あらすじ
「ぼくたちはルソーの語る意味での主権者なのだろうか、それともルソーが嘲笑したように、選挙のあいだだけ自由になり、そのあとは唯々諾々として鎖につながれている奴隷のような国民なのだろうか」(訳者あとがき)。自由とは、平等とは、そして民主主義ってなんだろう? フランス革命を導き、世界史を動かした歴史的著作の画期的新訳。本邦初訳の「ジュネーヴ草稿」も収録。
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Posted by ブクログ
教科書でもこの書名は出てくるでしょう。
でも大学等でこれを読み進める機会がない限り
読む機会もまずないでしょう。
非常に難解です。
そう、理想の国家について長々と出てきます。
ちなみにこの2つは同じものですが
微妙に違います。
共通なのはキリスト教のところですね。
これは当時としては強烈なことを
いってしまっているので教会を
確実に敵に回しています。
この本はフランス革命の
きっかけになったそうです。
ある制度にどっぷりつかってしまってましたからね…
Posted by ブクログ
社会契約論のみ読破。訳がわかりやすく珍しくやや理解できた。
「どうすれば共同の力のすべてをもって、それぞれの成員の人格と財産を守り、保護できる結合の形式をみいだすことができるだろうか。この結合において、各人はすべての人々と結びつきながら、しかも自分にしか服従せず、それ以前と同じように自由であり続けることができなければならない。」という問題の解決策が社会契約論。
具体的には自らと自らの所有する全権利を共同体の全体に譲渡する。(誰にも同じ条件が適用され人びとは他人の条件に無関心になるとあるがどうだろう。)
そして自らがさしだしたものと同様の権利を契約によって受け取る。
全ての人民のとって共通する利害が一般意志は常に正しい。
よってこの一般意志への服従を拒み個人意志を優先する者は抑圧されても仕方が無い(本末転倒?)
現実的には難しいよなー
Posted by ブクログ
東浩紀さんの『一般意志2.0』を読んだ後、そのベースとなった本書を読んだ。当時は「一般意志」を実現できる情報インフラが整備されていなかったから、「一般意志」とは、あくまでひとつの思考実験に過ぎなかった。だけど、現代はSNSやTWITTERなど市井の人の声を拡散・収集するツールが揃いつつあるので、やる気になれば特殊意志(個人の自分勝手な意志)を吸い上げ全体意思(特殊意志の全部集めたもの)を可視化することはすぐできるし、また社会契約に基づく共同体の意志としての「一般意志」を表出させるのも、(いくつかハードルはありそうだけど)可能性はありそう。民主主義のあり方が根本的に代わるかもしれない今こそ読む価値のある一冊。抽象的な話が多くやや難しいが、翻訳が良いからか読みやすい。