あらすじ
九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも? 事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは〈人間もどき〉の存在に気づく……。
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Posted by ブクログ
不安な気配を漂わせつつ物語が進んでいく。運河に何かありそうで恐ろしい。水や雨が怖いとすら感じました。どんどんホラーみが増してきて、4人が長靴を履いて寝るあたりはほんとに怖かったです。文学しりとりが未読のものがほとんどで自分が不甲斐なかった。この人たちの輪に入っていけないわ私は。高安さんが盗まれて例の場所で見つかるあたりが怖さのピークでした。結果的にはそう悪いものではない感じでみんなが帰ってきて、あれ?って感じでした。こうやってみんな次々に盗まれていくのかな。藍子の思いが最後切ない。幸せを感じて生きていって欲しい。
Posted by ブクログ
「珈琲怪談」が面白かったので、塚崎多聞シリーズの第一作を読んでみた。期待通りの作品。
読み終わったときも長い夢を見ていたような気持ちになった。白日夢やノスタルジイ、ミステリーなど混沌としたものが溶け合ったストーリーだ。
舞台の街も読者が「来たことがある」「知っている」と思い起こさせる。夕立も蒸し暑い夜も夕闇も、そして久々の美しい月。冬に読んでも梅雨時の感覚がよみがえる。
結局「アレ」の正体は謎のままで、この小説は謎のまま終わらせるのが正解だと思う。世の中は謎だらけなのだから。ただ多聞は実際のところどうなのだろう。盗まれたのか盗まれてないのか・・・本人は盗まれたと言っているがそれも怪しい。しかしそれも追及しなくていいことなのだろうな。
郷愁に焦点をしぼると私は非日常なイメージがある。「郷愁」は若いころに訪れた温泉地など風情のある風景だ。そこで生活している人を感情を持っている「人」と認識するよりも風景の一部として捉えてなかったか。仕事で出会う人は人間臭いのに、なぜか自然に近い人は草木や動物と同じように見ていないか。それは神と一体になっていると言えなくないか。そう思うと自分も自然の一部に溶け込みたくなる。となると私はまだ盗まれていなかったのだ。
Posted by ブクログ
仲間のそんな姿見てもその不安や迷いから盗まれに行っちゃうの?と思いました。心を強く持って欲しいし、自分ならもう少しだけ人間としてこのままどうやるか月末を見たいけどな〜とか思いながら読んでいた時にかなり引き込まれて入り事に気づきました笑
Posted by ブクログ
久しぶりに本を読んだのもあって序盤は物語に入り込むのが難しかった。しかし話が進むにつれてどんどん引き込まれて面白かった。
主要な登場人物4人の感情の機微が伝わってきた。ラストも不気味だった。人間の記憶がどれほど曖昧なものかと考え直すきっかけになった。
わからなかったのは、小林さんは結局盗まれていたのか?多聞さんはどうして黒いゴム長靴を履いていたのか。あと、「月の裏側」というタイトルとの関係性もわからなかった。