あらすじ
行き場を失ったエネルギーが男も女も不幸にする!? 女性保健の分野で活躍する著者が、軽視される性や生殖、出産の経験の重要性を説き、身体の声に耳を傾けた生き方を提案する。
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Posted by ブクログ
面白い視点。ニンゲンという動物で考えると、適齢期にセックスをして、子どもを持つということがいいということは分かるが、現代社会においては様々な弊害がある。そこの議論が少し浅いかな。結局はお金と地位と会社(職業)に恵まれた人しか実現が難しそう。経済的格差に加えて、女性性の格差社会も訪れようとしている…と感じた。
卵子に個性がある、というのは少し笑ってしまった(笑)
女性というのは自分の体を使ってセックスしたり出産したりということをしていないと自分の中の女性としてのエネルギーの行き場がなくなる。だから鬼婆になる。
体の具合が悪くなってしまったり、大変イライラしてしまって人を全く受け入れられない人間になってしまったり、女としての性(セックス、出産、オーガニズムの経験)を抑圧していると、ものすごく嫉妬ぶかくなったり、自分ができないことをしている人を見るととても許せなくなったり。自分の体を使って性経験や出産経験を通じて穏やかになっていく女性とは正反対の方向に行ってしまう。
Posted by ブクログ
よんでいるときの感情は
面白い、半分
辛い悲しい寂しい、半分
だった
読み終わってほっとしている
もっと、からだに向き合ったほうが女性は
幸せになれる、ということは、下の世代に
ぜひ伝えたい
自分のからだをいい状態にする、は
死ぬまでだいじにしていきたいな
いい状態を私は知っているから
ときどきそうなってない状態もよくわかるから
Posted by ブクログ
色々意見の分かれる本だと思うけど、私は納得する部分もかなりあった。
田舎者の親や親族から言われるような、「早く結婚しなさい」「子供を産みなさい」という鬱陶しくてしょうがなかった事を多少突飛で、理論破綻したところもあるけど、学者として女性の出産等を世界でフィールドワークする中で、あくまで著者の「思うところ・事実を元に著者が実感した事」として語っている。
・ナプキン普及前、生理の時は女性はどう生活していたのか?とか
(だって着物だし、パンツないし)
・昔はどんな出産だったんだろう?とか・・・
(だって、病院とかたくさんないし)
今までふと浮かんでは消えてた疑問について書いてあったりして面白かった。
一番印象的なのは、最後の方になると繰り返し出てくるフレーズ。
「からだのほかに向き合うものというのはない」
「からだが無くてもできるようなことは、からだを持っているときにしなくてもいい」
「今、からだを持ってこの時を生きている」
著者が一番いいたいのはここであって、「誰でもいいから結婚したほうがいい」とか、「子供を産んだほうがいい」とかは、からだに向き合うための方法論でしかない。
女性は他の方法でも可能だけれども、女性である事を最大限活かして、パートナーを持ち、出産・子育てをすることで、自然とカラダに向き合えるのだ、と言いたいと私は解釈した。
最近は、自分自身が子供を産み育てる中で、自分や子供の生き物としてのリアルな姿(胸からおっぱいが出る、とか、食べる→排泄するのループとか)を逃げられない現実のものとして目の当たりにしていることもあり、著者の言葉や周囲のオトナたちが言っていた事を改めて納得させられる日々でもあったので、余計この本がすんなり読めた。
自分が大人になってからの10年強を改めて振り返ってみても、自分の体の状態を全然意識せず、意識的に無視できる状態にしていた気がする。
妊娠や出産を意識した時に初めて自分の体の状態が気になるようになった体験を振り返ってみても、もう少し女性としての知恵がオトナから子供へと受け継がれていってもいいのかもしれないなあと思った。