害に備えるためには」、自虐的テーマともいえる「大学教授を働かせるためには」、バブル後から話題となっている「日本的雇用慣行は崩壊したのか」、近年の小泉改革後に焦点となった平等に関する「見かけの不平等と真の不平等」などといったテーマについてデータと経済理論とともに経済学者がどのような枠組みで考え、考察しているのかを分かりやすく説明している。例えば、「見かけの不平等と真の不平等」いおいては、著者は未来に成功する可能性がある中での所得格差と成功する可能性がない中での所得格差を区別し、後者を問題として捉える。

特に本書は、計量経済学(経済データを扱う統計学)の基本的な考え方を数式を使わず、言葉によって直観的に説明し、また行動経済学の成果を導入するだけでなく、その研究成果の政策的意義を明らかにし、あるいは個人的知見を深めることにも配慮している。結婚の有無によって、賃金の格差が発生するのかを分析するために、結婚している方と結婚していない方を含む双子の賃金を使っていることは、計量経済学の一つの重要な考え方を示唆している。

もちろん、新書という形をとっているために、複雑な現実を単純化するために、正確に事実を捉えていない記述や結論が出ていない箇所も見受けられる。例えば、「人は節税のために生きるのか」においては、人は相続税を節約するために、死亡時期を意図的に遅らせているという研究を示しているが、それが例えば日本人に対して、どこまで当て早まるのかや実際の制度設計にどこまで役立つかに関してまでは、これからの課題としつつも、明確に言及していない。しかし、この点に関しては、どの学問にも当てはまる点であり、また様々な嗜好を持った個人の行動をミクロの視点で考察するミクロ経済学や現実に存在する経済データのみしか扱えない計量経済学の限界ともいえ、積極的に受け止めなければならない必要があり、むしろ経済学では捉えきれない点を明確に述べるという著者の謙虚な姿勢を評価したい。

この本を読むことによって、著者が述べるよう、「経済学的思考のセンス」が身に付き、「経済学中毒」になっているかもしれない。

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2011年06月18日

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大竹先生の著書はもう3冊目になるので、書かれている内容はすんなり理解できた。競争万歳の経済学者なのに、その必然的な帰結である格差について否定的なのは意外だった。
最後に経済学的思考とはインセンティブと因果関係の正しい理解であると大胆に総括されていたが、大竹先生の専攻分野は広い経済学の極一部分であり、さすがにそんな狭い定義に経済学は収まらないだろうと思われる。

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2018年11月27日

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『ヤバイ経済学』をちょっと固くした感じ。取り扱う内容は経済学とは本来関係なさそうな分野が多く、よんで興味を持つ人も多いと思う。

時間をおいて再読したい

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2016年12月14日

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■書評というのは好きじゃないので、読後の収穫。
 社会的に関心がもたれるトピックに対して、経済学の基本的な視座であるインセンティブと因果関係を通じて眺める癖をつける良いきっかけを得た。また、経済学と行動経済学のブリッジにもなるような気付きを得られた点が良い。

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2016年01月07日

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「日本の不平等」の著者、大竹先生の近著。
身近なもの(ちょっとそうでないものもあるが)を少し違った切り口で捉えて、大変興味深い。
すべて世の中の出来事は経済とつながっていることの雰囲気は感じられる。

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2014年09月16日

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身近な題材を通して、学問的な水準を維持しつつ、経済学的分析を試みた本。結果が極めて興味深い。

・身長プレミアム。16才時点の身長が決め手か。
・男性のマリッジ・プレミアム:1.分業仮説。2.労働意欲仮説。3.シグナル仮説。4.差別仮説。
・まともな男は結婚しているではなく、結婚によって男は仕事ができるようになる。
・成果型賃金制度は、1.評価制度の整備と過程の公平性。2.従業員の裁量権が増えることが重要。3.従業員の能力開発の機会が増えることが重要。
・能力の劣った教員から解雇するよりも、組織そのものを解散する方が望ましい。
・2004年の日本の一般政府総支出の対GDP比は37%でアメリカの36%に並んで先進国のなかでは最も低い水準。すでに小さい政府。日本の税率が最低水準だから。
・低成長社会になるフローの所得の比率は小さくなるため、親から受け継ぐストックの比重が高くなる。少子化によってこの傾向は強くなっている。

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2014年02月25日

Posted by ブクログ

幅広い内容を経済学という視点から書いたもの。サラッと読め、ある程度の内容はあるのでまず色んな世界を知りたい人にはおすすめ。
この本から、参考文献や出てきた言葉を辿って知識を増やしていけそうな、そんな一冊。
目を引くテーマとしては、女性はなぜ背の高い男性を好むのか?年功賃金はねずみ講だったのか?所得が不平等なのは不幸なのか、など。

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2013年08月28日

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「社会におけるさまざまな現象を、人々のインセンティブを重視した意思決定メカニズムから考え直すことが、経済学的思考法である。」

経済学って数学できないとわかんないんでしょ無理無理!と思っていた経済食わず嫌いには目から鱗の本でした。

女性はなぜ背の高い男性を好むのか?プロ野球の監督の評価の仕方は?オリンピックのメダル数は予測できるのか?
などなど、身近で興味深い事例を「経済学的に」考えると、思いもよらない発見や、何となくそうだと思ってたけど説明ができなかったことの理論付けができるんだな、とワクワクしながら読めました。食わず嫌いよくないね。

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2012年10月26日

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ネタバレ

NHKの「オイコノミア」を見て大竹先生の本を読みたいと思い、初めて読みました。番組内でしていた話の内容もありました。先生の顔や話し方を知っているので読みやすい面もあったのかも。内容は難しい面もありましたが、最近は情報量のやたら少ない新書も多い中で、久々に濃い内容で満足しました。オリンピックのメダルの話とか、ちょうどロンドンオリンピックの時期なので興味深かったです。いろんなことを経済学で考えられるんですね。

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2012年07月31日

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ネタバレ

中学生の時、「今経済に関心があります」と教頭先生と本について話したら紹介してくださった本です。中学生のときはとても難しかったのですが、いまなら読めました。身長や双子などの勝ち組と負け組について書かれたいたところがとくに興味深くて面白かったです。

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2011年08月20日

Posted by ブクログ

経済学的思考のセンスとは「インセンティブの観点から社会を見る力と、因果関係を見つけ出す力」
なぜ風が吹いただけで桶屋が儲かったのかを見つけられるセンスのこと。読んでみると、いかに印象論でものを見ているのかがわかる。

 僕らはネガティブな話題を好む傾向があるから、巷には印象論的な悲観論が流され、それが世論を作る。じゃあ、経済学的に考えればなにか変わるのかと思うと、好転する部分もあるけれど、悪化する部分もあるから結果はトントンな感じ。経済学的思考のセンスはもれなく、大きな声では言えないような事実も教えてくれる。例えば高身長の方が高所得だとか既婚者のほうが高所得だとか。後、別の本だけど、バカの子は
遺伝子的レベルでバカだとか。(これについては補足があった)

人間の認識というのは、人それぞれで段階があると思う。
例えば、今年は就職率が低いというニュースを見て
1 興味がないから無反応なレベル
2 若い人は大変だねと憐れむレベル
3 何で低いのかと考えるレベル
4 どう影響するのかを考えるレベル
5 本当に低いのかと疑うレベル
こんな感じで分けられるとすると、せめてレベル4ぐらいにはなりたいと思う。

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2011年07月16日

Posted by ブクログ

・良書。
・最初は普通に日常のトピックスを経済学的に分析するよくあるパターンで始まるが、途中から著者の専門分野(労働経済学)が爆発。「年功賃金と成果主義」、「格差社会」、「所得の平等か、機会の均等か」など、つっこんだ論理展開がとても興味深い。

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2013年11月24日

Posted by ブクログ

簡単な例から始まって、確かに「これで誰がトクするんだ?」とか「メリットはなんだ?」とか、要するにインセンティブの面から物事を考える(=経済学的思考)ということについては、よーくわかりました。叩き込まれました。

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2011年07月18日

Posted by ブクログ

20年前近くの本なので、読み飛ばした部分もあり。
でもどんなことにも言語化できることがあるんだなと感じた。

まあわかってないこともありそうだけど。
おもしろかった

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2024年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「お金がない人を助けるには、どうしたらいいですか?」
という小学5年生からの問いに、経済学ならばどう答えるか。
そこのところがこの本の書かれた発端になっている。

行動をうながすためのインセンティブを見ていったり設計したり、
また、統計データから相関しているものをどう読み解くか、
その因果関係への着眼点の持ち方、
それらが、本書のタイトルになりテーマとなっている
「経済学的思考のセンス」になる。

本書は2005年刊行の本ですが、
すでに行動経済学の考え方が取り入れられていたり、
格差や不平等に関する着眼点や論考にも先見の明があり、
現在でも通用する内容になっています。

最初は、イイ男ははやく結婚しているものなのか、
それとも、はやく結婚して守るものができたため、
あるいは妻に育てられたため、などによってイイ男になったのか、
といったおもしろトピックをとりあげて、
経済学的な視点といったものに慣れていく感覚ですすんでいきます。
それは、プロ野球監督の能力とはなにか、だとか、
オリンピックの国別メダル獲得予測に関するものだとか、
週刊誌の見出し的なトピックのものが多い。

中盤から最後までは
年金問題や格差問題を正面から扱い、
不平等というものにドスンとぶつかっていく硬めの論考になっていきます。
それは大まかに見ていくというのとは逆で、
ミクロな部分を仕分けしていくように、
そして、本書の前半部分で親しんできた
経済学的な着眼点と思考を用いての分析になっていきます。

低所得者は怠惰であるからそうなった、
つまり努力が足りないからだ、と考える日本人は多いそうで、
さらにはアメリカ人的な考え方でもあるようです。
ヨーロッパのほうでは、幸運や持って生まれた才能に大きく左右されるものだと
考える向きが強いそう。
これは、努力も幸運も才能も、どれもが低所得や高所得に影響するもので、
どれか一つというわけでもなければ、
どれが一番というものでもないのかもしれない。

また、努力が足りないから低所得なのだ、と考える向きの強いアメリカでは、
「今は低所得だけど、転職によって高所得を得られる可能性はずっとある」
というように、所得階層間での移動率が高い。
幸運や持って生まれた才能が大きく関係すると考えるヨーロッパでは、
所得階層は固定的。
日本はどちらなのかといえば、所得階層間の移動率は低いのに、
考え方は努力が足りなからだ、というもので、
なんだか組み合わせが悪いものになっている。
努力しても所得階層間の移動率が低いので、
努力が報われない可能性が比較的高いのに、
それでも努力が大事な要素であって、
運・不運や持って生まれた才能は努力よりも影響は小さいと考える。
よく日本人は「自己責任」という考え方をするので、
そういった場面での冷たさが指摘されることがあります。
こういう、社会の構造と心理のアンバランスさが
そういった日本人の意識を醸成しているのだろうなあと思いました。

アメリカ人のいう自己責任と日本人のいう自己責任ははっきり違ってきますからね。
努力すれば報われるアメリカンドリームの世界を前提とした自己責任と、
せいぜい大学入学までの努力が比較的報われて、
それ以降の努力は報われない世界を前提にした自己責任と、
まったく違いますよね。

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2019年06月22日

Posted by ブクログ

身近な事例から経済学的な考え方を学ぶことができる。
自分に経済学的思考が備わっていないためか、途中読みにくい部分があった。
経済学についてもう少し学んでから再読したい。

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2016年07月03日

Posted by ブクログ

お金のはなし

報酬を増やせばやる気が出るか?
年功賃金は「ねずみ講」だったのか?
小さな政府は所得格差を生じる
「本当にお金のない人」を見つける方法はどのようにすれば良いのだろう?
所得の平等か機会の均等か?

特別な目線から経済を考える本

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2016年06月27日

Posted by ブクログ

経済学というより、雑学っぽい感じで気軽に読めます。
格差や不平等など、身近でよく聞くキャッチー単語を絡め経済学を論じています。

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2014年09月13日

Posted by ブクログ

経済学がインセンティブに関する学問であることを、楽しみながら再認識させてくれる。題材はプロ野球やダイエットなど、なじみのあるものばかりでとっつき易いが、その実内容は意外にハード。酒の肴にするにはちょっと重たかった。

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2014年01月06日

Posted by ブクログ

経済学を体系的にどうこうしようとかいう内容じゃないので、自分が気になったトピックスを1つ2つ覚えるくらいの、そこそこの気概で読んだらいいんではなかろうか。章ごとの中身は面白いです。

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2012年12月31日

Posted by ブクログ

経済学的に考えるには?が書かれた本。

事象に対して常に疑問を持つことと、色んな角度から物事を見る目が必要かなと思う。

内容も簡単で読みやすい本。

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2012年06月30日

Posted by ブクログ

「イイ男は結婚している」とは本当か?」
「女性はなぜ、背の高い男性を好むのか?」
など、一見経済学とは関係なさそうな命題を明快に解析していく良書。
なるほど、経済学的思考って、こういうことなんだな。

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2012年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

太る日本人男性、やせる日本人女性。
身長プレミアム。
ゴルファーの賞金。
評価制度。
賃金カットか、リストラか。

など様々なことに経済的思考を持ちこむことで、
インセンティブの観点から社会を見て、因果関係を見つけ出す力をつけましょう!って本。

いろんな場面で実践出来たら世の中面白く感じれそうですなー

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2012年02月19日

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