あらすじ
このざわめきは事件の予兆!? 12歳で何者かに拉致監禁された経験をもつ女子大生のましろは、他人の「殺気」を感じ取る特殊能力が自分にあると最近分かってきた。しかし、その起因を探るうち、事件当時の不可解な謎に突き当たってしまう。一方、街では女児誘拐事件が発生。ましろは友人らと解決に立ち上がるが……。忘れたい過去と消えない欲望が交錯する傑作ミステリー。
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Posted by ブクログ
人の殺気を感じ取る能力。こういう「中二病」的設定は嫌いじゃない…どころか、むしろ好みな自分。同じ幻冬舎文庫だと、外見から病状や犯罪の兆候を感じ取れる医師という設定の久坂部羊「無痛」がありますが、あれが大好物な自分にとって本作は結構楽しめました。
状況説明などがやや冗長に感じられる場面もありますが、それらは人物の深堀のために必要な場面だったと解釈しました。中学時代の同級生のキャラが、一部イメージしきれないところがありましたが、それ以外は割とキャラが立っていたと思います。
それらと分かりやすいストーリ展開をふまえると、王道どストレートなお話や設定が好きな人向けなんでしょうか。自分は割とそのタイプなので、500ページ近くある本作もあっという間に読み終えました。
Posted by ブクログ
ジワジワと過去の事件がほどけていいく、
そのほどけ具合がなかなか絶妙。
再会と別れ、友達だと思える人は、
何年会っていなくたって友達なんだな、やっぱり。
Posted by ブクログ
殺気を感じる女子大生が過去の事件を解決する話。
登場人物が若いからか、軽いな。。そのせいか色んなところが中途半端に感じた。
青春ものなのかなー。ミステリーって感じはしないな。
学生の頃の友達って、いくつになっても仲がいいもんだ。当時はいろいろあったかもしれないけど、時がたてばみんな大人になって過去のことは笑い話。そういうことを思い出させてくれた本ではあったな。
Posted by ブクログ
青春ヒロイン小説、サスペンス、ミステリーを合わせて割った感じの作品でした。どっちつかずで評価は★3個にしました。登場人物は個性的で面白い。
主人公の佐々木ましろは、小学6年生の時に友人たちと遊んでいるときに何者かによって連れ去られ、近くの空きビルの一室に監禁されてしまう。ましろを探し出し助けたのはましろの従妹の佐々木深紅[そうです、著者の作品「栄光一途」、「白銀を踏み荒らせ」の主人公「望月篠子」の親友である剣道の達人「佐々木深紅」です。]だった。ましろはこの事件のPTSDのため、カウンセリングを受け、事件の記憶を封印していた。
ましろは、深紅の後輩である鮒田の経営する自然食品ショップでアルバイトをしているが、ある日、強盗が押し入った時にその強盗の殺気を事前に感じとり事件解決を助ける。また、デパートでも殺気を感じその原因が小学校時代の友人「野辺理美子」であったことで親交を深めていく。
鮒田と親交のある丸山次美らが手掛けるショッピングモールのオープニングイベントのファッションショーに出演することになったましろはファッション所で起きた火炎瓶投げ込み事件にまたしても殺気を感じる。
理美子の父親はましろの事件と同じ日に崖からの転落事故で亡くなっており、ある日、理美子の家で見た写真にデジャヴを感じる。
その後、理美子の父親が勤務していた土建会社の関係者の娘の拉致監禁事件が発生し、犯人として同級生が浮かんでくる。事件を解決しようとましろ達は動くが、段々と8年前のましろの拉致監禁事件の真相と、理美子の父親の死亡事故が繋がっていく。