あらすじ
大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹(ささがに)の市」。そこで手に入らないものはないという。 ある者は薬を。ある者は行方不明の少女を。ある者はこの世ならぬ色を求めて、細蟹の市へと迷い込む。 異形の者たちが跋扈(ばっこ)する市で、市守りのサザが助けたのは記憶を喪った身元不明の少年・カンナだった。呪われた双子の少女は唄う。「ああ、不吉だ、不吉だ」「おまえがもたらす流れ、その循環は、混沌を呼ぶわ」……
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Posted by ブクログ
『プシュケの涙』の三部作以来で読む柴村仁作品。
柴村さんの作品はとても好きなのですが、この『夜宵』はホラーテイストということで、購入しながらも後回し後回しになってしまいました。
のっけから確かに怖かったです。でも、それ以上に、文章から伝わってくる「市」の夜の光景が頭の中に鮮明に浮かんできて、すっかり入り込んでしまいました。
人物も個性的なのですが、それ以上に世界がすごい。
そして、最後まで読んでまた冒頭に戻らせるような仕掛け。読者をも巻き込んで「市」の「円環」を作り上げている。
さらに、不思議な章構成の謎が分かり、読み終わってからしばらく呆然としてしまいました。
舞台となる小島の周りを包む水の暗さと匂いを感じました。この世界は、本当にすごい。
Posted by ブクログ
恒川光太郎さんの「夜市」を少し若者向けにしたような感じがする。基本的にこういう余韻が残る話は好きです。チョコレートスープはいまいちだったけど、その後は良かった。
サザが女性だったのに驚いたのは絶対私だけではないはず!
Posted by ブクログ
最初と最後の時系軸が違ったので、ずっと勘違いしながら読み進めていました(笑)
サザとカンナ君のやり取りが切ない時や、ほのぼのする時などがあって読んでいてとても楽しかったです。
ゾッとするような話もありましたが、それさえもこの本の良さを引き立てるようなもので、とても良かったです。
続きがあるので、それも早く文庫化して欲しいです。
Posted by ブクログ
私の大好きな作家さんの一人柴村仁さんの新作文庫。
メディアワークスで出しているお話とはまったくイメージの違う切なくて、悲しくて、おどおどしくて、心臓がぎゅっとなるせつなさ。
一年のうちに日が短くなる季節に湖中の小島に細蟹の市というのが開かれ、その市ではなんでも揃っているそうです。
だけど、非合法なものが販売されていたり、市から帰ってこられなくなったりするそんな怖い市が主体となるお話。
さすが柴村さんと言うひきつけられる文章。
そして最後の最後でわかったサザの正体。
カンナがどうして赤腹衆になれないと言われ続けたのか!
そしてカンナとまことの叶わぬ恋の話も切な過ぎる。
でも誰かが死んでしまう物語ってやっぱり悲しいですね。
Posted by ブクログ
一ノ経 チョコレートスープ
白いポンチョの女
生首の蒐集家。
肥満男
真性の変態。
サザ
アカハラ。赤腹衆。仄白い翁の面をつけている。
ヒチリキ
雪客衆筆頭。毛羽立ったぼろぼろの外套を肩にかけた男。白鷺の面をつけている。
私
マドウジと扱われる。黒胞衣を着せられている。妊娠中。石骨病院で出会った女に、チョコレートスープを飲めばおなかの子が助かると言われた。
間倉
まん丸いサングラスをかけた男。
あさなさな
ゆうなゆな
瓜二つの女の子。
シラ御前
チョコレートスープを作る。
一ノ緯 マドウジ
少年
赤毛。カンナ。
四人の男
キビト。白い兎のラバーマスクをつけている。
サザ
あさなさな
ゆうなゆな
案山子
黒式尉の面をつけてサザの命に従う。
少女
まこと。丹。
詰襟の学生服を着た少年
うつろなるもの。
ナキ
刑務所にぶちこまれた。
二ノ経 ヒナちゃん
僕
ヒナちゃんがいなくなってちょうど一年後、ヒナちゃんを探しに行った。
女
黒いワンピーの上に黒いケープを羽織っている。
天秤棒を担いだ男
サザ
奇妙に背の高い男
ブリーダー。
俺の父親
二ノ緯 エフェメラの苗床
サザ
カンナ
ナキ
市に出入りしていた男。
うつろ
まこと
タガネ
雪客衆筆頭のヒチリキの息子。
三ノ経 雪客衆
リュウテキ
雪客衆の新入りの面倒を見る。
夜宵
漠。細蟹の市における運営方のトップ。
ヒチリキ
雪客衆
とても重要な雑用係。
サザ
三ノ緯 曼珠沙華
カンナ
ナキ
まこと
サザ
四ノ経 サザ
カンナ
サザ
タガネ
ヒチリキ
ツヅミ
親父
捨吉
色黒の大男。
ナキ
トドロ
ピアスの小男。
オーファン
国籍不明の男。
四ノ緯 カンナ
サザ
ヒチリキ
織女
あさなさな
ゆうなゆな
詰襟の学生服を着た少年
カンナ