あらすじ
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■齋藤飛鳥の表現者としての美学を紐解く90ページ徹底特集!
美しく力強いパフォーマンス、不思議な説得力を宿した言葉——乃木坂46時代、軽やかにアイドルのイメージを塗り替えた彼女は、次のステージで表現者としての未来をどう切り拓いていくのか。大ボリュームの撮り下ろしグラビアや本人へのロングインタビュー、関係者・スタッフによる証言などを通じて、その美学と信念に迫る。
■大ボリュームの撮り下ろしフォトストーリー&本人の文化的ルーツに迫るインタビュー
巻頭を飾るスペシャルフォトストーリーは、写真家・小見山峻が大ボリュームで撮り下ろし。さらにロングインタビュー「齋藤飛鳥は世界をどう見ているのか」では、グループ卒業前後から現在の仕事に至るまでの心境の変化や年を重ねていくことへの意識を訊ねる。聞き手は『乃木坂46のドラマトゥルギー』などを通じてグループ時代から彼女の活動を追ってきたライター・香月孝史が担当。
また特集の第一部「『齋藤飛鳥』を形づくるもの——映画、文学、音楽」では、本人が大きく影響を受けた12作品について詳細に語ります。映画では、昨年公開の『PERFECT DAYS』(ヴィム・ヴェンダース監督)や、戦後の横浜で夜の街を生きる少女を描いた『月曜日のユカ』(中平康監督)、さらに文学では以前からファンを公言している大江健三郎の作品はもちろん、“調査報道のバイブル”と呼ばれた清水潔のノンフィクション、村上龍やカズオ・イシグロなど数々の名作を紹介。音楽もこれまで本人の口から語られることのなかったお気に入りの楽曲についてたっぷり語っています。
■齋藤飛鳥の稀有な才能とは?クリエイター10人が秘めた思いを語り尽くす
さらに齋藤飛鳥と仕事をともにした10人のクリエイターによる証言集「孤高の少女から 気鋭の表現者へ」では、乃木坂46映像プロデューサー・金森孝宏、「乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展」「春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46」のディレクションを担当した本信光理らが、グループ時代からの彼女の歩みを語ります。さらに映画『映像研には手を出すな!』監督の英勉、乃木坂46『ここにはないもの』MV監督の小林啓一が俳優としての齋藤飛鳥の魅力について分析。そのほかスタイリスト、フォトグラファーなど多様なクリエイターから見た彼女の魅力を語り尽くします。
さらにスペシャル日誌企画「ある1か月の飛鳥さん」では、最近の本人による個人的なメモや写真なども掲載。あらゆる角度から「齋藤飛鳥」という稀有な才能を徹底的に掘り下げる特集となっています。
■コンテンツ
Special photo story 01
Dive into Wonder(通常版)/escape(QJストア限定版)
ロングインタビュー PART.1
感性と言葉の原点──映画・文学・音楽
Special photo story 02
Trip to the Moon
クリエイター10人の証言
孤高の少女から稀有なる表現者へ
小林啓一/英勉/本信光理/金森孝宏ほか
本人のメモ ある1カ月の飛鳥さん
ロングインタビュー PART.2
まっすぐ自分の芯を持って生きてられたら、それでいい
聞き手=香月孝史
Special photo story 03
花は夜ひらく
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
齋藤飛鳥さんの特集。ご自身へのインタビュー二本と、関係者10人へのインタビュー、そしてアート性のあるフォト、トータル90ページといった構成だった。
乃木坂46卒業公演から約1年半が経つころの企画。齋藤飛鳥さんは、今、何を考えているのか。使い古された言葉だけれど、彼女の「現在地」をフレームに収めようという努力の企画である。もちろん、フレームに収まりきるはずがないし、フレームに向けてさらけだすタイプでもない。
共感を抱くような考え方がしばしばでてくる。これはちょっとうれしい。でもそれは、僕が大好きな乃木坂46、そして気になり続けた齋藤飛鳥さんから、意識的にも無意識的にもさまざまな影響をたくさん受けた結果、僕のほうが似たということなのかもしれない。別々の者たちが、ふたを開けたらいろいろと偶然に似ていたというよりも、知らずに彼女たち乃木坂46の、そして齋藤飛鳥さんの考え方や感じ方へと僕のそれらが寄っていったのだろう。
齋藤飛鳥さんは、「乃木坂46の齋藤飛鳥」にしても、乃木坂46卒業後の「芸能人、齋藤飛鳥」にしても、それらを小説のように書き続けているのかもしれない。秘密に手に入れた魔法のペンで書いているので、書いたことが実現する。そういうペンで書かれた小説なのかもしれない。いったいいつから、そういう形の「作家」になっていたのだろう。そのきっかけも知りたいし、どうやって書く才能を養っていたのかにも、渇いた興味が前のめりになる。誰にも気づかれないように、トライ&エラーを重ねて独自の作家性を構築していったのかもしれない。それもまた、彼女の謎の部分だ。さまざまな謎は、謎であると同時に僕らをとらえて引き寄せる。深い魅力は引力としての働きを持っていることを知ることになる。
齋藤飛鳥さんを好きならば、彼女に執着してはいけない。彼女との距離をまず探り、許される距離感を勘をふり絞って働かせて把握するのが彼女へのマナーであるような気がした。
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自分でもきれい事って思うようなことも、ここ数年でまっすぐ受け取れるようになったというか。「きれい事でもいいじゃん」と思えるようになりました。丸くなったと言われれば、それまでなんですけど。(中略)でも卒業した今は、生き方や仕事のひとつ取っても自分で選択するしかない。自分がどうなりたいかを考えないと生きていけない。だから今までよりも幸せについて考えるようになって、自分だけの豊かさを追求することが幸せな人生っていうわけじゃないよな、というところにたどり着いたのかもしれないです。(p32)
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→こういう地点に今はいるんですね。それは未来から振り返れば「通過点だった」と懐かしむようになることなのかもしれないし、あるいは「芽が出たばかりの頃」であってのちに葉を広く伸ばし鮮やかに花が開くことになるのかもしれないそのはじめの記録である可能性もあります。まあでも、とくにこういった記録に縛られることもないでしょうけれども、なんとなく、これは乃木坂でいたことが彼女の背中をつよくひと押ししたんじゃないだろうか、っていう想像もできてしまいました。「きれい事でもいいじゃん」がロックな時代ですよ、現代は。僕からいえば、こんな方を好きでいられるのはうれしいというか、誇らしさまで感じちゃったりで。最初の一歩、乃木坂のオーディションを受けてくれてそこからはじまったわけでして、もうね、ありがとう、ですよ。